「そんな企画があったんだ」。あとから知って、ちょっと残念な気持ちになったことはないでしょうか。便利な制度、地域のイベント、お得なキャンペーン、近くにある施設。世の中には、知っていれば役立つ情報がたくさんあります。でも、情報が存在することと、必要な人に届いていることは、別の話です。今回は、旭川市が公開しているJR富良野線のプレゼント企画を取り上げながら、地域の情報の届け方について考えてみます。
11月から、JR富良野線のプレゼント企画が始まる
旭川市では、JR富良野線と沿線地域への関心を高めることを目的に、「乗って当てよう!JR富良野線プレゼント企画」を実施します。実施期間は2026年11月1日(日)〜2027年1月31日(日)。対象は、期間中にJR富良野線を1区間以上利用した人。賞品は抽選で30名にプレゼント。応募期間は2026年11月1日(日)〜2027年2月5日(金)です。応募方法は、応募フォームに必要事項を入力し、乗車券または整理券の写真と、降車駅で撮影した自撮り写真または集合写真を添付するというものです。乗車券または整理券1枚につき1回応募でき、必要な写真も2種類あります。応募前には、必ず旭川市の公式案内で詳細を確認してください。こうした企画は、地域の交通に目を向けるきっかけになりそうです。ただし、企画があることを知らなければ、応募する機会そのものが生まれません。
情報は、公開しただけでは届かない
これは、行政の企画に限った話ではありません。個人のお店も、イベントの主催者も、地域で活動する人も同じです。イベントを開催するけれど、告知はSNSに一度投稿しただけ。お店に新商品が並んだのに、Webサイトには以前の商品情報が残っている。便利なサービスがあるのに、どんな人が利用できるのか伝わっていない。申し込み方法は書いてあるけれど、必要な条件が見つけにくい。発信する側からすれば「ちゃんと掲載した」と思っている。でも、受け取る側は、その投稿を見ていないかもしれません。見ていても、自分に関係があると気づいていないかもしれません。情報は、発信した時点で仕事が終わるわけではないのです。
届けるために、整理しておきたい3つのこと
一つ目は、誰に知ってほしいのか。「多くの人に知ってほしい」だけでは、伝え方を決めにくくなります。普段から利用している人なのか、初めて利用する人なのか。届けたい相手が変われば、伝えるべき情報も変わります。二つ目は、何を知れば、行動できるのか。開催日や商品名だけでは、行動に移せないことがあります。場所、費用、対象者、参加条件、申し込み方法、締め切り。相手が次の一歩を踏み出すために必要な情報を、見つけやすい順番で整理することが大切です。三つ目は、どこを見れば、詳しいことがわかるのか。SNSの投稿を見たあと、詳細を確認できる場所があるでしょうか。投稿だけですべてを説明する必要はありません。ただし、詳しい情報へ迷わず進める道筋は必要です。情報を並べるだけでなく、情報と行動をつなぐ。ここが意外と大事です。
小さなお店にも、同じことが言えます。商品、サービス、営業時間、イベント、こだわり、店主の思い。けれど、それらを全部、同じ熱量で発信すればよいわけではありません。お客さんが知りたいことと、お店が伝えたいこと。その重なる部分を見つける必要があります。初めてお店を知った人は、まず「何を売っているのか」「いくらなのか」「どこで買えるのか」を知りたいかもしれません。思いを伝えることは大切です。でも、相手が知りたいことを置き去りにしてしまうと、せっかくの思いも届きにくくなります。
ホームページを作ることも、SNSを運用することも、目的そのものではありません。本当に考えたいのは、その先にいる人に、必要な情報が届き、次の行動につながっているかどうかです。さて、あなたの身の回りにも、「知っていたら使ったのに」と思う情報はありませんか。そして、自分が届ける側なら、その情報は必要な人に届く形になっているでしょうか。
