ロディアとAI。僕は、考える前に答えをもらわない
AIを使うようになって、
文章を書く時間はかなり短くなりました。
文章の下書き。
構成。
言い換え。
要約。
アイデア出し。
以前なら自分で時間をかけていたことを、
AIに手伝ってもらえるようになった。
これは、
素直に便利です。
僕もかなり使っています。
でも、
AIを使うようになってから、
逆に紙に書く時間が増えました。
少し変な話です。
便利になったのに、
わざわざ紙に戻っている。
使っているのは、
ロディアのノートです。
先にAIに聞けば、もっと早い
例えば、
「新しいサービスを考えたい」
と思ったとします。
AIを開いて、
「小さな事業者向けの新しいWebサービスを10個考えて」
と入力する。
すると、
すぐに候補が出てきます。
かなり便利です。
自分だけで考えていたら、
思いつかなかった案も出てくる。
「なるほど」
と思うこともあります。
そのまま企画書にすることもできる。
でも、
僕はそれを最初にはやらないことがあります。
まず、紙に書く
ロディアを開く。
ペンを持つ。
そして、
思いついたことをそのまま書く。
きれいな文章ではありません。
箇条書きだったり、
途中で消していたり、
矢印があったり、
「これ違う」
と書いてあったりする。
人には、
あまり見せたくない状態です。
でも、
この状態が大事だったりします。
紙には「考えている途中」が残る
AIに、
「きれいに整理してください」
と頼めば、
きれいに整理された文章が返ってきます。
それは便利です。
でも、
整理される前の、
自分の頭の中のごちゃごちゃは、
消えてしまいやすい。
紙には、
そのごちゃごちゃが残ります。
途中で考えが変わったこと。
迷ったこと。
思いついたこと。
やっぱり違うと思ったこと。
こういうものが、
あとから見ると、
意外と大事だったりします。
AIは、答えを出すのが速い
ここで、
AIが悪いという話ではありません。
むしろ逆です。
AIは、
考えるための相手として、
とても優秀です。
自分が書いたものを見せて、
「ここに抜けている視点はある?」
と聞く。
「この考えの弱いところは?」
と聞く。
「反対意見を出して」
と聞く。
「この文章は、初めて読む人に伝わる?」
と聞く。
こういう使い方は、
僕もよくします。
ただ、
最初からAIに答えを出してもらうと、
自分の考えが、
AIの答えに引っ張られることがあります。
「なるほど」が危ないときがある
AIの答えを読んで、
「なるほど」
と思う。
文章もきれい。
理屈も通っている。
具体例もある。
だから、
「これでいいんじゃないか」
と思ってしまう。
でも、
「なるほど」と思ったことと、
「自分が本当にそう考えていること」
は別です。
ここは、
少し注意したいところです。
AIは、一般的な正解を出すのがうまい
AIは、
大量の情報をもとに、
それらしい答えを作ります。
だから、
一般的なケースでは、
とても参考になります。
でも、
自分の仕事には、
自分にしかない事情があります。
お客様との会話。
過去の失敗。
うまくいった経験。
地域性。
自分の性格。
得意なこと。
苦手なこと。
やりたくないこと。
大切にしていること。
こういう情報は、
最初からAIの中にあるわけではありません。
だから、先に自分の材料を出す
僕は、
AIに考えてもらう前に、
自分の材料を出したい。
例えば、
「このサービスを作りたいと思った理由」
を書く。
「こういうお客様が困っていた」
を書く。
「以前こういう失敗をした」
を書く。
「これはやりたくない」
を書く。
「ここだけは大切にしたい」
を書く。
そのあとで、
AIに見せる。
そうすると、
AIの答えが、
少し自分の仕事に近づきます。
紙は、AIの代わりではない
ここも、
誤解されたくありません。
紙とAIを、
どちらか一方にする必要はない。
紙は、
自分の考えを出す。
AIは、
それを広げたり、
整理したり、
問い返したりする。
そんな役割分担です。
書くことは「答えを出すこと」ではない
紙に書いていると、
すぐ答えが出るわけではありません。
むしろ、
わからなくなることもあります。
「結局、何がしたいんだ?」
「このサービス、本当に必要?」
「そもそも誰のため?」
「自分がやりたいだけじゃない?」
そんなことを書くこともあります。
でも、
それでいい。
考えるというのは、
最初から答えを書くことではありません。
「わからない」
を、
そのまま置いておく時間も必要です。
AIは「わからない」を待ってくれない
AIに質問すれば、
すぐに答えが返ってきます。
これは、
ものすごく便利です。
でも、
人間が考えるときには、
答えがすぐ出ないことにも意味があります。
考えがまとまらない。
迷う。
戻る。
別のことを考える。
一度寝かせる。
翌日、
急に答えが出る。
こういう時間があります。
効率だけで考えると、
無駄に見える。
でも、
考える時間としては、
必要なことがあります。
「速く答える」と「よく考える」は違う
AIは、
速く答えるのが得意です。
人間は、
時間をかけて考えることがあります。
だから、
AIが速いからといって、
人間も全部速く考えればいいわけではない。
むしろ、
AIが速くできることはAIに任せて、
人間は、
時間をかける価値のあることに時間を使う。
そのほうが、
AIとの付き合い方として自然だと思っています。
Webサイトを作るときも同じ
例えば、
「ホームページを作りたい」
とします。
AIに、
「必要なページを考えて」
と頼めば、
会社概要。
サービス。
料金。
実績。
お客様の声。
ブログ。
お問い合わせ。
プライバシーポリシー。
いろいろ出てきます。
もちろん参考になります。
でも、
そこから、
「本当に全部必要?」
と考える。
ここは人間の仕事です。
「作れる」と「作るべき」は違う
AIを使うと、
できることが一気に増えます。
文章も書ける。
画像も作れる。
ページも考えられる。
アイデアも出せる。
コードも書ける。
だからこそ、
「できるから作る」
になりやすい。
でも、
Webサイトに必要なのは、
作れるものを全部作ることではありません。
必要な情報を、
必要な人に、
必要な順番で届けることです。
紙に書くと「作らないもの」が見えてくる
僕が紙に書く理由の一つは、
これです。
AIに聞くと、
可能性が広がります。
紙に書くと、
自分の本音が出やすい。
「これはやらなくていい」
「ここまでは必要」
「これは今じゃない」
そういう判断がしやすくなります。
情報を増やす前に、考えを減らす
Webでは、
「情報を足す」
ことが簡単です。
ページを追加。
SNSを追加。
サービスを追加。
機能を追加。
でも、
ユーザーにとって大事なのは、
情報が多いことではありません。
必要な情報が、
見つかること。
理解できること。
判断できること。
行動できること。
そのためには、
削ることも必要です。
紙は、削るための道具でもある
ロディアに書いていると、
「これはいらない」
と線を引くことがあります。
「これは後で」
と書く。
「これは別の話」
と囲む。
「ここが一番大事」
と丸をつける。
こうやって、
情報を整理していく。
紙は、
単なるメモ帳ではありません。
自分の考えを、
自分で編集するための道具でもあります。
AIに「正解」ではなく「問い」を返してもらう
最近のAIの使い方で、
僕が面白いと思っているのは、
答えを聞くことより、
質問を作ってもらうことです。
例えば、
「この企画について、自分がまだ考えていない質問を10個出して」
と頼む。
すると、
自分では気づかなかった視点が出てくる。
「誰が買う?」
「なぜ今必要?」
「既存サービスとの違いは?」
「やめるとしたら何?」
「半年続けられる?」
など。
こういう質問を、
また紙に書く。
そして考える。
AIと紙を、
行ったり来たりする。
僕は、
この使い方がかなり好きです。
AIを使うほど、自分の言葉が重要になる
AIで文章が簡単に作れるようになると、
「文章を書く能力」は、
以前ほど希少ではなくなるかもしれません。
でも、
「何を書くのか」
は別です。
何を経験したのか。
何を考えたのか。
何に違和感を持ったのか。
何を大切にしているのか。
何をやらないのか。
ここは、
AIに丸投げできません。
「それっぽい文章」は簡単に作れる
AIに、
「小さな事業者向けのWebサービスについて、信頼感のある文章を書いて」
と頼めば、
それらしい文章ができます。
でも、
その文章が、
本当にその人の仕事を表しているかは別です。
「お客様に寄り添います」
「課題を解決します」
「最適なご提案をします」
こういう言葉は、
間違ってはいない。
でも、
誰が言っても同じになりやすい。
自分の経験を入れる
だから、
「実際にこういう相談があった」
「こういうところで困っていた」
「最初はこう思っていた」
「やってみたら違った」
という具体的な話を入れる。
すると、
文章が急にその人のものになります。
AIは、
そこから整理する。
言葉を整える。
構成を考える。
読みやすくする。
こういう使い方なら、
AIの強みを活かしながら、
自分の言葉も残せます。
紙に書く時間は、非効率なのか
もちろん、
効率だけで考えれば、
紙よりAIのほうが速いことがあります。
でも、
仕事には、
速ければいいものと、
速くしないほうがいいものがあります。
重要な判断。
自分の方向性。
ブランドの考え方。
人との関係。
これから何をするか。
こういうものまで、
全部効率化する必要はない。
余白は、無駄ではない
何も入力しない時間。
紙を眺める時間。
ペンを止める時間。
コーヒーを飲みながら考える時間。
散歩しながら考える時間。
こういう時間は、
数字にしにくい。
でも、
考えるためには、
必要なことがあります。
AIが便利になったからこそ、
こういう時間を意識して残したい。
僕はそう思っています。
ロディアは、答えを出してくれない
ロディアを開いても、
「この事業はこうしましょう」
とは言ってくれません。
もちろん、
文章も書いてくれない。
アイデアも勝手には出してくれない。
でも、
だからこそ、
自分の頭を使う。
書いているうちに、
「あ、そういうことか」
となる。
この瞬間があります。
道具には、役割がある
ロディアは、
考えを出すための道具。
AIは、
考えを広げたり整理したりする道具。
Webサイトは、
決まった情報を届ける道具。
SNSは、
日々の活動を伝える道具。
それぞれ役割が違います。
一つの道具に、
全部やらせなくていい。
AIに考えてもらう前に、自分で考える
これからAIは、
さらに便利になるでしょう。
質問すれば答える。
文章を書く。
画像を作る。
動画を作る。
情報を調べる。
もしかすると、
今よりずっと多くの仕事を、
AIができるようになる。
だからこそ、
「自分は何を考えるのか」
が、
ますます大切になると思います。
最後に
僕は、
AIを否定したいわけではありません。
むしろ、
かなり便利な道具だと思っています。
だから使う。
でも、
何でも最初からAIに聞くわけではない。
まず、
紙に書く。
自分の考えを出す。
迷う。
整理する。
それからAIに相談する。
AIに反対意見を出してもらう。
抜けているところを教えてもらう。
文章を整理してもらう。
そして、
また自分で決める。
この順番が、
自分には合っています。
AIが答えを出してくれる時代だからこそ、
答えをもらう前に、
一度自分で考えてみる。
その時間を、
僕はなくしたくありません。
ロディアに書く。
ペンを止める。
少し考える。
また書く。
それから、
AIを開く。
便利になったからこそ、
あえて遠回りする。
僕にとって、
それは遠回りではなく、
考えるための時間です。
そしてたぶん、
これからの時代に必要なのは、
AIを使わないことではなく、
AIに任せるところと、
自分で考えるところを、
ちゃんと分けることなのだと思います。