旭川には、いろいろな人がいます。お店をやっている人、ものをつくっている人、イベントを開催している人、地域で活動している人、個人で仕事をしている人、趣味から活動を広げている人。そして、とても面白いことをしているのに、意外と知られていない人もいます。これは旭川に限った話ではありませんが、地域の小さな事業を考えるときには大きなテーマだと思っています。
「いいもの」と「知られている」は別の話
僕たちはつい「いいものなら、そのうち知られる」と思ってしまいます。もちろんそうなる場合もありますが、現実にはそう簡単ではありません。どれだけ良い商品をつくっても、どれだけ丁寧に仕事をしても、存在を知られていなければ選択肢に入りません。これは品質とは別の問題です。
知られていないからといって、価値がないとは限りません。単純に情報が届いていないだけかもしれません。検索しても出てこない、SNSをやっていない、更新が止まっている、何をしている人なのか分からない、名前は知っていても詳しい情報がない、イベントには出ているけれどWeb上に情報が残っていない。こういうことは珍しくありません。
「知っている」と「思い出せる」は違う、という点も大切です。一度見たことがあるだけでは、必要になったときに思い出してもらえません。毎日でなくても、活動していることが分かる、今も存在していることが分かる、何をしているのか時々思い出してもらえる。こうした積み重ねが認知につながります。また「何をしている人か」が一言で分かると強いものです。地域で人から紹介されるとき、「○○さんって知ってる?」「何してる人?」と聞かれます。「旭川で○○をしている人」と説明できれば記憶に残りやすくなります。プロフィールやWebサイトの最初の文章は、単なる自己紹介ではなく、人に説明してもらうための文章でもあるのです。
「発信すること」は、自分を大きく見せることではない
発信が苦手な人の中には、「自分のことを宣伝するのが嫌だ」という人もいます。でも発信には別の考え方もあります。「必要な人が見つけられるようにしておく」という考え方です。看板を出す、営業時間を書く、住所を書く、仕事内容を書く、作品を見せる、活動記録を残す、問い合わせ先を書く。これだけでも、誰かにとっては大きな助けになります。
旭川では「街の接点」と「Webの接点」をつなげたいところです。イベントに出店する、お店を開く、誰かと一緒に企画する、地域の活動に参加する。そこで名前を知ってもらい、検索してもらう、SNSを見る、ホームページを見る、またイベントに来てもらう。こういう循環ができると、活動は少しずつ積み上がっていきます。小さな活動ほど「記録」が資産になります。イベントに参加した、新しい商品を作った、誰かとコラボした、お客さんから感想をもらった。写真、文章、記事、SNS投稿、Webページ、活動実績として残すことで、あとから見つけてもらうための情報になります。これはSEOにもつながり、将来的にAIが情報を整理するときにも、活動の事実や背景がWeb上に残っていることには意味があります。
まとめ|「知られる」は、派手になることではない
フォロワーを何万人にする、バズる、全国的に有名になる。そういう方法だけが「知られる」ではありません。旭川で仕事をしていて、必要な人が検索したときに見つかる。誰かに相談されたときに名前が出る。イベントを探している人が見つける。友人から「あの人知ってる?」と聞かれたときに名前が出てくる。こういう小さな認知の積み重ねも、立派なブランドになります。旭川には、まだ知られていないものがたくさんあります。小さな店、個人の活動、イベント、ものづくり、新しいサービス、面白い人。そういうものが重なって街の雰囲気ができています。「なぜ、これは知られるのか」「なぜ、これは知られにくいのか」を考えてみること。そこには、地域で小さな事業を続けるためのヒントがたくさんある気がします。
