WordPressは難しい?「難しい」の正体を考える
「WordPressって難しいですよね。」
Webの仕事をしていると、よく聞かれる言葉です。
確かに、最初は難しく感じると思います。
管理画面がある。
テーマがある。
プラグインがある。
設定がある。
サーバーがある。
ドメインがある。
SSLもある。
更新もしなければいけない。
覚えることがたくさんあります。
だから、
「WordPressは難しい」
という感覚そのものは、間違っていないと思います。
ただ、僕は少しだけ分解して考えたい。
「何が難しいのか?」
ということです。
WordPressそのものが難しいとは限らない
例えば、WordPressで文章を投稿するだけなら、そこまで難しくありません。
タイトルを入力する。
本文を書く。
画像を入れる。
公開する。
これだけなら、一般的なブログサービスと大きく変わらない部分もあります。
では、なぜWordPressが難しく感じるのでしょうか。
それは、
「WordPressを使うこと」
と、
「Webサイトを運営すること」
が一緒になっているからかもしれません。
WordPressだけ覚えれば終わり、ではありません。
その周りにいろいろな仕組みがあります。
Webサイトには、WordPress以外のものがある
ホームページを作るとなると、
ドメイン。
サーバー。
WordPress。
テーマ。
プラグイン。
メール。
アクセス解析。
フォーム。
バックアップ。
セキュリティ。
SNS。
Google関連の設定。
など、いろいろなものが関係してきます。
初心者からすると、
「WordPressを使いたい」
だけなのに、
「サーバーは?」
「ドメインは?」
「テーマは?」
「プラグインは?」
と、次々に言葉が出てくる。
そりゃ難しく感じます。
でも、これはWordPressが悪いというより、
「Webサイトにはいくつもの部品がある」
という話です。
車と少し似ている
例えば車を運転するだけなら、
アクセル。
ブレーキ。
ハンドル。
これくらいわかれば、とりあえず走れます。
でも、車を作る側になると話が違います。
エンジン。
ブレーキシステム。
電装。
タイヤ。
オイル。
冷却。
いろいろなものがあります。
だから、
「車を運転するのは簡単」
でも、
「車を設計するのは難しい」
となる。
Webも似ています。
「記事を書く」
のは比較的簡単。
でも、
「Webサイト全体を設計して、運用して、トラブルにも対応する」
となると、必要な知識が増えます。
だから僕は、
「WordPressが難しい」
というより、
「Webサイトを運営する仕事は、意外と広い」
と考えたほうが近いと思っています。
「できること」が多いから難しくなる
WordPressの特徴の一つは、いろいろなことができることです。
ブログ。
会社サイト。
店舗サイト。
メディア。
オンラインショップ。
会員サイト。
予約サイト。
ポートフォリオ。
など、かなり幅広く使えます。
これは大きなメリットです。
でも、自由度が高いということは、
「自分で決めることが多い」
ということでもあります。
テーマはどれにする?
プラグインは何を入れる?
メニューはどうする?
ページ構成は?
カテゴリーは?
お問い合わせは?
画像サイズは?
SEO設定は?
どこまでやればいい?
これが初心者には大変です。
「選べる」が、いつも親切とは限らない
これはWordPressだけではありません。
Webサービスには、機能がたくさんあります。
「自由にカスタマイズできます」
と聞くと、良いことのように感じます。
もちろん良いことです。
でも、
「何を選べばいいかわからない人」
にとっては、選択肢が多いことが負担になります。
例えば、メニューが100種類あるレストラン。
料理が少ない店より、豪華に見えるかもしれません。
でも、
「結局どれを頼めばいいの?」
となることがあります。
Webも同じ。
機能が多いことと、使いやすいことは同じではありません。
WordPress初心者が一番困ること
僕が思うに、初心者が困るのは、
「操作方法がわからない」
だけではありません。
むしろ、
「何をすればいいのかわからない」
ことのほうが大きい。
例えば、
「ホームページを作りたい」
と言われても、
どんなページが必要なのか。
誰に見せるのか。
何を伝えるのか。
お問い合わせしてほしいのか。
予約してほしいのか。
商品を買ってほしいのか。
SNSを見てほしいのか。
ここが決まっていないと、WordPressを開いても手が止まります。
これは操作の問題ではありません。
設計の問題です。
「操作を教える」だけでは解決しないことがある
WordPressの使い方を教えることはできます。
「ここをクリックしてください」
「ここに入力してください」
「このボタンを押してください」
これで操作は覚えられます。
でも、
「どんな内容を書けばいいですか?」
となると、別の問題です。
だから僕は、Webのサポートでは、
「操作」
だけではなく、
「何をするのか」
も一緒に考えたほうがいいと思っています。
最初から全部覚えなくていい
WordPressには、本当にたくさんの機能があります。
でも、全部覚える必要はありません。
例えば、
「お知らせを更新する」
だけなら、それに必要な機能だけ覚えればいい。
固定ページを更新する。
画像を差し替える。
問い合わせフォームを確認する。
このくらいから始めてもいい。
必要になったら、次を覚える。
使わない機能は、覚えなくてもいい。
これは、Webツール全般に言えることです。
「使わない機能」を知ることも大事
プラグインをたくさん入れる。
便利な機能を全部追加する。
高機能なテーマを使う。
細かくカスタマイズする。
こういうことが、必ずしも良いサイトを作るわけではありません。
むしろ、機能が増えるほど、
更新。
管理。
相性問題。
セキュリティ。
操作方法。
引き継ぎ。
などの負担も増えます。
だから、
「何を入れるか」
だけではなく、
「何を入れないか」
も考える。
これもWebサイトの設計です。
WordPressは「作って終わり」ではない
ここも重要です。
WordPressは、公開したら終わりではありません。
情報を更新する。
古い情報を直す。
画像を整理する。
必要な機能を見直す。
バックアップを確認する。
不要なものを削除する。
場合によってはテーマやプラグインの更新も必要になる。
つまり、
「サイトを作る」
というより、
「サイトを運用する」
という考え方が必要になります。
これは家にも少し似ています。
家を建てたら、それで永遠に何もしなくていいわけではありません。
掃除する。
修理する。
物を整理する。
生活に合わせて変える。
Webサイトも同じです。
古くなったページは「負債」になる
Webサイトを長く運営していると、
「昔作ったページ」
が増えていきます。
キャンペーン。
終了したサービス。
昔のプロフィール。
古い料金。
以前の営業時間。
もう使っていないお問い合わせフォーム。
こういうものを放置すると、
「情報があるのに、正しいかわからない」
状態になります。
だから、Webサイトは増やすだけではなく、
減らすことも必要です。
「このページ、今も必要?」
と定期的に見る。
これも運用です。
WordPressを難しくしているのは「仕組みの複雑さ」
僕はWordPressを使うとき、
「WordPressを覚える」
というより、
「自分のサイトに必要な仕組みを覚える」
と考えたほうがいいと思っています。
例えば小さな店舗なら、
商品情報。
営業時間。
アクセス。
お知らせ。
問い合わせ。
このくらいが重要かもしれない。
なら、それを更新できるようになればいい。
企業サイトなら、
会社情報。
事業内容。
実績。
採用。
お問い合わせ。
などが重要かもしれない。
サイトによって必要なことは違います。
WordPressが向いていない場合もある
ここも言っておきたいところです。
「ホームページならWordPress」
と決めつける必要もありません。
更新頻度が低い。
ページ数が少ない。
管理を極力簡単にしたい。
Webの知識をあまり持ちたくない。
そういう場合は、別のサービスのほうが合うこともあります。
逆に、
情報を自分で積み上げたい。
記事を増やしたい。
サイトを長く育てたい。
細かく構成を変えたい。
複数の機能を組み合わせたい。
という場合には、WordPressが合うことがあります。
つまり、
「WordPressが良いか」
ではなく、
「この事業にWordPressが合うか」
です。
「WordPressで作れる」から選ばない
これも、道具選びの基本です。
「WordPressで何ができるか?」
ではなく、
「自分は何をしたいのか?」
から考える。
例えば、
「お店の情報を見てもらいたい」
だけなら、もっとシンプルな方法があるかもしれません。
「定期的に記事を書きたい」
なら、CMSが役に立つ。
「オンラインで商品を販売したい」
なら、ECの仕組みが必要になる。
「予約を受けたい」
なら予約システムを考える。
目的が決まれば、必要な道具も見えてきます。
WordPressは「自由」だからこそ設計が必要
WordPressの面白いところは、
「かなり自由」
なところです。
自由だから、いろいろできる。
でも自由だからこそ、
「どうするか」
を決めなければいけません。
これは、実はデザインと似ています。
真っ白な紙を渡されて、
「好きに描いてください」
と言われると、意外と困ります。
逆に、
「この場所に、この情報を載せる」
と決まっていれば、作りやすい。
WordPressも同じです。
自由に作れるからこそ、先に構造を決める。
WordPressの前に「サイトの設計」がある
僕は、
「WordPressでホームページを作る」
という言葉を聞くと、
その前に、
「どんなホームページにするんですか?」
と考えます。
トップページは何を伝える?
誰が見る?
何を知ってほしい?
どこから問い合わせる?
どの情報を更新する?
誰が更新する?
どれくらいの頻度?
将来、誰かに引き継ぐ?
こういうことを決める。
そのあとに、
「では、WordPressを使いましょう」
となる。
順番を逆にしない。
これはかなり重要だと思います。
「WordPressが使える人」だけでは足りない
Webの仕事では、
「WordPressが使えます」
という能力はもちろん役に立ちます。
でも、それだけでは、
「その人の事業に、どんなサイトが必要なのか」
までは決まりません。
操作できる。
作れる。
カスタマイズできる。
それとは別に、
「何を作らないか」
「何を優先するか」
「どう運用するか」
を考える力が必要になります。
僕がWebディレクションをするときに大切にしているのも、そこです。
難しいなら、分解すればいい
WordPressが難しい。
そう感じたら、
「WordPressを全部理解しよう」
としなくていい。
まず、
ドメインって何?
サーバーって何?
WordPressって何?
テーマって何?
プラグインって何?
記事って何?
固定ページって何?
問い合わせフォームって何?
というように、分けて考える。
一つずつなら、それほど難しくないこともあります。
難しさの正体は、
「たくさんのものを一度に理解しようとしている」
ことかもしれません。
Webは「わからないこと」が増えやすい
Webには専門用語が多いです。
SEO。
SSL。
CMS。
ドメイン。
サーバー。
DNS。
プラグイン。
レスポンシブ。
キャッシュ。
アクセス解析。
初心者からすると、何を言っているのかわからない。
だから僕は、
専門用語を知っていることより、
「専門的なことを、わかる言葉に置き換えられること」
のほうが大切だと思っています。
専門家同士なら専門用語で話せばいい。
でも、事業をしている人に必要なのは、
「結局、自分は何をすればいいの?」
がわかることです。
WordPressを使うことが目的にならないように
WordPressは便利です。
でも、
「WordPressを使う」
ことが目的になった瞬間に、少しおかしくなります。
テーマを探す。
プラグインを探す。
デザインを探す。
機能を追加する。
設定をいじる。
気づいたら、サイトを良くするためではなく、
WordPressを触ること自体が仕事になっている。
これは他のWebツールでも起こります。
AIでも。
Canvaでも。
SNSでも。
「道具を使うために、仕事をしている」
状態になったら、一度立ち止まったほうがいい。
WordPressを使う前に、紙に書いてみる
僕なら、まず紙に、
「このサイトを見た人に、何をわかってほしい?」
と書きます。
次に、
「その人は、わかったあと何をする?」
を書く。
問い合わせる。
予約する。
買う。
SNSを見る。
電話する。
来店する。
あるいは、
「今回は何もしなくていい。ただ知ってもらう」
でもいい。
その次に、
「そのために必要な情報は何?」
と考える。
ここまでやってからWordPressを開く。
この順番なら、かなり迷いにくくなります。
WordPressは難しい。でも、それだけではない
WordPressは簡単な道具ではありません。
でも、
「難しいから使えない」
とも限りません。
必要な部分だけ覚える。
サイトの構造を先に決める。
機能を増やしすぎない。
更新する人を決める。
情報の場所を決める。
使わないものは削る。
そして、わからないところは専門家に聞く。
そうすれば、かなり扱いやすくなります。
大事なのは、
「WordPressを完璧に使えるようになること」
ではありません。
「自分の仕事に必要なWebサイトを、無理なく運用できること」
です。
「難しい」の正体を見つける
WordPressが難しい。
そう思ったら、
「どこが難しい?」
と聞いてみる。
操作なのか。
用語なのか。
設定なのか。
サイト構成なのか。
文章なのか。
写真なのか。
更新方法なのか。
それとも、
「そもそも何を作ればいいのかわからない」
のか。
最後のものなら、WordPressの使い方をいくら勉強しても解決しないかもしれません。
必要なのは、操作方法ではなく整理です。
Webサイトを作る前に、
「何をしたいのか」
「誰に何を伝えるのか」
「どう運用するのか」
を決める。
そのあとで、WordPressを使う。
僕は、この順番が大切だと思っています。
WordPressは、Webサイトを作るための道具です。
そして、道具は目的の代わりにはなりません。
だから今日も、
「WordPressで何ができますか?」
と聞かれたら、
その前に一つだけ聞きたい。
「そのサイトで、何をしたいですか?」
そこが決まれば、
WordPressを使うのか。
別の道具を使うのか。
そもそも今は作らないのか。
その答えも、少しずつ見えてくるはずです。