作れることと作ったほうがいいことは違う|ホームページやSNSを作る前に考える

SI — Structural Intelligence

今は本当にいろいろなものが作れるようになりました。Webサイトも、ネットショップも、SNSも、動画も、画像も、文章も。テンプレートやノーコードのサービス、AIを使えば、以前なら専門家に頼んでいたことも自分でできるようになっています。これは個人や小さな事業にとって、かなり大きな変化だと思います。「できないから作れない」ということが以前より減っている。ただ、その一方で「作れるなら、作ったほうがいいのかな?」ということも増えてきた気がします。僕は、そこでは一度立ち止まりたい。

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「ある」と「役に立つ」は違う

ホームページにはたくさんのページを作ることができます。商品紹介、ブログ、FAQ、お客様の声、スタッフ紹介、ギャラリー。必要ならいくらでも増やせます。でも「ページが10個あるサイト」と「10個のページが役に立つサイト」は同じではありません。作ったものが存在することと、誰かの役に立つことは別です。さらに、作ったあとに誰かが使うのか。そこまで考えたい。Webの仕事では「これもあったほうがいいですよ」という話がたくさん出てきます。確かにあったほうがいいものはあります。でも「あったほうがいい」と「今、作るべき」は違う。さらに「今、作るべき」と「自分たちで作るべき」も違います。ここを全部一緒にしてしまうと、仕事がどんどん増えていきます。

作る前に、使う場面を考える

僕が何かを作るときに考えたいのは「何が作れるか」よりも「それは、どこで使うのか」です。誰が見るのか、いつ見るのか、何を知りたいのか、見たあとに何をするのか。そこが分かれば必要なものも見えてきます。逆に、使う場面が思いつかないものなら、今は作らなくてもいいかもしれません。作ることから考えるのではなく、使われるところから考える。もう一つ、作ることはゴールではありません。ホームページなら作ったあとに更新がある。ネットショップなら商品情報や在庫、注文への対応がある。SNSなら投稿を続ける必要がある。ここを考えずに「便利だから作りましょう」と進めてしまうと、後から負担になることがあります。だから相談を受けたときに「これは今は作らなくてもいいと思います」と言うことがあります。作る仕事なのに作らないと言うのは一見変ですが、その人の時間や予算を必要のないものに使うくらいなら、本当に必要なところに使ったほうがいい。その判断も仕事の一部だと思っています。

AIがあるからこそ、選ぶことが大事になる

AIを使えば、たくさんの文章も画像も作れるし、アイデアもたくさん出せます。「作る」ことそのものはどんどん簡単になっていく。そうなると「何を作るか」よりも「何を作らないか」「何を残すか」「何を使うか」のほうが大事になってくる気がします。作る力が足りない時代から、選ぶ力が必要な時代へ。じゃあ何を基準にするのか。僕ならまず「何のため?」、「誰が使う?」、「いつ使う?」、「使ったら何が変わる?」、「作ったあと、誰が管理する?」と考えます。それでも必要なら作る。必要性が薄ければ後回しにする。必要なければ作らない。それを先に決めておくと、ずいぶん仕事が整理されます。

僕は「作ること」は好きです。形になっていくのは普通に面白い。でも作ること自体が目的になってしまったら、ちょっと違う。その先で誰かが使う、誰かが見つける、誰かが理解する、誰かの仕事が少し楽になる。そこまでつながって、ようやく「作ってよかった」と思えるんだと思います。

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