AI時代に「検索する力」はどう変わるか
「最近、Googleで検索することが減った。」
そんな話を聞くことがあります。
わからないことがあればAIに聞く。
文章を要約してもらう。
候補を出してもらう。
比較してもらう。
以前なら検索して、いくつかのページを読んでいたことを、
AIとの会話だけで済ませる。
確かに便利です。
僕自身も、AIに聞くことは増えました。
でも、
「検索する必要がなくなった」
とは思っていません。
むしろ、
「検索の意味が少し変わってきた」
と感じています。
検索とAIは、同じものではない
例えば、
「WordPressって何?」
と知りたい。
こういうときはAIに聞くと、
自分の知りたいレベルに合わせて説明してくれます。
専門用語を減らしてもらう。
具体例を出してもらう。
自分の状況に合わせて質問する。
これはAIが得意です。
一方、
「WordPressの公式ドキュメントを見たい」
となれば、
検索して公式ページを探すほうが早い。
つまり、
「理解したい」
のか、
「情報源を見つけたい」
のかで、使う道具が変わります。
AIは「説明」が得意
AIに、
「初心者向けに説明して」
「違いを比較して」
「簡単な例を出して」
「この文章を要約して」
と頼む。
すると、
情報を自分が理解しやすい形に変えてくれます。
これは検索とは少し違います。
検索は、
「情報がどこにあるか」
を探すのが得意。
AIは、
「見つかった情報や一般的な知識を、どう理解するか」
を助けるのが得意です。
もちろんAIにも検索機能があります。
それでも、
「情報源を確認する」
という仕事は残ります。
「AIが言ったから」は情報源にならない
これは大事です。
AIが、
「この制度ではこうです」
と言った。
「このサービスにはこういう機能があります」
と言った。
「この法律ではこうなっています」
と言った。
それだけで、
「じゃあ、そうなんだ」
としてはいけない場面があります。
税金。
法律。
補助金。
契約。
サービス規約。
料金。
製品仕様。
営業時間。
行政の制度。
こういう情報は、
公式情報を確認する。
必要なら専門家に確認する。
これが基本です。
「知識」と「最新情報」は違う
AIが一般的な知識を説明することと、
「今日現在の最新情報」
を確認することは別です。
例えば、
「ホームページとは何ですか?」
なら一般的な説明で十分かもしれない。
でも、
「このサービスの現在の料金はいくら?」
なら、最新の公式情報を見る必要があります。
「この補助金は今も募集している?」
なら、現在の公的情報を確認する。
つまり、
「何を知りたいか」
によって、必要な確認方法が変わります。
検索結果も、全部正しいわけではない
ここで、
「じゃあGoogle検索なら正しいの?」
となります。
これも違います。
検索結果に出てきたからといって、
その情報が正しいとは限りません。
誰が書いたのか。
いつ書かれたのか。
根拠はあるのか。
公式情報なのか。
古くなっていないか。
広告ではないか。
複数の情報が一致しているか。
こういうことを見る必要があります。
つまり、
検索もAIも、
「情報を手に入れるための入口」
にすぎない。
最後に判断するのは人です。
「検索する力」は、キーワードを入れる力だけではない
昔は、
「検索が上手い人」
というと、
検索キーワードを工夫できる人、
というイメージがありました。
もちろん今でも重要です。
でも、それだけではありません。
何を調べるべきか。
どこまで調べるか。
どの情報を信じるか。
どこを一次情報として確認するか。
いつ調べるのをやめるか。
こういう判断も、
「検索する力」
だと思います。
調べすぎることもある
Webには情報が無限にあります。
一つ検索すると、
関連記事が出てくる。
別の記事を読む。
また疑問が出る。
検索する。
また別の記事を読む。
気づいたら1時間経っている。
そして、
「結局どうするんだっけ?」
となる。
これは、
情報不足ではなく、
情報過多の問題です。
情報を集めることと、仕事を進めることは違う
例えば、
「ホームページの料金相場を調べる」
という仕事。
30分調べる。
さらに30分調べる。
もっと安い会社を見る。
もっと高い会社を見る。
口コミを見る。
SNSを見る。
YouTubeを見る。
そして、
「もう少し調べてから決めよう」
となる。
もちろん調査が必要な場合もあります。
でも、
「何を決めるために調べているのか」
がなくなると、
調べること自体が仕事になります。
調べる前に「ゴール」を決める
例えば、
「Web制作を依頼するかどうか決めたい」
なら、
調べる目的は、
「相場を完全に知ること」
ではなく、
「自分の予算と依頼条件を決めること」
かもしれません。
そうすると、
必要な情報が変わります。
価格。
作業範囲。
納期。
更新方法。
保守。
実績。
契約条件。
これくらいで判断できるかもしれない。
「全部知る必要はない」
ということです。
AIは、調べものを終わらせるのにも使える
AIに、
「この問題を判断するために、最低限必要な情報は何?」
と聞いてみる。
これも便利です。
調査項目を整理してもらう。
比較する軸を出してもらう。
自分の見落としを指摘してもらう。
そのうえで検索する。
すると、
ただ情報を集めるより、
目的を持って調べられます。
「AIに聞いて終わり」ではなく「AI→確認」
例えば、
AIに、
「この制度について教えて」
と聞く。
↓
概要を理解する。
↓
制度名や担当機関を確認する。
↓
公式サイトを検索する。
↓
最新情報を見る。
↓
必要なら問い合わせる。
この流れなら、
AIの速さと、
公式情報の確実性を両方使えます。
Webサイトの役割も変わってくる
ここから、Webサイトの話につながります。
AIで検索する人が増えると、
「ホームページはいらなくなる」
という話も出てきます。
僕は、むしろ逆の面もあると思っています。
AIが情報を整理するためには、
元になる情報が必要です。
会社名。
サービス名。
所在地。
営業時間。
料金。
事業内容。
プロフィール。
実績。
問い合わせ先。
こういう基本情報が、
Web上で整理されていることは、今まで以上に重要になると思います。
SNSだけに情報を置くのは少し不安
SNSは便利です。
活動を伝える。
日々の出来事を見せる。
新商品を紹介する。
お客様と交流する。
こういうことには向いています。
でも、
SNSの投稿は流れていきます。
半年前の重要な情報を探すのは大変です。
だから、
「公式情報はWebサイト」
「日々の活動はSNS」
というように、
役割を分ける。
この考え方は、これからも重要だと思います。
AIに見つけてもらうためにも、情報を整理する
これからは、
「Googleで検索される」
だけではなく、
「AIが情報を理解するときに参照される」
ということも考える必要があります。
そのために必要なのは、
特別なAI対策だけではありません。
まず、
会社名が明確。
何をしている会社かわかる。
サービス内容が整理されている。
所在地がわかる。
問い合わせ先がわかる。
営業時間がわかる。
価格情報が必要なら明記されている。
SNSや外部ページとの情報が矛盾していない。
こういう基本的な情報整備が大切です。
「AIにどう見せるか」より「人間が理解できるか」
AI検索対策という言葉を見ると、
何か特別なことをしなければいけないように感じるかもしれません。
でも、
まず人間が理解できるサイトにする。
これが基本だと思います。
「この会社は何をしている?」
が3秒でわからない。
サービス名がバラバラ。
どこを見れば料金があるかわからない。
会社概要が見つからない。
問い合わせ先がわからない。
そんな状態で、
「AI検索に最適化しましょう」
と言っても、少し順番が違います。
情報に「住所」をつける
以前の記事でも書きましたが、
情報には「住所」が必要です。
例えば、
最新の料金は公式サイト。
日々のイベント情報はSNS。
正式な会社情報は会社概要。
問い合わせはフォーム。
商品の販売はオンラインショップ。
こういうふうに、
「この情報はここ」
と決める。
そうすると、
人間もAIも情報を追いやすくなります。
情報がバラバラだと、AI以前に人間が困る
例えば、
Webサイトでは営業時間が10時から18時。
Instagramでは11時から17時。
Googleの情報では別の時間。
SNSでは臨時休業の情報。
お客様からすると、
「結局どれが正しいの?」
となります。
AIがどう理解するか以前に、
人間が困ります。
だから、
AI検索対策の前に、
情報の整合性を取る。
これが先です。
検索の役割は「なくなる」のではなく変わる
僕は、
「Google検索 vs AI検索」
という考え方も、少し違うと思っています。
どちらか一方になるのではなく、
役割が変わっていく。
AIで概要を理解する。
検索で情報源を探す。
公式サイトで確認する。
必要なら専門家に聞く。
最後に自分で判断する。
そんな使い分けになっていくと思います。
これから必要なのは「情報との距離感」
情報が少ない時代は、
「情報を探すこと」
が大変でした。
今は、
情報が多すぎる。
だから、
全部見る必要はない。
全部知る必要もない。
重要なのは、
「自分に必要な情報は何か」
を判断すること。
そして、
「どこまで確認すれば十分か」
を決めること。
検索する力は、
情報を大量に集める力ではなく、
必要な情報を見つけて、
確認して、
判断する力に変わってきているのかもしれません。
「調べない」という選択もある
これも大切です。
例えば、
ちょっと気になるだけなら、
今すぐ調べなくてもいい。
仕事に関係ないなら、
知らなくてもいい。
比較する必要がないなら、
比較しなくてもいい。
情報が多いからといって、
全部拾う必要はありません。
「今回はここまで」
と決める。
これも情報整理の一部です。
AIは「入口」にも「壁打ち」にもなる
AIを使って、
「そもそも何を調べればいい?」
と聞く。
そのあと検索する。
そして、
「この情報について、どう考えればいい?」
とAIに相談する。
最後に公式情報を確認する。
こういう使い方をすると、
AIは単なる検索代替ではなく、
調査のナビゲーターのようにも使えます。
ただし、
ナビゲーターが示した道を、
自分でも確認する。
ここは忘れない。
検索の前に、一つだけ質問する
僕は、
検索窓を開く前にも、
AIを開く前にも、
一つ考えるようにしています。
「僕はいま、何を知りたいんだろう?」
そして、
もう一つ。
「知ったあと、何をするんだろう?」
この二つです。
これが決まっていれば、
調査はかなり短くできます。
知ることが目的にならないようにする
情報を集めることは簡単になりました。
だからこそ、
「知っている」
だけでは足りなくなる。
知ったあと、
どうするのか。
何を決めるのか。
何をやめるのか。
何を始めるのか。
ここまでつながって、
初めて情報が仕事になります。
最後に
AIが普及すると、
「検索する力はいらなくなる」
と思うかもしれません。
僕は、むしろ逆だと思っています。
検索すること自体より、
「何を探すのか」
「どの情報を見るのか」
「どこを確認するのか」
「いつ調べるのをやめるのか」
を判断する力が、もっと重要になる。
AIは、
説明してくれる。
整理してくれる。
候補を出してくれる。
検索は、
情報源を見つける。
公式サイトは、
正式な情報を確認する。
そして、
最後に決めるのは自分。
そんな役割分担で考えると、
AI検索と従来の検索は、
対立するものではなくなります。
これからのWebは、
「検索されるために情報を置く」
だけではなく、
「人間にもAIにも、何の情報なのかがわかるように整理しておく」
ことが、ますます大切になっていくと思います。
そして、それは何か特別なテクニックから始まるものではありません。
まず、
会社名を正しく書く。
何をしているのかを書く。
必要な情報を整理する。
最新情報を更新する。
古い情報を直す。
公式情報の場所を決める。
SNSとの役割を分ける。
そういう地味なところから始まります。
AI時代になっても、
情報を整理する仕事はなくならない。
むしろ、
情報が増えれば増えるほど、
整理することの価値は高くなる。
僕は、そんなふうに考えています。
だから今日も、
検索する前に一度だけ考える。
「僕はいま、何を知りたいんだろう?」
そして、
「知ったあと、何をするんだろう?」
この二つが決まっていれば、
検索もAIも、
もう少し上手に使えるはずです。