文章を書けば伝わる。写真を載せれば伝わる。きれいなデザインにすれば伝わる。どれも間違いではありません。でも、「見せる」ということを単にきれいに飾ることだと考えてしまうと、少しもったいない。同じ商品でも写真が変わると印象が変わり、同じ文章でもデザインが変わると読みやすさが変わります。つまり、情報は「何を書くか」だけではなく、「どう見せるか」も情報の一部です。
写真は「きれいだから」ではなく「何を伝えるか」で選ぶ
飲食店のホームページにおしゃれな料理写真が並んでいても、どんな料理なのか、どれくらいの量なのか、どんな雰囲気のお店なのか、自分が行っても大丈夫なのかまで分かるとは限りません。「きれいな写真」と「分かる写真」は、同じではありません。商品の形を見せる写真、大きさを伝える写真、使用している様子、店内の雰囲気、作っている人の様子。同じ「商品写真」でも役割が違います。インターネットでは実物を見られないからこそ、初めて行く人が気になる「外観はどんな感じ?」「入口はどこ?」「一人でも入りやすい?」「駐車場は?」といった疑問に、写真で答えることができます。文章で「アットホームなお店です」と書くより、実際の店内写真のほうが早く伝わることもあります。写真の技術が高ければいいのではなく、「何を伝えたい写真なのか」が重要です。全部を「映える写真」にする必要はなく、「この写真を見た人は、何が分かるか?」で選ぶことが大切です。
デザインの役割は、情報の重要度と順番を分かりやすくすること
デザインというと、色やフォント、装飾を思い浮かべます。でももっと基本的な役割は、「情報の重要度を分かりやすくすること」と「どこを見て、どこを押せばいいのかを分かるようにすること」です。10個の情報が全部同じ大きさ、同じ文字で並んでいたら、何から見ればいいのか分かりません。一番重要な情報を大きくする、見出しを付ける、関連する情報をまとめる、余白をつくる。余白は「何もない空間」ではなく、情報のまとまりを見せ、理解を助けるための空間です。また、何かを目立たせたいときも、全部を目立たせると結局どれも目立ちません。「一番見てほしいものは何か」を一つ決めることが先です。一方で、似たような写真を20枚並べるような「見せすぎ」も分かりにくさにつながります。「何を追加するか」だけでなく「何を減らすか」も考えます。今はスマートフォンで見る人が多いので、パソコンでどう見えるかではなく、見る人の画面でどう見えるかも確認しましょう。
まとめ
文章では内容を説明し、写真では実際の形や場面を見せ、デザインではどこから見ればいいかを分かりやすくする。それぞれ違う仕事をしています。出発点はやはり相手です。その人が不安に思うことが店内の雰囲気なら店内写真が、商品の大きさが分からないならサイズ感が分かる写真が、使い方が分からないなら使用場面が必要です。写真を加工し、きれいに見せることは大切ですが、実物とかけ離れた見せ方はあとでギャップを生みます。「良く見せる」より「正しく魅力が伝わるように見せる」。そう考えるほうが、長い目で見ると使いやすいと思います。
