ホームページを見るのが、けっこう好きです。仕事だから見ることもありますが、仕事じゃなくても見ています。お店を調べたり、気になる会社を見つけたり、SNSからリンクをたどったり。そうやってホームページを開くと、僕はつい考えてしまいます。「これって、誰向けなんだろう?」。別に難しい分析をしているわけではありません。ただ、最初に見たときに、なんとなくそう思うんです。
最初に見る人は、どんな状態か
ホームページにはいろいろな人が来ます。初めて知った人、すでに知っている人、お客さん、取引先、求人を見ている人。同じページを見ても、知りたいことはそれぞれ違います。だから「誰向けですか?」と聞くときも、単純に年齢や性別を聞きたいわけではありません。僕が知りたいのは「このページを最初に見る人は、どんな状態なんだろう?」ということです。何を知っているのか、何を知らないのか、何を探しているのか。そこが変われば、必要な情報も変わります。ホームページを作るときに気をつけているのは「作る側は、知りすぎている」ということです。その会社のことも、商品のことも、仕事の流れも知っている。だから説明を省略できるし「このくらいは分かるだろう」と自然に思ってしまう。でも初めて来た人には、その前提がありません。作る側にとっての「普通」と、見る側にとっての「普通」は、けっこう違います。
「自分のことかも」と思えるか
「誰に向けたホームページですか?」と聞くと「できれば、誰にでも来てほしい」という答えもあります。僕はそれが悪いとは思いません。小さなお店ならお客さんを細かく限定したくないこともあるし、いろいろな人に知ってもらいたいのは普通のことです。ただ「誰でもいい」と「誰が見ても、自分に関係あるか分かる」は、少し違います。たとえば「地域に根ざしたサービスを提供しています」という文章は間違ってはいませんが、それだけでは自分が何を頼めるのか分からないかもしれません。一方で「ホームページを作ったけれど、更新できなくて困っている方へ」と書いてあったら、その悩みを持っている人には少し引っかかるかもしれません。これはターゲットを狭くすることとは少し違います。「あなたのことですよ」と、相手が自分で気づけるようにすることです。僕はホームページを「全部説明する場所」にはしたくありません。最初に「あ、ここは自分に関係ありそう」と思ってもらい、そのあとに詳しい情報を見てもらう。そのほうが自然な場合もあります。だからホームページを見るとき「情報が足りないか」だけではなく「最初の一歩が見えるか」も見ています。
僕は「ターゲットを決めましょう」という言葉を、あまり難しく考えたくありません。年齢、性別、職業、年収。そういう属性を並べるだけでは、その人のことはあまり見えてこないからです。それよりも「この人は、今どんなことで困っているんだろう」「何をきっかけに、このページを見に来たんだろう」「最初に何が分かれば、もう少し先を見てくれるんだろう」。そんなふうに考えるほうが、僕にはしっくりきます。「誰向けか」を考えることは、人を分類することではなく、そのページを見る人を想像すること。ホームページを見る。何が書いてあるのかを見る。そして「この情報を、最初に見るのは誰なんだろう?」と考える。たぶん僕は、そんな見方をしているんだと思います。
