「何を投稿したらいいですか?」そう聞かれることがあります。でも僕は、その前に一度、「今、何を持っているのか」を見てみたほうがいいと思っています。発信する情報がないのではなく、すでにある情報が散らばっているだけかもしれません。僕はそんな状態をけっこう見ます。
いきなり投稿を作らず、まず「持っている情報」を全部出す
SNSを始めると、まず「今日何を書こう?」と考えます。でも毎日その場で考えていると、だんだん苦しくなってきます。ネタを探すこと自体が仕事になってしまうからです。その前に、発信できる情報を一度まとめてみる。それだけでもかなり変わります。
お店や仕事についての情報なら、商品・サービス、価格、営業時間、場所・アクセス、予約・注文方法、商品の特徴、作っている理由、仕事を始めたきっかけ、お客さんからよく聞かれること、過去にあった出来事、写真・動画、これからやりたいこと、などがあります。まずはきれいに文章にしなくてもよく、箇条書きでも十分です。次に、情報を種類ごとに分けてみます。「知ってほしいこと」「商品・サービスのこと」「人のこと」「日々の活動」「お客さんが知りたいこと」「これからのこと」。分け方に正解があるわけではなく、自分の仕事に合わせて分かりやすい箱を作ればいいのです。
「大事な情報」と「今必要な情報」は違う
仕事をしている本人にとっては、どの情報も大切に感じるものです。でも、見る側が最初から全部知りたいとは限りません。たとえば初めてお店を知った人なら、まず知りたいのは「何のお店なのか」「どこにあるのか」「どうすれば利用できるのか」かもしれません。情報を持っていることと、最初に見せることは別です。
発信する情報を考えるとき、僕がけっこう参考にするのが普段の問い合わせです。「営業時間は何時ですか?」「どこから入ればいいですか?」「予約できますか?」「これはどういう商品ですか?」何度も同じことを聞かれるなら、それは発信したほうがいい情報かもしれません。問い合わせは、お客さんが「分からない」と感じた場所を教えてくれることがあります。
同じ情報でも、見せ方を変えられる
発信は「新しいネタ」だけではありません。「毎日、新しいことを書かなきゃ」と思う必要もありません。商品を紹介する→商品を作った理由を書く→実際に使っている様子を見せる→よくある質問に答える。元になる情報が一つでも、伝え方はいくつもあります。日常の中にも発信できる情報があります。商品を選ぶ、写真を撮る、包装する、お客さんと話す、新しいことを試す。本人にとっては「いつもの仕事」でも、初めて知る人には意外と面白いものです。
「発信すること」と「残すこと」も分けます。SNSではそのとき伝えたいことを発信し、後から見てもらいたい情報はWebサイトなどに整理して残しておく。すべての情報を同じ場所に置く必要はなく、場所ごとの役割を決めておけば、情報も整理しやすくなります。
AIに文章を書いてもらう前に、材料を整理することも大切です。最近は、AIを使えば文章そのものはかなり簡単に作れるようになりました。でも、元になる情報が曖昧なままだと、それらしい文章はできても「その人の仕事の話」にはなりにくい。何をしているのか、なぜやっているのか、誰に届けたいのか、何を大切にしているのか。まず材料を出す、それから整理する、その後で文章にする。この順番なら、AIもかなり使いやすくなります。
まとめ
発信に困ったら、「ネタを探す」前に「情報を並べる」ことです。頭の中、スマートフォンの写真、過去の投稿、商品資料、お客さんからの質問。すでに持っているものを一度集めてみると、意外と材料はあります。発信する前に整理したいのは、今どんな情報を持っているか、誰に知ってほしい情報なのか、今すぐ必要な情報なのか、後から探してもらいたい情報なのか、よく質問される情報は何か、すでに発信した情報は何か、まだ整理できていない情報は何か、です。ここまで分かると、「何を発信すればいいか分からない」という状態から少し抜け出しやすくなります。発信は、情報を作ることから始まるのではなく、情報を整理することから始まります。その人がすでに持っている情報を出して、分けて、並べて、必要な場所に置く。そうすると、「何を発信するか」も少しずつ見えてきます。
