東神楽町の「地域×デジタル」人材募集に学ぶ|AI時代に必要なのは、技術よりも人をつなぐ力

SI — Structural Intelligence

AI、DX、デジタル化。仕事や地域づくりの話題でも、こうした言葉を見かける機会が増えました。デジタル技術が便利になるほど、私たちは「何ができるか」に注目しがちです。ところが本当に大切なのは、技術そのものよりも、それを誰のために、どのように使うかではないでしょうか。旭川市に隣接する東神楽町の発表をきっかけに考えます。

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募集が求めているのは「デジタルで人をつなぐ人」

東神楽町は2026年10月13日、地域おこし協力隊のデジタル人材の募集を発表しました。公式発表では、AI時代の「地域×デジタル」をテーマに、デジタル技術を地域の暮らしや仕事に役立てる活動が紹介されています。主な内容は、地域住民を対象としたスマートフォン相談会などのデジタル活用支援、デジタル技術を使った地域課題の解決、地域の魅力発信や地域活性化、役場内の業務効率化やデジタル化の推進、地域住民や事業者などと連携した活動です。

特徴的なのは、単にパソコンやシステムを扱う人を求めているわけではないことです。町の発表では、スマートフォン相談会を地域住民との交流の場として位置づけています。つまり、デジタルを導入するだけではなく、デジタルを通じて人や地域をつなぐことが期待されているわけです。なお、募集期間は2026年11月30日までと案内されています。応募資格や勤務条件などの詳細は公式情報をご確認ください(参考:東神楽町公式サイト)。

デジタルに詳しいだけでは、問題は解決しない

スマートフォンの使い方がわからない人に、専門用語を並べて機能を一つずつ説明したら、問題は解決するでしょうか。操作方法は伝わるかもしれません。しかし、本人が何をしたかったのかがわからなければ、困りごとが残る可能性があります。遠くに住む家族とビデオ通話をしたい、病院の予約をスマートフォンで済ませたい、必要な行政情報を自分で確認したい、写真を家族に送りたい。目的がわかれば、必要な説明も変わります。技術を知っていることと、人の困りごとを解決できることは同じではありません。これはWebサイト制作やSNSの活用にも共通する話です。

小さなお店にも同じことが起きています。「ホームページを作ったほうがいい」「SNSを更新したほうがいい」「AIを使えば仕事が楽になる」。何か始めてみたものの、思うような成果につながらない。そんなとき、つい新しいツールやサービスを探したくなります。でも、そもそも何を解決するために使うのでしょうか。新しいお客様にお店を知ってもらえないという困りごとがあるなら、確認するのは「誰に、どんな魅力を、どこで伝えたいのか」で、手段はGoogleマップ、ホームページ、SNS、地域メディアなどから目的に合うものを選びます。目的が曖昧なままSNSを始めても、投稿すること自体が仕事になってしまいます。ツールを選ぶ前に、困りごとを整理する。これは規模の大きな組織だけでなく、小さなお店や個人事業にも必要な考え方です。

AIを使う前に、目的や条件を整理する

AIの進化によって、文章の作成、情報の要約、アイデア出し、データの整理などが取り組みやすくなりました。一方で、AIを使えるようになれば、すべての問題が自動的に解決するわけではありません。何を知りたいのか、どこに困っているのか、どんな結果になれば成功なのか。こうした前提が曖昧なままでは、AIから得られる回答も実際の仕事に活かしにくくなります。AIが作った文章や提案をそのまま正解だと考えず、内容が事実に合っているか、相手に伝わるか、実際の現場で使えるかを最後は人が確認し、必要に応じて調整する。東神楽町の募集でも、デジタル技術の活用と同時に、地域住民との交流や連携が重視されています。

専門的なITスキルがなくても、始められることはあります。①よく聞かれる質問を整理する。営業時間、予約方法、商品の選び方、駐車場の場所など、ホームページやSNSに掲載するだけでもお客様が自分で確認しやすくなります。②毎回繰り返している作業を見つける。ひな形を用意したり、AIに下書きを手伝ってもらったりできるかもしれません。ただし、個人情報や機密情報を扱う場合は、利用するサービスの規約や情報管理に十分注意しましょう。③お客様が迷う場所を確認する。小さな不便を一つずつ減らすことも、立派なデジタル活用です。

何かを作り始める前に、まず現在地を確認する。何ができていて、何が足りないのか。どこで相手が迷っているのか。それを整理してから、必要な手段を選ぶ。デジタルは、使うことがゴールではありません。人の困りごとを理解し、必要な情報を整理し、使える形にするための手段として、デジタルやAIを活用していきましょう。

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