AIをどう使えばいいか分からない小さな事業者へ|「下ごしらえ」から始める仕事の整理

SI — Structural Intelligence

「AIを使ったほうがいいのは分かるけど、何に使えばいいのか分からない」。最近、そんな話を聞くことが増えました。生成AIを使えば、文章を書いたり、アイデアを出したり、調べものをしたりできます。でも、AIを使うこと自体を目的にすると、かえって仕事が増えることがあります。大切なのは、「AIで何ができるか」ではなく、「自分の仕事のどこをAIに任せるか」です。経済産業省のGENIACでも生成AIの活用例としてアイデア出し、要約、調査、情報収集、営業活動の事前準備などが挙げられていますが、「AIでできること」と「自分の仕事でAIを使うべきこと」は別だということです。

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まず「仕事」を分解してみる

小さなお店なら、問い合わせに答える、商品説明を書く、Instagramに投稿する、イベントの告知を書く、ホームページを更新する、競合や市場を調べる、新商品のアイデアを考える、売上や反応を振り返る、といった仕事があります。この全部をAIに任せる必要はありません。考える、調べる、まとめる、書く、判断する、というように分けると、AIに向いている部分が見えてきます。

AIが使いやすいのは「下ごしらえ」

文章を書く前に「この内容を整理して」「伝えたいことを箇条書きにして」「抜けている情報がないか確認して」。文章を書いた後に「初めて見る人に分かりにくいところは?」「専門用語が多すぎないか?」。考えがまとまらないときに「選択肢を3つに分けて」「それぞれのメリット・デメリットを出して」。AIを「答えを出す機械」としてだけではなく、考えを整理する相手として使うわけです。一方で注意したいのは、「美容室のInstagram投稿を書いて」とだけ頼んでも、誰に向けた店なのか、何が特徴なのかが整理されていなければ、AIも一般的な文章しか作れません。入力する側の情報が整理されていないことが原因です。誰に、何を、なぜ、どんな言葉で、どこで伝えるか。これが決まっているほどAIは使いやすくなります。

AIに「判断」まで丸投げしない

AIが出した答えを、そのまま正解だと思わないこと。お客様との関係、地域での評判、これまでの経緯、自分が大切にしていること、実際に提供できるサービス。事業者本人にしか分からない事情まで、AIが正しく判断してくれるわけではありません。AIに「案」を出してもらい、最後の「決める」は自分でやる。この使い方を基本にします。また、顧客情報や個人情報、社外秘の情報をそのまま入力してよいとは限りません。経済産業省・総務省の「AI事業者ガイドライン」でも、プライバシー保護やセキュリティなどが重要な論点として整理されています。

小さな事業なら、まずこの5つから。文章の整理、アイデア出し、調査の下準備、チェック、壁打ち。AI活用は「使い方」より「使う場所」です。「自分の仕事の、どこが面倒なのか?」から考えます。時間がかかっている仕事、何度も繰り返している仕事、文章にするのが苦手な仕事。その中から一つだけ選んで、「これ、AIに手伝ってもらえる?」と考えてみる。特定のツールの使い方だけを覚えても長く使える知識にはなりにくいですが、自分の仕事のどこに時間がかかり、どこならAIに任せられ、最後に誰が判断するのかを整理しておけば、AIが変わっても考え方は残ります。

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