Webサイトを作ったのに、なぜ伝わらないのか

Webサイトを作ったのに、なぜ伝わらないのか

Webサイトを作った。

デザインもきれいになった。

スマートフォンにも対応している。

会社概要もある。

サービス紹介もある。

お問い合わせフォームもある。

それなのに、

「なんだか伝わっていない気がする」

ということがあります。

これは、Webサイトの出来が悪いからとは限りません。

むしろ、ちゃんと作られているサイトでも起こります。

僕は、こういうときに、

「デザインを変えましょう」

とすぐに言うことはありません。

その前に、

「何が伝わっていないのか」

を考えます。

目次

情報があることと、伝わることは違う

Webサイトには、たくさんの情報を載せることができます。

会社のこと。

商品のこと。

サービスのこと。

代表者のこと。

料金。

実績。

お問い合わせ先。

SNS。

アクセス。

営業時間。

必要な情報を一通り載せた。

それでも、初めて見た人にはよくわからない。

なぜでしょうか。

理由のひとつは、

「情報があること」と「情報が伝わること」は別だからです。

例えば、

「私たちはこんなサービスをしています」

という説明があったとしても、

そのサービスが

「自分に必要なものなのか」

が分からなければ、見る人はそこで止まります。

逆に、

「こんなことで困っていませんか?」

から始まれば、

「あ、それ自分のことかもしれない」

と、自分との関係を見つけることができます。

つまり、

情報そのものだけではなく、

「どういう順番で、どういう関係で見せるか」

が重要になります。

Webサイトは「情報の倉庫」ではない

Webサイトを作るとき、

「とりあえず必要な情報を全部入れよう」

となることがあります。

もちろん、必要な情報を載せることは大切です。

でも、

全部入れれば伝わる、

というわけではありません。

情報を倉庫のように並べても、

見る人は自分で整理してくれるとは限らないからです。

例えば、

会社紹介

サービス

料金

代表プロフィール

実績

お問い合わせ

というページ構成があったとしても、

それだけで「分かりやすいサイト」になるわけではありません。

大切なのは、

「この人は何者なのか」

「自分に関係があるのか」

「何をしてくれるのか」

「なぜここに頼むのか」

「安心して相談できるのか」

「次に何をすればいいのか」

という疑問に、

必要な順番で答えられているかどうかです。

初めて見る人は、あなたのことを知らない

ここは、Webサイトを作るときに意外と忘れやすいところです。

自分たちは、

「うちのことは、もう知っている」

という状態でサイトを作ります。

でも、初めて訪れる人は何も知りません。

会社名も知らない。

商品も知らない。

代表者も知らない。

これまで何をしてきたのかも知らない。

だから、

自分たちにとって当たり前のことが、

初めて見る人にとっては当たり前ではないことがあります。

例えば、

「地域に根ざしたサービスです」

という文章。

自分たちからすれば、十分な説明かもしれません。

でも、

「具体的に何をしているの?」

「誰のためのサービスなの?」

「どこで利用できるの?」

という疑問が残るかもしれません。

逆に、

「旭川市内の小規模事業者を対象に、ホームページの整理と更新をサポートしています」

と書けば、

誰が、

どこで、

何をしているのか、

かなり具体的になります。

伝わる文章は、

難しい文章ではありません。

「知らない人が読んでも分かる文章」です。

「何をしているか」だけでは足りない

もうひとつ重要なのが、

「何をしているか」と「なぜそれをしているか」の違いです。

例えば、

「ホームページ制作をしています」

という説明。

これは仕事の内容としては間違っていません。

でも、それだけでは、

「それで、自分に何をしてくれる人なの?」

というところまでは伝わりません。

そこで、

「ホームページを作ること」ではなく、

「何の問題を解決するためにホームページを作るのか」

を考えます。

例えば、

「何を載せればいいのかわからない」

「情報が古くなっている」

「SNSとホームページがつながっていない」

「サービスの説明がうまくできない」

「ホームページを作ったけれど、自分で更新できない」

こうした問題があるとします。

すると、

Web制作という仕事の見え方が変わります。

「ホームページを作ります」

ではなく、

「今ある情報を整理して、必要な情報を伝わる形に整えます」

という仕事として考えられるようになります。

ここには大きな違いがあります。

問題は、Webサイトの中だけにあるとは限らない

さらに、

「サイトを直せば解決する」

とも限りません。

例えば、

SNSでは商品Aについて発信している。

ホームページには商品Bが中心に載っている。

ネットショップでは商品Cを一番売りたいと思っている。

Googleの情報は古いまま。

お問い合わせ先も複数ある。

こうなると、

一つひとつのページを見れば間違っていなくても、

全体としては分かりにくくなります。

つまり、

Webサイト単体の問題ではなく、

Webサイト、

SNS、

Google、

ネットショップ、

問い合わせ、

実際のサービス、

日々の発信。

これらの関係が整理されていないことが問題なのかもしれません。

僕がWebサイトを見るときに、

「このページをどう直すか」

だけではなく、

「この情報は、どこにつながっているのか」

を見るのは、そのためです。

伝わらないときは、足す前に整理する

伝わらない。

情報が足りない。

もっとページを増やそう。

という流れになりがちです。

でも、実際には逆の場合があります。

情報が多すぎる。

似た情報が複数ある。

重要な情報が埋もれている。

同じことを違う言葉で説明している。

ページごとに言っていることが少し違う。

問い合わせ先が分散している。

こういう状態なら、

新しい情報を足すより、

まず整理した方がいい。

削る。

まとめる。

順番を変える。

言葉を変える。

役割を決める。

つながりを作る。

それだけで、

サイト全体が分かりやすくなることがあります。

「ページを作る」より「役割を決める」

Webサイトを作るとき、

「トップページには何を書く?」

「サービスページには何を書く?」

と考えることがあります。

もちろん、それも必要です。

でも、その前に、

「このページは何のためにあるのか」

を決めます。

トップページは、

すべてを説明する場所ではありません。

まず、

「ここは何のサイトなのか」

を伝える役割があります。

サービスページは、

サービスを並べるだけではありません。

「誰に、何を提供しているのか」

を理解してもらう役割があります。

プロフィールページは、

経歴を全部書く場所ではありません。

「この人に相談して大丈夫そうか」

を判断するための材料になります。

お問い合わせページも、

フォームを置くだけではありません。

「何を相談していいのか分からない」

という人が安心して連絡できる場所にする必要があります。

ページには、それぞれ役割があります。

役割が決まれば、

載せる情報も決めやすくなります。

Webサイトは「案内板」に近い

僕はWebサイトを、

「巨大なパンフレット」

として考えるより、

「案内板」に近いものとして考えることがあります。

駅に案内板があるとします。

そこに、

駅の歴史。

駅員のプロフィール。

過去のイベント。

周辺の詳しい歴史。

すべてが書いてあったら、

情報としては豊富かもしれません。

でも、

「自分はどこへ行けばいいの?」

が分からなければ、案内板としては機能しません。

Webサイトも同じです。

情報量が多いことより、

「今、この人が知りたいことは何か」

「次に何をすればいいか」

が分かることの方が重要です。

SNSとWebサイトも役割が違う

ここは、最近特に大切になっているところです。

InstagramやFacebook、X、ThreadsなどのSNSは、

日々の出来事を伝えるのに向いています。

新商品。

イベント。

今日の活動。

制作の様子。

ちょっとした考え。

人柄。

SNSには、

「今」を伝える力があります。

一方でWebサイトは、

基本情報やサービス、プロフィール、実績、考え方などを、

必要なときに確認してもらう場所として使えます。

だから、

SNSだけ頑張ればいい。

Webサイトだけ作ればいい。

という話ではありません。

それぞれに役割があります。

SNSで知ってもらう。

Webサイトで確認してもらう。

必要なら問い合わせてもらう。

あるいは、

Webサイトで興味を持ってもらう。

SNSで日々の活動を見てもらう。

ということもあります。

大切なのは、

どちらが優れているかではなく、

どうつなげるかです。

「作ったあと」が本当のスタート

Webサイトは公開した瞬間に完成するものでもありません。

実際に使ってみると、

「この説明はいらなかった」

「このページが見つけにくい」

「問い合わせが少ない」

「自分で更新しにくい」

「この情報は古くなっている」

ということが出てきます。

それは失敗ではありません。

使ってみたから分かったことです。

だから、

作る。

使う。

見る。

直す。

また使う。

この繰り返しが大切です。

特に小さな事業では、

最初から完璧なWebサイトを作る必要はありません。

むしろ、

今必要なものを整理して作り、

実際に運用しながら育てていく方が現実的なこともあります。

僕が「いきなり作らない」と考える理由

僕は、

「ホームページを作りたい」

と言われたとき、

すぐにデザインを始めることが正解だとは考えていません。

もちろん、作ることが必要な場合もあります。

でも、

本当に必要なのが、

ホームページなのか。

SNSの整理なのか。

プロフィールの見直しなのか。

サービス内容の整理なのか。

問い合わせ導線の改善なのか。

Googleの情報整理なのか。

あるいは、

今は何もしないことなのか。

そこから考えた方がいい。

Webは手段です。

目的ではありません。

だから、

「何を作るか」

より先に、

「何を解決したいのか」

を考えます。

伝わらないとき、デザインだけを疑わない

もちろん、デザインも大切です。

文字が小さい。

見にくい。

スマートフォンで操作しにくい。

写真が悪い。

色のコントラストが弱い。

こうした問題は改善する必要があります。

でも、

「伝わらない=デザインが悪い」

ではありません。

もしかすると、

伝える順番が違うのかもしれない。

情報が多すぎるのかもしれない。

誰に向けているのか曖昧なのかもしれない。

サービスそのものが整理されていないのかもしれない。

SNSとWebの役割が分かれていないのかもしれない。

問い合わせまでの道筋がないのかもしれない。

だから僕は、

見た目を変える前に、

構造を見ることがあります。

整理すると、見えてくる

Webサイトを作る。

SNSを始める。

ネットショップを作る。

新しいツールを導入する。

こうしたことは、

「何かを始める」ための方法です。

でも、

何かを始める前に、

一度立ち止まって、

「今、何があるのか」

を見てみる。

情報はどこにあるのか。

誰が管理しているのか。

何が伝わっていないのか。

何が重複しているのか。

何が足りないのか。

何をやめてもいいのか。

何をつなげればいいのか。

そこを整理すると、

「ホームページを作る」

という最初の相談が、

「まずサービス内容を整理した方がいいですね」

に変わることもあります。

逆に、

「実は、今のホームページを少し直せば十分です」

という結論になることもあります。

それでいいと思っています。

必要のないものまで作る必要はありません。

Webの仕事は、作ることだけではない

僕はWebディレクターとして、

Webサイトを作ることにも関わってきました。

でも、今は、

「何を作るかを整理すること」

の方が重要だと感じています。

Webサイト。

SNS。

ネットショップ。

Google。

文章。

プロフィール。

商品。

サービス。

それぞれを別々に考えるのではなく、

「どうつながれば、この活動がちゃんと動くのか」

を見る。

それが、

松井構造室で大切にしている考え方です。

難しいことを、難しく説明する必要はありません。

まず、

今あるものを並べてみる。

必要なものと、

今はいらないものを分ける。

順番を決める。

役割を決める。

そして、

必要なものだけを作る。

その方が、

作ったあとも使いやすい。

続けやすい。

自分でも管理しやすい。

そんなWebになっていくと思っています。

もし、Webサイトが「なんとなく伝わらない」なら

もし今、

「ホームページはあるんだけど、なんとなく伝わっていない気がする」

と思っているなら、

いきなりリニューアルしなくても大丈夫です。

まず、

誰に見てほしいのか。

何を知ってほしいのか。

何をしてほしいのか。

今のサイトで、それが分かるのか。

SNSとつながっているのか。

問い合わせまでの道筋があるのか。

一度整理してみてください。

もしかすると、

必要なのは新しいWebサイトではなく、

今ある情報の整理かもしれません。

そして、

それが分かるだけでも、

次にやることはかなり見えてきます。

整理すると、見えてくる。

Webサイトも、

同じです。


松井構造室では、

Webサイト制作だけを目的にするのではなく、

Web、SNS、情報、ツール、活動全体を整理し、

「次に何をすればいいのか」が分かる状態をつくることを大切にしています。

いきなり作らない。

まず整理する。

必要なものを決める。

そして、実際に動かす。

小さな事業や活動だからこそ、

大きな仕組みを増やすのではなく、

今あるものを、きちんとつなげる。

そんなWebの使い方を考えています。

松井構造室

Web・情報設計・編集

「整理すると、見えてくる。」

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