時計は、少しずつズレる。仕事も同じだと思う。
機械式時計を使っていると、
ときどき時間を合わせます。
昨日まで、
ほとんど気にならなかった。
でも、
少しずつズレている。
一日では、
それほど大きな差ではない。
数秒。
数十秒。
それくらいなら、
「まあ、いいか」
と思ってしまう。
ところが、
何日もそのままにしていると、
気づけば、
少し気になるズレになっている。
仕事も、
少し似ていると思います。
大きな問題は、突然生まれるとは限らない
仕事で起きる問題というと、
何か大きな失敗を想像します。
システムが止まった。
大きなクレームが来た。
注文が入らない。
サイトが表示されなくなった。
担当者がいなくなった。
もちろん、
そういう大きな問題もあります。
でも、
実際には、
もっと小さなところから始まっていることが多い。
小さなズレが、積み重なっていく
例えば、
ホームページの営業時間が少し古い。
SNSのプロフィールが昔のまま。
商品ページの写真が古い。
お問い合わせ先が複数ある。
Googleの情報が更新されていない。
スタッフによって案内が違う。
こういうものは、
一つだけなら、
大した問題ではないかもしれません。
でも、
積み重なると、
「なんとなく信用できない」
という印象につながります。
ズレは、目立たない
これが、
やっかいなところです。
ホームページが完全に壊れているなら、
すぐ気づきます。
でも、
電話番号が古い。
営業時間が違う。
リンクが一つ切れている。
表記がバラバラ。
こういう問題は、
そのページを作った本人には、
見つけにくい。
毎日見ているからです。
見慣れているものほど、違和感に気づきにくい
自分のホームページ。
自分のSNS。
自分の商品ページ。
自分の仕事のやり方。
毎日見ているものは、
それだけで、
「普通」になってしまいます。
だから、
外から見ると、
「あれ?」
と思うところでも、
本人は気づかない。
時計も、毎日同じように見える
時計を毎日見ていると、
少しのズレは、
なかなかわかりません。
でも、
正確な時計と並べてみると、
「あれ?」
となる。
仕事も、
比較すると、
見えることがあります。
「正解」と比べる必要はない
ここでいう比較は、
他社と比べることだけではありません。
例えば、
「初めてこのサイトを見る人だったら?」
と考えてみる。
「スマートフォンだけで見たら?」
「営業時間を探している人だったら?」
「問い合わせをしようとしている人だったら?」
「商品を初めて買う人だったら?」
こうやって、
見る人の立場を変える。
それだけで、
小さなズレが見つかることがあります。
自分にとって当たり前でも、相手には当たり前ではない
これは、
Webではかなり重要です。
事業をしている本人なら、
会社名を知っている。
商品名を知っている。
専門用語を知っている。
経緯も知っている。
だから、
説明を省略してしまう。
でも、
初めて来た人は、
何も知りません。
「わかる人向け」になっていないか
ホームページを見て、
「何をしているところなのか、
よくわからない」
ということがあります。
でも、
本人に聞くと、
ものすごく丁寧に説明してくれる。
つまり、
情報がないわけではない。
頭の中には、
ちゃんとある。
ただ、
Web上に、
うまく置かれていない。
これは「文章力」の問題だけではない
もっと根本に、
「何を伝える必要があるか」
が整理されていない場合があります。
誰に向けたサービスなのか。
何をしてくれるのか。
何が違うのか。
どう頼めばいいのか。
いくらなのか。
どこに行けばいいのか。
いつ営業しているのか。
こういう基本情報が、
バラバラになっている。
情報がズレると、信頼も少しずつズレる
例えば、
サイトには「土曜日営業」。
Googleには「土曜定休」。
Instagramには、
土曜日のイベント投稿。
見る人は、
どう判断すればいいでしょう。
「結局、どっちなんだろう?」
となります。
一つ一つは、
小さな問題です。
でも、
人はこういう小さな違和感を、
意外と覚えています。
信頼は「大きな宣伝」だけで作られない
会社紹介を立派に書く。
実績をたくさん載せる。
きれいな写真を使う。
それも大事です。
でも、
営業時間が正しい。
連絡先が正しい。
料金がわかる。
情報が更新されている。
リンクが動く。
こういう基本的なところも、
信頼を作ります。
時計も、派手ではない
正確な時計は、
「私は正確です」
と毎日アピールする必要はありません。
ただ、
ちゃんと時間を示す。
それだけです。
Webも、
少し似ていると思います。
派手な言葉より、
必要な情報が、
正しく、
わかりやすく、
必要なときに見つかる。
それだけで、
かなり強い。
小さなズレを放置しない
仕事が忙しいと、
こういうことは後回しになります。
「あとで直そう」
「時間ができたら更新しよう」
「そのうち整理しよう」
そして、
そのままになる。
これは、
責められることではありません。
本業があるからです。
だから、仕組みにする
毎日全部を確認する必要はありません。
月に一度、
情報を確認する。
季節が変わったら、
営業時間を確認する。
商品を変更したら、
関連ページを確認する。
イベントが終わったら、
告知を整理する。
担当者が変わったら、
アカウントを確認する。
こういう小さなルールを作る。
更新は「新しい記事を書くこと」だけではない
Webの更新というと、
ブログを書く。
ニュースを書く。
新しいページを作る。
そういうものを想像しがちです。
でも、
情報を正しく保つことも、
立派な更新です。
古い情報を消す。
リンクを直す。
写真を差し替える。
営業時間を更新する。
プロフィールを直す。
これも、
Web運用です。
「足す」より「直す」ほうが重要な場合がある
新しいページを作る。
新しいSNSを始める。
新しいサービスを追加する。
そういうことは、
成果が見えやすい。
でも、
既存の情報を直す。
古いページを整理する。
重複した情報をまとめる。
リンクを確認する。
こういう作業は、
地味です。
でも、
地味だからこそ、
後回しにされやすい。
小さな事業ほど、ここが効く
大きな企業なら、
Web担当者がいる。
広報がいる。
マーケティング担当がいる。
複数人で確認できる。
でも、
小さな事業では、
一人で全部やっていることがあります。
だから、
「更新すること」そのものが、
負担になる。
だから、更新しやすく作る
ここで、
Web制作の考え方が変わります。
最初から、
「きれいなサイトを作る」
だけではなく、
「この人が半年後も更新できるか」
を見る。
一年後も、
情報を直せるか。
担当者が変わっても、
わかるか。
写真を差し替えられるか。
文章を変更できるか。
こういうところまで考える。
作った瞬間が完成ではない
Webサイトは、
公開した瞬間が完成ではありません。
そこから、
使われる。
情報が変わる。
事業が変わる。
商品が変わる。
人が変わる。
環境が変わる。
だから、
少しずつ変化していく。
時計も、使いながら付き合っていく
機械式時計は、
定期的にメンテナンスします。
使えば、
少しずつ状態が変わる。
だから、
点検する。
必要なら、
調整する。
長く使いたいなら、
手を入れる。
これは、
「壊れたから修理する」
だけではありません。
長く使うための、
日常的な付き合いです。
Webにもメンテナンスがある
リンクを確認する。
フォームを確認する。
情報を確認する。
バックアップを確認する。
ドメインやサーバーの契約を確認する。
アカウントを確認する。
アクセス状況を見る。
こういうことは、
派手ではありません。
でも、
長く使うためには必要です。
「何も起きていない」は、管理できている証拠かもしれない
メンテナンスは、
成果が見えにくい。
何も壊れなかった。
問題が起きなかった。
それだけだからです。
でも、
それは悪いことではありません。
むしろ、
ちゃんと管理されているから、
何も起きていない。
そういう仕事もあります。
仕事は、問題を解決するだけではない
何かが起きてから、
対応する。
それも仕事です。
でも、
何かが起きる前に、
小さなズレを見つける。
これも、
仕事です。
そして、
後者のほうが、
結果として楽な場合があります。
「なんとなく変」を大切にする
Webサイトを見ていて、
「なんとなく変だな」
と思うことがあります。
どこが変なのか、
最初はわからない。
でも、
その感覚を無視しない。
見出しが多すぎる。
情報の順番がおかしい。
写真と文章が合っていない。
リンクが多すぎる。
説明が足りない。
こういう違和感が、
小さなズレの入口です。
数字だけでは見えないものもある
アクセス解析を見る。
問い合わせ数を見る。
売上を見る。
もちろん大事です。
でも、
数字に出る前の違和感もあります。
「このページ、なんか見にくい」
「初めての人には伝わらないかも」
「この情報、古くない?」
「このリンク、必要?」
そういう感覚も、
改善の材料になります。
定期的に「初めて見る人」になる
自分のサイトを、
初めて見る人のつもりで開いてみる。
トップページを見る。
サービスを見る。
プロフィールを見る。
お問い合わせを見る。
スマートフォンでも見る。
そして、
自分に聞いてみる。
「この人は、何をしている?」
「自分に関係ある?」
「次に何をすればいい?」
「不安なく問い合わせられる?」
ここで止まるところが、
改善ポイントです。
小さなズレを直すと、大きな変更がいらなくなる
これは、
Webの仕事をしていて、
よく感じることです。
全部作り直さなくても、
直せるところがある。
文章を変える。
順番を変える。
不要なものを削る。
ボタンをわかりやすくする。
問い合わせ方法を整理する。
古い情報を消す。
それだけで、
かなり見やすくなることがあります。
新しくする前に、合わせる
時計を合わせるように、
情報を合わせる。
ホームページとGoogleを合わせる。
ホームページとSNSを合わせる。
商品情報を合わせる。
営業時間を合わせる。
プロフィールを合わせる。
まず、
バラバラになっているものを、
同じ方向に戻す。
「ズレていること」が悪いわけではない
ここも大事です。
事業は変わります。
商品も変わります。
営業時間も変わる。
人も変わる。
だから、
情報にズレが生まれること自体は、
自然です。
問題は、
ズレたまま放置されることです。
変わることを前提にする
最初から、
「絶対に変わらないサイト」
を作る必要はありません。
むしろ、
変わることを前提に、
直しやすく作る。
更新する場所をわかりやすくする。
情報の管理場所を決める。
誰が担当するか決める。
変更したら、
どこを確認するか決める。
こうすると、
ズレを戻しやすくなります。
最後に
時計は、
少しずつズレます。
仕事も、
少しずつズレます。
昨日まで正しかった情報が、
今日も正しいとは限らない。
以前は必要だった作業が、
今も必要とは限らない。
昔は便利だった仕組みが、
今の自分には合わなくなっているかもしれない。
だから、
ときどき、
時計を見るように、
仕事を見る。
大きな問題を探す必要はありません。
「ここ、少しズレてないかな」
くらいでいい。
ホームページ。
SNS。
Google。
オンラインショップ。
メール。
仕事の流れ。
ファイルの置き場所。
自分の時間の使い方。
一つずつ見てみる。
そして、
見つかった小さなズレを、
一つだけ直す。
それだけでも、
仕事は少し整います。
僕は、
「整理する」というのは、
何もかも完璧にすることではないと思っています。
ズレたら、
戻す。
古くなったら、
直す。
必要がなくなったら、
やめる。
変わったら、
合わせる。
その繰り返しです。
時計も、
仕事も、
長く使うものほど、
こういう小さな手入れが大切なのだと思います。