ホームページを作った。制作会社に依頼した。自分で時間をかけて作った。無料のサービスを使って公開した。形はできた。ところが、問い合わせが来ない。
そんなとき、「デザインが古いのかな」「もっとページを増やしたほうがいいのかな」「広告を出したほうがいいのかな」「そもそも作る必要がなかったのかな」と考えがちです。どれも検討する価値のあることです。ただ、改善策を考える前に確認しておきたいことがあります。それは、ホームページが、誰に何を伝え、どんな行動につなげるための場所なのかということです。
ホームページは、公開しただけで問い合わせを生み出してくれる装置ではありません。必要な人に見つけてもらい、内容を理解してもらい、安心してもらい、次の行動へ進んでもらう。そのための情報と仕組みが必要です。小さなお店や個人事業主がホームページを見直すときに確認したい、7つのポイントを整理します。
1. 誰に向けたホームページなのか
最初に確認したいのは、デザインでも文章量でもありません。誰に向けたホームページなのか、ということです。
たとえば、飲食店のホームページであれば、お店の雰囲気を伝えたいのか、メニューを見てもらいたいのか、観光客に来店してもらいたいのか、地域の人に日常的に利用してもらいたいのか。目的によって、必要な情報も見せ方も変わります。観光客に来店してほしいのであれば、場所、営業時間、アクセス方法、利用できる支払い方法などが重要になるでしょう。法人向けのサービスであれば、対応できる業務、依頼までの流れなどが判断材料になります。
誰に向けているのかが曖昧だと、情報をたくさん載せても、訪問者にとって必要な情報が見つけにくくなることがあります。「誰に見てほしいか」だけでなく、「その人は何を知りたくて、このページを見るのか」まで考えてみましょう。
2. 何をしている事業なのか、すぐにわかるか
ホームページを開いたとき、最初に目に入る情報はとても大切です。訪問者が「何をしている会社なのか」「自分に関係があるサービスなのか」を理解できるでしょうか。
たとえば、トップページに「あなたの未来を、もっと豊かに。想いや可能性を大切にしながら、新しい価値を創造します」と並んでいたとします。雰囲気は伝わりますが、初めて訪れた人には、具体的に何を依頼できるのかがわからないかもしれません。
一方、「旭川の小さなお店・個人事業主向けに、ホームページ制作とWeb活用をサポートします」という説明なら、対象となる人と提供する内容が具体的です。もちろん、抽象的な言葉やブランドの世界観が不要ということではありません。世界観を伝える言葉と、具体的なサービスを説明する言葉。どちらか一方ではなく、両方を適切に配置することが大切です。
3. サービス内容が具体的に書かれているか
ホームページを見て興味を持ってもらえたら、その次に知りたいのは、具体的に何をしてもらえるのか、ということです。「Webのことなら何でもご相談ください」という表現は便利ですが、初めての人には少し広すぎるかもしれません。
何を相談できるのか。どこまで対応してもらえるのか。相談したら何が変わるのか。こうした情報があると、利用する側は自分に合っているかを判断しやすくなります。実際に提供している内容に合わせて、できることと、対応していないことを整理しておきましょう。何でもできるように見せることよりも、何を頼めるのかが明確であること。そのほうが、利用する側にとっても安心につながります。
4. 料金や依頼の流れがわかるか
興味を持った人が問い合わせをためらう理由のひとつに、「費用や進め方がわからない」という不安があります。料金が掲載されていればよい、という単純な話ではありませんが、判断材料が何もない状態は、問い合わせのハードルを上げてしまう可能性があります。
料金を一律に決められないサービスであれば、料金が決まる主な条件、相談から見積もりまでの流れ、どこまでが基本料金に含まれるのか、追加費用が発生するケース、依頼前に準備しておくものなどを説明する方法があります。また、問い合わせた後に何が起こるのかも、わかりやすくしておきたいところです。すぐに契約を求められるのか、まずは内容を確認してもらえるのか、どのような手順で見積もりが出るのか。利用する側が不安に感じやすい部分を、あらかじめ説明しておくことも、ホームページの大切な役割です。
5. 信頼につながる情報があるか
ホームページを見た人は、サービス内容だけでなく「この人や会社に相談して大丈夫だろうか」ということも考えています。運営者や担当者の紹介、これまでの経験、仕事の進め方や大切にしていること、事業所や店舗の所在地、連絡先などです。
ただし、すべてを無理に掲載する必要はありません。まだ実績が少ない場合は、経験を誇張するのではなく、どんな考え方で仕事を進めるのか、どのような人に向いているサービスなのかを具体的に伝える方法もあります。実績があるように見せることと、信頼してもらえる情報を用意することは別です。大切なのは、事実に基づいて、判断に必要な情報をきちんと伝えることです。
6. 問い合わせまで迷わず進めるか
サービス内容もわかる。運営者についても理解できた。それでも、問い合わせ方法がわからなければ、次の行動につながりません。問い合わせ先がすぐに見つかるか、スマートフォンでも操作しやすいか、問い合わせに必要な入力項目が多すぎないか、連絡した後の流れがわかるか、メールアドレスやフォームが正常に動作するか。こうした小さな不安が、行動をためらわせることがあります。
特に、スマートフォンから見たときの使いやすさは重要です。パソコンではきれいに見えていても、スマートフォンでは文字が小さかったり、ボタンが押しにくかったりすることがあります。自分のスマートフォンで実際に操作してみる。それだけでも、改善点が見つかることがあります。
7. そもそも、必要な人に見つけてもらえているか
最後は、ホームページ自体が見られているかどうかです。どれだけ内容を整えても、必要な人に見つけてもらえなければ、問い合わせにつながる機会は限られます。
たとえば、旭川で店舗を営んでいるなら、地域名と業種を組み合わせた検索で見つけてもらう方法が考えられます。サービスの内容によっては、SNS、Googleビジネスプロフィール、地域の情報サイト、紹介なども接点になります。ただし、すべての媒体を一度に使う必要はありません。自分のお客さんが、どこで情報を探しているのか。その場所に、必要な情報を用意できているか。まずは、そこから考えてみましょう。
また、アクセス数が少ないのか、アクセスはあるのに問い合わせがないのかによっても、改善の方向性は変わります。可能であれば、アクセス解析などを使って、訪問者数やよく見られているページを確認すると、判断材料が増えます。
まとめ|原因は、ホームページそのものではないかもしれない
ここまで7つのポイントを整理してきました。伝えたいのは、ホームページが古いからダメだとか、デザインがよくないから問い合わせが来ない、という単純な話ではないということです。原因を確認せずにリニューアルしても、同じ問題が残る可能性があります。
ホームページを作ることと、ホームページが役割を果たすことは、別の話です。公開してからがスタートであり、誰に見てもらいたいのか、必要な情報が伝わっているか、使う人が迷わず行動できるかを確認しながら、少しずつ改善していく。その考え方が、ホームページを事業に役立てるための土台だと思っています。
今日できることは、ひとつでいい。自分のホームページを、初めて訪れたお客さんのつもりで開いてみてください。そして、最初の30秒で「何をしている事業なのか」「自分にどんな関係があるのか」「次に何をすればよいのか」の3つがわかるか確認してみましょう。この3つがわかりにくい場合は、まずそこから整えてみる。いきなりサイト全体を作り直さなくても、改善できることはあります。
