Webのことを誰かに頼むとき、「ホームページを作りたいです」「いい感じにしてください」「SNSもお願いします」となってしまうことがあります。もちろん、ここから相談を始めても大丈夫です。でも、伝えられる情報が少し増えるだけで、話はかなり進めやすくなります。Webを頼むときに必要なのは専門用語ではありません。「何をしているのか」「誰に届けたいのか」「何に困っているのか」。まずはそこからで十分です。
仕事・相手・困りごと・ゴールを伝える
まず、自分が何をしているのか。店なら何を売っているのか、サービスなら何をしているのか、作家なら何を作っているのか。さらに「他とは何が違うのか」があれば伝えておきます。立派なキャッチコピーを作る必要はなく、自分の言葉で普段やっていることを説明すればいいのです。
次に、誰に来てほしいのか。「みんなに来てほしい」という気持ちはよく分かりますが、作る側からすると、誰に向けるのかが分からないと判断しにくいことがあります。初めて来る人か、すでに知っている人か、地域のお客さんか、遠方の人か。「こんな人に来てもらえるとうれしい」くらいの話でも、大きな手がかりになります。
そして、今何に困っているのか。ホームページが古い、情報がバラバラになっている、SNSはあるけど見られていない気がする、何を投稿すればいいか分からない、問い合わせが分かりにくい、自分では更新できない。「ホームページを作りたい」という言葉の奥に別の困りごとが隠れていることもあるので、「なぜ作りたいのか」まで話してみます。あわせて、どうなったら「頼んでよかった」と思えるのかも具体的にします。初めての人に事業内容を知ってほしい、店に来る前に情報を確認してほしい、予約方法を分かりやすくしたい、SNSから詳しい情報へ案内したい、自分でも更新できるようにしたい。「おしゃれにしたい」という希望に加えて、見た目以外の「どうなってほしいか」も伝えておくと、作る側が判断しやすくなります。
素材・優先順位・予算・運用・好みを伝える
すでに持っているものも見せてみます。今あるホームページ、SNS、写真、パンフレット、メニュー、商品資料、名刺、過去の投稿。すでにある情報の中に、使える材料がたくさん入っていることがあります。
「絶対に必要なもの」と「できればほしいもの」も分けます。【必須】【できれば】【将来】と優先順位をつけると、予算も時間も膨らみにくくなります。予算もできれば最初に伝えます。決まっていない場合でも「できるだけ抑えたい」「必要なところには使いたい」という考え方を伝えるだけでも違い、その範囲で何を優先するかを一緒に考えやすくなります。
作ったあと、誰が使うのかも大切です。自分で更新するのか、スタッフか、制作会社にお願いするのか。「作ってほしい」だけではなく「その後どう使いたいか」まで伝えると、作るものそのものが変わってくることがあります。また「好き・嫌い」も伝えていいものです。明るすぎる感じは苦手、シンプルなほうが好き、高級感より親近感を出したい。専門用語が分からなくても、雰囲気の好みは伝えられます。
分からないことは「分からない」でいい
これが実は一番大事かもしれません。ドメインが分からない、サーバーが何なのか分からない、SEOがよく分からない。知ったふりをする必要はなく、「ここが分からないので、教えてください」と伝えてもらったほうが話を整理しやすい。相談するときは、何をしているのか、誰に届けたいのか、何に困っているのか、どうなったらうれしいのか、持っている素材は何か、絶対に必要なものは何か、予算はどのくらいか、作ったあと誰が使うのか、分からないことは何か。この9つがあれば十分で、全部きれいに整理してから相談しなくても大丈夫です。
まとめ
Webの相談を受けると、最初から「このページを作りましょう」と決まっているとは限りません。話を聞いてみると、本当に困っているのはホームページではなく情報の整理だったり、SNSとの役割分担だったり、商品の見せ方や予約の流れだったりします。そもそも、今はホームページを作らないほうがいい場合もあります。だから「これを作ってください」だけではなく、「こういうことで困っています」と話してもらえると、そこから考えられることが増えます。Webが苦手な人に必要なのは専門用語を覚えることではなく、「自分は何に困っているのか」を言えること。あとは、分からないところを一つずつ整理していけばいいのです。
