AIに「自分の仕事」を渡すなら、まず何を整理すればいい?

SI — Structural Intelligence

前回、AIに何を任せて、何を自分でやるのかについて書きました。そこで出てきたのが、「AIには作業をかなり任せてもいい」という話です。でも、ここで一つ問題があります。そもそも、AIに何を渡せばいいんだろう?これ、意外と分からないんですよね。「自分の仕事について教えてください」と言われても、いきなり全部説明するのは難しい。だから僕は、仕事を小さく分けて考えるのがいいと思っています。「パン屋をやっています」だけでは、AIにとっては情報が少ない。そのパン屋が、どんなパンを作っているのか、誰に来てほしいのか、どんな思いで作っているのか、何が人気なのか、どんな質問をよくされるのか、どんな仕事を大切にしているのか、逆に、何はやりたくないのか。ここまで分かると、かなり違ってきます。つまり、「職業名」だけではなく、その仕事の中身を渡していくことが大事です。

目次

まず「事実」と「経験」を整理する
最初に整理しやすいのは、事実です。店舗の場所、営業時間、商品、価格、開業年、対応しているサービス、連絡方法、Webサイト、SNS。こういう情報は比較的整理しやすく、Webサイトを作るときにも、SNSを書くときにも、AIに相談するときにも使えます。まずは「これは事実です」という情報をまとめておく。次に整理したいのが、自分の経験です。お客さんからよく聞かれること、実際に失敗したこと、うまくいったこと、意外だったこと、何度も繰り返している作業、お客さんの反応、仕事をしていて困ったこと。こういうものは普段は「仕事の一部」として流れてしまいます。でも、AIにとってはかなり使える材料になります。なぜなら、それは一般論ではなく、自分の仕事で実際に起きたことだからです。もう一つ、AIに渡しておくと便利なのが「理由」です。「この商品を売っています」だけではなく「なぜ、この商品を売っているのか?」まで分かると、文章の作り方が変わります。「このサービスをしています」に「なぜ、このサービスを始めたのか?」が加わると、なおさらです。人間が仕事をするときには、こういう「理由」が意外とたくさんあります。でも、普段はわざわざ説明しません。AIに手伝ってもらうなら、ここを言葉にしておくと、かなり使いやすくなります。

「好き」と「嫌い」も仕事の情報/お客さんの言葉を残す
AIに自分のことを伝えるとき、「できること」だけでは足りません。やりたくないことも情報です。電話営業はしたくない、毎日同じ投稿をするのは苦手、派手な表現は使いたくない、安売りで集客したくない、専門用語を多用したくない。こういう条件が分かっていれば、AIも提案の方向を変えられます。「何をするか」だけではなく、「何をしないか」。これも、その人らしい仕事を作る材料です。そして、僕なら特に残しておくのが、お客さんの言葉です。実際のお客さんが、どんな言葉で質問したのか。何に困っていたのか。何を勘違いしていたのか。何を聞いたら安心したのか。これは、ものすごく価値のある情報です。例えば、自分では「初心者向けサービス」と思っていても、お客さんが「何から始めればいいか分からない」と言っているなら、その言葉のほうが伝える材料になります。自分が言いたい言葉より、相手が実際に使った言葉を残しておく。これは、Webを書くときにも、SNSを書くときにも、AIに相談するときにも役立ちます。

まとめ|「記録」と「公開」は、分けていい
ここは、けっこう大事だと思っています。仕事の記録を残すからといって、それを全部公開する必要はありません。お客さんとのやり取り、失敗したこと、自分だけが分かればいいメモ。こういうものも、まずは自分のために残しておけばいい。その中から、公開していいものを選ぶ。さらに、AIに渡していいものと、渡さないものも分ける。記録する→整理する→使うものを選ぶ→Web・SNS・AIなどに活用する。この順番なら、無理に「AI用のコンテンツ」を作る必要もありません。AIを使うために「AI用の資料を作らなきゃ」と考えると、それだけで面倒になります。でも、普段の仕事を記録していれば、それが材料になります。今日あったこと、お客さんから聞かれたこと、新しく決めたこと、やめたこと、失敗したこと、うまくいったこと。これらを少しずつ残すと、後から見たときに「自分の仕事についての資料」になっています。大きな会社にはマニュアルや資料がたくさんありますが、小さな事業では、その情報が一人の頭の中に集まっていることがあります。「このお客さんにはこうする」「この商品はこう説明する」「この時期はこうなる」「これはやらないほうがいい」。こういうことを本人は普通だと思っている。でも、外から見ると、それは立派なノウハウです。だから僕は、小さな事業ほど記録する意味が大きいと思っています。そして、自分の仕事を整理しておくと、AIだけに役立つわけではありません。Webサイトにも使える。SNSにも使える。プロフィールにも使える。商品説明にも使える。人に仕事を説明するときにも、新しい人に引き継ぐときにも使える。つまり、「AIのために整理する」のではなく、「仕事を整理した結果、AIにも使える」くらいがちょうどいい。記録し、整理した情報は、一度使ったら終わりではありません。仕事の中で何度も役に立つ、資産のようなものになっていきます。松井構造室でも、こうした「自分の仕事の情報の整理」から相談をお受けしています。

ホームページを作ったのに問い合わせが来ない店向け『Web整理相談』— 誰向けか・何を頼めるか・どこから連絡するかを、伝わる順番に整えます。

相談・お問い合わせはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次