AIに使える情報は、実は普段の仕事の中にある|記録が仕事の資産になる

SI — Structural Intelligence

AIを仕事に使おうとすると、こんなところで止まることがあります。「AIに渡す材料がない。」僕は、これは少し違うと思っています。材料がないのではなく、材料だと思っていないだけなんじゃないか。普段の仕事には、すでにたくさんの情報があります。お客さんとの会話、メール、商品についての質問、失敗したこと、うまくいったこと、自分なりに工夫したこと。こういうものは全部、AIに仕事を考えてもらうときの「材料」になります。今回は、普段の仕事の中から拾える材料を整理します。

目次

残しておきたい材料(1)質問・自分の言葉・お客さんの反応
僕が最初に残しておくといいと思うのは、よく聞かれる質問です。例えばパン屋さんなら、予約できますか?何時ごろ売り切れますか?このパンは何が入っていますか?冷凍できますか?駐車場はありますか?こういう質問は、そのお店にとっての「お客さんが知りたい情報」です。つまり、WebサイトのFAQにもなる。SNSの投稿ネタにもなる。商品ページの説明にも使える。そして、AIに文章や情報整理を頼むときの材料にもなる。お客さんから何度も聞かれることは、それだけで「伝える価値のある情報」かもしれません。次に「自分が説明するときの言葉」。Webサイトを作ると、つい「きれいな文章」に直したくなります。でも、本人が普段話している言葉には、その人らしさがあります。「うちの商品は、こういうところが好きなんですよ」「実はここが一番大変なんです」「最初はこんなつもりじゃなかったんですけどね」。こういう言葉は、きれいに整えられたプロフィールよりも、その人のことが伝わる場合があります。AIに文章を作ってもらう場合も、こうした元の言葉があると、一般論だけの文章になりにくい。そして「お客さんの反応」も一次情報です。新商品を出したら、売上だけを見るのではなく、お客さんが何と言ったかも残しておく。「こういうの待ってました」「思ったより小さいですね」「これならプレゼントにしたい」。こうした反応には、商品ページの数字だけでは分からない情報があります。もちろん、一人の感想をそのまま「お客さん全員の意見」にしてはいけません。でも、実際にあった反応として記録することには意味があります。

残しておきたい材料(2)失敗・判断の理由・写真
「失敗したこと」は、あまり記録されない情報です。うまくいったことは実績として残しますが、失敗したことはなかったことにしがちです。ところが、失敗には判断材料がたくさんあります。「この方法は合わなかった」「思ったより時間がかかった」「お客さんには伝わらなかった」「やってみたら、実際には必要なかった」。こういう記録があれば、次に似た問題が起きたとき、考える材料になります。AIに相談するときにも、「過去にこういうことがあった」と伝えられます。成功事例だけでなく、失敗の履歴も仕事の情報です。さらに面白いのが、判断の理由です。「Instagramを毎日投稿するのをやめた」という事実だけでは、その背景は分かりません。でも「毎日投稿すると本業の時間が削られるから、週2回にした」まで残しておけば、判断の意味が分かります。これは、その人の仕事に対する考え方そのものです。AIにとっても、「何をするか」だけでなく「なぜそうするのか」を理解する材料になります。写真も「情報」になります。店内の様子、商品、制作途中、イベント出店、作業風景、新しく導入した道具。写真を残しておくだけでも後から振り返るとかなりの情報になり、「いつ撮ったのか」「何をしていたのか」「なぜ撮ったのか」まで分かれば、さらに使いやすくなります。Webの記事にもなるし、SNSにも使えるし、仕事の記録にもなります。

まとめ|まず残す、次に整理する
ここで「じゃあ全部ブログに書けばいいの?」となるかもしれません。僕は、そこまでしなくてもいいと思います。大事なのは、まず残しておくことです。メモでもいい。写真でもいい。音声でもいい。スプレッドシートでもいい。形式は、その人が続けられるものならいい。「毎日きれいな記事を書く」というところから始めると、たぶん続きません。記録することと、公開することは別です。まず自分のために残す。その中から、公開できるものを選ぶ。この順番でもいいと思います。そのうえで、AIに渡す前に「整理する」。事実(何があったのか)、反応(相手はどうだったか)、判断(自分はどう決めたか)、理由(なぜそうしたか)、結果(その後どうなったか)。こうやって並べてみるだけでも、かなり見やすくなります。そして、この整理された材料をAIに渡せば、記事にしたり、SNS用に短くしたり、FAQにしたり、次に考えることを整理したりできます。AIを使う話になると「AIに文章を書いてもらう」というところに目が行きがちですが、文章は最後の工程です。その前に、仕事をする、出来事が起きる、反応がある、自分が判断する、記録する、整理する、必要ならAIに渡す、人が確認して使う、という流れがあります。だから、実際に仕事をしている人ほど、AIに渡せる材料を持っている。小さな事業では、一人の人が接客も、商品づくりも、SNSも、発注も、経理もしています。だからこそ頭の中に情報が集まりやすい。でも、その情報が「頭の中だけ」にあると、自分しか使えません。メモにする、写真にする、FAQにする、Webに残す。そうやって少しずつ外に出していくと、自分以外の人にも使える情報になり、そしてAIにも渡せる。「記録すること」が、仕事の資産になっていくのです。よく聞かれる質問、自分がよく使う言葉、お客さんの反応、うまくいったこと、失敗したこと、判断した理由、仕事の写真、商品の変化、仕事で大切にしていること、これからやってみたいこと。どれも特別なコンテンツを「作る」必要はなく、普段の仕事から拾えばいい。まずはAIを使う前に、自分の仕事を少し記録してみる。それくらいから始めても、けっこう面白いんじゃないでしょうか。

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