HHKBを使って分かった、道具は慣れるまでが仕事
キーボードが好きです。
仕事で一日中パソコンを使っているので、
キーボードは単なる入力装置ではありません。
毎日、何千文字、何万文字と触るものです。
だから、
「どのキーボードを使うか」
は、意外と大事です。
僕が使っているキーボードのひとつが、
HHKBです。
Happy Hacking Keyboard。
名前からして、ちょっと変わっています。
最初に見たときも、
「これ、本当に使いやすいの?」
と思いました。
キーが少ない。
独特な配列。
一般的なキーボードとは少し違う。
そして、
買ってすぐに、
「最高!」
となったわけでもありません。
むしろ、
最初は戸惑いました。
でも、しばらく使っているうちに、
少しずつ感覚が変わってきました。
最初は「使いにくい」と思った
新しい道具を買うと、
普通は、
「今までより便利になる」
ことを期待します。
ところがHHKBは、
僕の場合、
最初からそうではありませんでした。
キーの位置が違う。
今まで無意識に押していたキーが違う場所にある。
いつもの感覚で手を動かすと、
違うキーを押してしまう。
つまり、
自分がキーボードに合わせ直さなければいけない。
これは、
ちょっと面倒です。
でも、
ここに道具との付き合い方の面白さがあります。
道具は「買った瞬間」が完成ではない
道具を買うと、
「これで環境が完成した」
と思いがちです。
でも、
本当はそこからがスタートです。
買う。
使う。
違和感がある。
慣れる。
使い方を変える。
環境を調整する。
また使う。
そうやって、
少しずつ自分の道具になっていきます。
これはキーボードだけではありません。
カメラでも、
ギターでも、
万年筆でも、
時計でも、
仕事で使うソフトでも同じです。
最初から完璧に使える道具は、
意外と少ない。
「使いやすい」の正体
では、
使いやすい道具とは何でしょうか。
ボタンがたくさんあること?
高性能であること?
最新であること?
説明書を読まなくても使えること?
僕は、
「自分の動きと道具の動きが合っていること」
だと思っています。
キーボードなら、
頭の中で考えた文章を、
できるだけ自然に文字へ変換できる。
その間に、
「このキーどこだっけ?」
と考える時間が少ない。
そうなると、
キーボードの存在をあまり意識しなくなります。
これが、
僕にとっての「使いやすい」です。
道具が消えていく
面白いのは、
本当に慣れた道具ほど、
存在を意識しなくなることです。
文章を書いているとき、
「今、HHKBを使っているな」
とは考えません。
ただ、
文章を書いている。
それだけです。
これは、
仕事の道具としては、
かなり重要なことだと思っています。
道具が主役になってしまうと、
仕事に集中できません。
道具が邪魔をしない。
必要なときには助けてくれる。
それくらいがちょうどいい。
「高機能だから使いやすい」わけではない
Webの世界では、
高機能なサービスがたくさんあります。
できることが多い。
設定項目が多い。
連携できる。
自動化できる。
分析できる。
AIも使える。
もちろん、
必要な機能は使えばいい。
でも、
機能が多いことと、
使いやすいことは別です。
例えば、
毎日使う作業が3つしかないのに、
100個の機能があるサービスを使う必要があるでしょうか。
逆に、
必要な3つがとても使いやすければ、
そちらの方が仕事は進むかもしれません。
道具選びでは、
「何ができるか」
だけではなく、
「自分は何をするのか」
を見ることが大切です。
仕事の道具選びも、Webの設計も似ている
ここは、
僕が仕事をしていて面白いと思うところです。
Webサイトを作るときも、
実は同じことを考えています。
「このサイトには、どんな機能を入れましょう?」
と聞かれることがあります。
でも、
その前に、
「何をしたいですか?」
を考えます。
誰に見てもらいたいのか。
何を伝えたいのか。
何をしてほしいのか。
誰が更新するのか。
どれくらいの頻度で更新するのか。
どこまで自分たちで管理できるのか。
そこが分からなければ、
必要な機能も決められません。
つまり、
道具を選ぶ前に、
使う人と目的を考える。
これは、
キーボードでも、
Webサイトでも、
同じです。
「みんなが使っている」は理由にならない
仕事の相談を受けていると、
「みんなInstagramをやっていますよね」
「みんなLINEを使っていますよね」
「みんなホームページを持っていますよね」
という話になることがあります。
もちろん、
多くの人が使っていることには意味があります。
でも、
それだけで自分にも必要とは限りません。
自分のお客さんは、
どこにいるのか。
自分は、
何を伝えたいのか。
どのくらい更新できるのか。
そのために、
本当に必要なのか。
ここを考える方が大切です。
HHKBだって、
誰にでもおすすめできるキーボードではありません。
「みんなが使っているから」
という理由で買ったら、
たぶん困る人もいます。
道具には、
相性があります。
道具に自分を合わせる時間も必要
一方で、
「自分に合わない」
と判断するのも、
少し早い場合があります。
新しい道具には、
慣れる時間が必要だからです。
最初の1日だけ使って、
「これはダメだ」
と決める。
これは、
少しもったいない。
もちろん、
明らかに自分に合わないものもあります。
でも、
単に使い方に慣れていないだけなら、
もう少し試してみてもいい。
道具との相性は、
最初の印象だけでは分かりません。
だから、道具選びには「時間」も含まれる
道具を比較するとき、
価格。
性能。
サイズ。
デザイン。
機能。
こういう情報は、
簡単に比較できます。
でも、
「慣れるまでにどれくらい時間がかかるか」
は、
スペック表には書かれていません。
ここが、
道具選びの難しいところです。
安いから得。
高いから損。
機能が多いから便利。
という単純な話ではありません。
自分が、
その道具を使い続けられるか。
それも、
性能のひとつだと思っています。
道具を選ぶとき、僕が考えること
僕が道具を選ぶとき、
最近はだいたい、
こんなことを考えます。
まず、
何をしたいのか。
次に、
どのくらい使うのか。
誰が使うのか。
今の環境で使えるのか。
覚える必要があるのか。
維持できるのか。
そして、
使わなくなったときに、
どうするのか。
ここまで考えると、
「なんとなく欲しい」
という気持ちと、
「本当に必要」
という判断を、
少し分けられるようになります。
道具は「自分の仕事」を映す
僕は、
道具選びには、
その人の仕事の仕方が出ると思っています。
速さを優先する人。
正確さを優先する人。
長く使えることを優先する人。
見た目を大切にする人。
持ち運びを優先する人。
できるだけシンプルにしたい人。
とにかく新しいものを試したい人。
どれが正しいという話ではありません。
大切なのは、
「自分は何を大事にしているのか」
が分かっていることです。
HHKBから学んだこと
HHKBを使って、
僕が一番感じたのは、
「道具は、買って終わりではない」
ということでした。
使ってみる。
慣れる。
自分の手に合わせる。
環境を整える。
使い続ける。
そうして、
少しずつ、
「自分の道具」になっていく。
これは、
Webサイトにも似ています。
作って終わりではありません。
公開して、
使って、
お客さんの反応を見て、
自分でも使ってみて、
必要なら直す。
Webサイトも、
少しずつ「自分たちの道具」になっていきます。
道具を選ぶことは、仕事を選ぶこと
どんな道具を使うか。
それは、
どんな仕事をしたいか、
ということにもつながっています。
できるだけ効率よく働きたい。
考える時間を増やしたい。
人とのやり取りを大切にしたい。
自分で管理できる環境にしたい。
長く使える仕組みを作りたい。
だから、
道具選びは、
単なる買い物ではありません。
「自分はどう働きたいのか」
を考えることでもあります。
HHKBを使い始めたこと自体は、
小さなことです。
でも、
その小さな道具を通して、
自分の仕事の仕方について考えるようになりました。
道具に振り回されないために
新しい道具を見ると、
ワクワクします。
これは、
今でも変わりません。
新しいキーボード。
新しいMac。
新しいAI。
新しいWebサービス。
新しいガジェット。
気になります。
たぶん、
これからも気になるでしょう。
でも、
「新しいから使う」
ではなく、
「必要だから使う」
を忘れないようにしたい。
そして、
一度選んだ道具については、
すぐに別のものへ乗り換えるのではなく、
少し使ってみる。
慣れてみる。
自分なりの使い方を見つける。
それでも合わなければ、
手放す。
そのくらいの距離感が、
僕にはちょうどいいようです。
HHKBは、
僕にとって、
単なるキーボードではありません。
「道具は、使いこなすまでが仕事」
ということを、
毎日思い出させてくれる道具です。
そしてこれは、
Webでも同じ。
便利なツールを増やすことより、
今ある道具を、
ちゃんと使える状態にする。
その方が、
仕事はずっとシンプルになることがあります。
道具は、
仕事をするためにある。
仕事の主役は、
あくまで人。
その順番だけは、
忘れないようにしたいと思っています。
おまつの道具箱。
次は、
また別の道具を開けてみます。
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