「また行きたい」。そう思うお店があります。必ずしも一番安いわけではない、一番大きいわけでもない、一番有名とも限らない。それでも、なぜか思い出します。小さな事業や個人店を考えるとき、この「また行きたい」はかなり重要なテーマだと思っています。
記憶に残る店は「商品」だけを売っていない
もちろん、商品やサービスそのものは重要です。おいしい、便利、楽しい、かわいい、役に立つ。でも、人が覚えているのはそれだけではありません。店の雰囲気、店員さんとの会話、音、匂い、内装、買ったときの出来事、一緒に行った人、その日の気分。こうしたものが一緒になって記憶になります。
「体験」は大げさなものでなくていいものです。店に入ったときに安心した、店主と少し話した、商品を実際に触れた、思っていたより面白かった、写真を撮りたくなった、友達に教えたくなった。こういう小さな出来事も体験です。そして旭川という地域だから生まれる体験もあります。旭川でしか感じられない景色、旭川だから出会える人、北海道だから伝わる背景、地域のイベント、その土地ならではの文化。こうしたものと商品やサービスが結びつくと、単なる「モノ」ではなく「旭川で体験したこと」になります。
小さな店は「人」が見えやすい
大きなチェーン店では、誰が運営しているのか意識しないこともあります。一方、小さな店では店主やスタッフの存在が見えやすい。その人の考え方、話し方、好きなもの、仕事への向き合い方が店の印象になります。だから小さな事業では、「人が見えること」そのものがブランドになる場合があります。
「また行く理由」を考えるとき、つい割引やポイントカードを思い浮かべます。もちろんそれも方法です。でも、もう少し別の方向からも考えられます。「次に来たとき、何が変わっているだろう?」「誰かを連れてきたくなる理由はあるだろうか?」「またあの人と話したいと思うだろうか?」。こういう問いもあります。
検索は「初めての人」、SNSは「知っている人」
SNSは「再訪のきっかけ」をつくれます。一度行った店のInstagramをフォローしておき、新商品やイベント、季節の商品の投稿を見て「久しぶりに行ってみようかな」となる。新規客を集めるだけではなく、一度会った人との関係を切らさない役割です。ざっくり考えると、検索は「まだ知らない人」が探す入口で、SNSは「少し知っている人」がつながり続ける場所。この二つをつなげると、小さな事業の情報発信はかなり整理しやすくなります。
まとめ|「また行きたい」はブランドの一部
ブランドというと、ロゴや色、名前を考えることだと思われがちです。もちろんそれもブランドの一部ですが、本質的には「その名前を見たとき、何を思い出すか」ということでもあります。「あのお店、楽しかったな」「あの人、面白かったな」「あの商品、よかったな」。そう思い出してもらえるなら、それもブランドです。「また行きたい」は、広告や検索順位だけではつくれません。商品と体験と人の印象が積み重なった先に生まれるものなのだと思います。
