10月10日・11日の2日間、旭川のはれて屋台村で開催された「NoMapsあさひかわ」に、うんのしまマーケットが出店しました。イベント出店は、準備から当日の販売、撤収まで、なかなか忙しいものです。そして、イベントが終わると、ほっとする間もなく次の仕事が始まります。売上の確認、商品の片付け、在庫の整理、次の出店の準備。そんな中で、つい後回しになりやすいのが「振り返り」です。でも、ここには次の仕事につながるヒントがたくさんあります。イベント出店を一度きりの販売で終わらせず、次の活動に生かすための振り返り方を整理してみます。
売上だけでは、見えないことがある
イベントが終わったあと、まず気になるのは売上だと思います。いくら売れたのか。出店料や交通費などを差し引いて、利益はどれくらい残ったのか。もちろん、これは大切です。事業として出店する以上、売上や利益を確認せずに「楽しかったから成功」とするわけにはいきません。
ただし、売上だけを見ていると、次に生かせる情報を取りこぼすことがあります。足を止めてくれた人は、何に興味を持っていたのか。商品について、どんな質問をされたのか。説明すると興味を持ってもらえたものは何か。反対に、説明しないと伝わりにくかったものは何か。次回も持っていきたい商品は何か。これらは、売上表だけではわかりません。しかし、商品構成や売り場づくり、SNSでの伝え方を考えるときに役立つ情報です。売上を確認することと、現場で起きたことを振り返ること。この2つをセットにしておくと、次の出店に向けた改善がしやすくなります。
お客さまの質問は、商品説明のヒント
記録しておきたいのが、お客さまからの質問です。たとえば、商品を見て「これは何に使うんですか?」「どうやって使うんですか?」「ほかのものとは何が違うんですか?」と聞かれたとします。その場では、質問に答えて説明すれば済む話です。でも、同じ質問を何度も受けるなら、少し考えてみる価値があります。それは、お客さまが知りたいことが、商品を見ただけでは伝わっていない可能性があるからです。
商品そのものに問題があるとは限りません。使い方がわかりにくいのかもしれない。特徴が伝わっていないのかもしれない。そもそも、何の商品なのかが一目でわからないのかもしれない。そうであれば、改善できる場所は商品の中だけではありません。値札、商品説明、売り場のPOP、SNSの商品紹介、ホームページの説明文。伝え方を変えるだけで、理解してもらいやすくなる可能性があります。
「質問:これは何ですか?/気づき:見ただけでは用途がわからない/次の一手:商品の用途がひと目でわかるPOPを作る」。こんなふうに記録を残せば、現場での会話が、そのまま次の改善につながります。お客さまの質問は、単なる接客の記録ではありません。自分たちが伝えたいことと、相手が知りたいことのズレを教えてくれる情報でもあります。
売り場も、商品も、次のために見直す
イベント出店では、商品だけでなく、売り場全体もお客さまに見られています。どこに何があるのか。何が目玉商品なのか。どこから見ればいいのか。価格はわかりやすいか。商品を手に取ってもらいやすいか。こうしたことは、実際に売り場に立ってみると、準備の段階では気づかなかった問題が見えてくることがあります。
商品をたくさん並べた結果、かえって何を扱っているお店なのかわかりにくくなっていないか。伝えたいことが多すぎて、POPの文字が小さくなっていないか。体験型の商品なのに、体験できることが売り場から伝わっていないのではないか。当日の写真を見返してみるのもおすすめです。
ここで大切なのは、反省点を見つけること自体を目的にしないことです。全部を変える必要はありません。次回、ひとつだけ改善するとしたら何か。そのくらいの考え方で十分です。小さな改善を重ねることで、売り場も少しずつ整っていきます。
イベントで得た情報を、Webに残す
イベント出店で得た経験は、その場だけで使い切るにはもったいない情報です。
ひとつは、SNSで活動報告をすることです。出店したこと、会場の様子、商品についての紹介など、その日の活動を、写真と短い文章で伝えます。当日来られなかった人にも、どんな活動をしているのか知ってもらうきっかけになります。
もうひとつは、商品紹介を見直すことです。お客さまからよく聞かれた質問を、商品説明やPOPに反映します。同じ説明を何度もしているなら、その説明をWebにも掲載しておく。次に商品を見た人が、自分で情報を確認できるようになります。
さらに、ホームページに活動実績を残すことです。参加したイベント、取り扱っている商品、活動の様子。こうした情報をホームページに蓄積しておけば、初めて訪れた人にも活動内容を伝えやすくなります。イベントで知った人が、帰宅してから名前を検索することもあるでしょう。そのとき、SNSの最新投稿だけでなく、活動内容が整理されたホームページがあれば、理解を深めてもらう助けになります。
そして、今回の写真や記録は、次の出店告知にも使えます。どんな商品を扱っているのか。どんな体験ができるのか。どんな雰囲気の売り場なのか。前回の様子がわかる情報があれば、次のイベントに初めて来る人もイメージしやすくなります。ひとつの活動から、活動報告、商品紹介、ホームページの更新、次回の告知まで。情報を使い回すというより、同じ経験を、それぞれの目的に合わせて生かしていくイメージです。
まとめ|振り返りは、5分でもいい
ここまで読むと、イベントのあとにやることが増えたように感じるかもしれません。でも、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、次の5項目だけ記録してみてください。
「今回、何がよかったか」「お客さまから何を聞かれたか」「どの商品や展示に興味を持ってもらえたか」「次回、ひとつ改善するなら何か」「写真や活動記録を、どこに残すか」。思いついたことを一言ずつ書くだけでも構いません。できれば、記憶が新しいうちに残しておくこと。数日たつと、忙しさの中で細かな出来事は忘れてしまいます。スマートフォンのメモでも、ノートでも、スプレッドシートでも大丈夫です。大切なのは、きれいな記録を作ることではなく、次に使える形で残すことです。
イベント出店は、商品を販売する機会です。同時に、お客さまの反応を知る機会でもあり、自分たちの活動を知ってもらう機会でもあります。そして、次の商品づくりや情報発信を考えるための材料が集まる場所でもあります。売上を確認する。現場での気づきを残す。必要な情報をWebに反映する。次の活動に生かす。この流れができれば、ひとつのイベントが、その日だけの出来事ではなくなります。まずは、今日の出店で気づいたことをひとつ、メモに残すところから。その小さな記録が、次の一手を考える助けになるかもしれません。
