初心者が最初にやるべき「3つの土台」
ブランドづくりの“始まりの場所”
「好きを仕事にしたい」「自分らしさをブランドにしたい」──そう思い立ったとき、私たちは一歩踏み出す勇気と同時に、不安や迷いも抱えるものです。情報もノウハウもあふれている今、何から手をつけたらいいのかわからなくなってしまうことも。
そんなあなたに届けたいのが、今回のテーマ「初心者が最初にやるべき3つの土台」です。
この土台は、私が「まついちゃん」として感性と戦略の両軸でブランドづくりをサポートしてきたなかで、すべての人に共通して必要だと実感している“始まりの整地”のようなもの。これができていれば、その先の設計も進めやすく、ぐらつかないブランドへと育てることができます。
それでは、一緒にその3つの土台を整えていきましょう。
土台1:「好き」の言語化〜なぜ、それが好きなのか?〜
ブランドの根幹は“自分らしさ”にあります。だからこそ、まず最初にやるべきことは「自分の“好き”を言語化すること」です。
ここで大切なのは、ただ「アクセサリーが好き」「イラストが好き」といったジャンルではなく、
- なぜ、それが好きなのか?
- どんなときに心が動いたのか?
- その好きに、どんな意味や背景があるのか?
という【感情のレイヤー】まで掘り下げること。
例えば、あなたが「紙もの雑貨」が好きだとします。 「なぜ?」と問いかけることで、
- 子どもの頃から手紙を書くのが好きだった
- 気持ちを形にして渡す行為があたたかく感じた
- 言葉では言いにくいことをデザインに込められる
そんな“心の履歴”が見えてくるはずです。
その感性や想いこそが、ブランドの魂。
このステップは、ノート1冊に想いを綴ることから始められます。 「好きなもの」「惹かれるデザイン」「共感したサービス」「感動したシーン」などを、自分の言葉でストックしていきましょう。
その積み重ねが、やがて“共感を生むコンセプト”になります。
土台2:世界観の輪郭をつくる〜自分の“空気感”に気づく〜
ブランドは「誰に何をどう伝えるか」の集合体です。 そして、それを形づくる“見えない空気”が「世界観」です。
この世界観には、言語やデザイン、トーンだけでなく、
- 写真の明るさや色味
- 使うフォントの柔らかさ・堅さ
- SNSでの話し方
- 文章のテンポ感 など、すべてがにじみ出ます。
大切なのは、「どう見せるか」ではなく「どう在りたいか」。
だから、まずは“自分が落ち着く空気感”を知ること。
たとえば、こんな質問を自分にしてみてください。
- 好きなインテリアや空間は?(例:北欧ナチュラル / モダンミニマル)
- 心惹かれる写真の色味は?(例:くすみ系 / 彩度高め)
- 憧れる暮らし方は?(例:丁寧に暮らす / 都会的でスピーディ)
そこから見えてくる“空気”を大切にしていきましょう。
これは、戦略の前に必要な“感性の設計図”です。 自分の世界観をまず自分が理解していなければ、誰にも伝わりません。
Pinterestやインスタの保存機能を使って、 「これは好き」「この雰囲気が落ち着く」という画像をコレクションするのもおすすめです。
土台3:届けたい人のイメージを描く〜まだ見ぬ“共鳴相手”を想像する〜
好きなことを自分らしく形にしていくためには、“共鳴してくれる誰か”の存在が不可欠です。
ビジネスは、価値と価値の交換です。 その価値が“誰かの心に届く”ことで、初めてブランドが生き始めます。
とはいえ、最初は「お客さま像がよくわからない」という方も多いはず。
そこでおすすめしたいのが、“過去の自分”をモデルにすること。
- 昔の自分が欲しかった商品やサービスは?
- あの頃の自分にどんな言葉をかけてあげたかった?
- なぜそのサービスを今届けたいと思っているのか?
過去の自分の中に、未来のファンが眠っている。
これが、まついちゃんのブランド設計で大切にしている視点です。
また、届けたい相手の暮らしや悩み、心にある願いを想像することで、 「自分のブランドは、誰の人生のどこに作用するのか?」 という視点が育ってきます。
届けたい相手を“ラベル”で捉えるのではなく、“人生の物語”で捉えること。
その人にとって、あなたのブランドがどんな灯りになるのか? そう問い続けることで、あたたかく、強く、伝わるブランドになっていきます。
おわりに:土台があるから、羽ばたける
ここまでご紹介した「3つの土台」
- 「好き」の言語化
- 世界観の輪郭づくり
- 届けたい人のイメージを描く
これは、いわば“ブランドの根っこ”です。
枝葉であるデザインや戦略をいくら整えても、 この根っこが育っていなければ、途中でしおれてしまいます。
逆に言えば、この土台さえしっかりしていれば、 多少の揺れや環境の変化があってもブレません。
あなたという人の感性や想い、過去の経験は、 それだけで誰かの人生を照らす可能性を持っています。
焦らず、丁寧に、土を耕すように。
ブランドの最初の一歩は、 “自分と丁寧に向き合う時間”から始まります。
その過程もまた、あなたらしさそのもの。
ぜひ、ここで紹介した3つの土台を、 ノートやPCのメモでゆっくり育ててみてください。
そしていつか、「自分らしさ」が誰かの力になったとき──
ブランドの芽は、しっかりと地に根を張り始めます。
あなたらしいブランドの種まきを、心から応援しています。
まついちゃん|HAPPINESS ENGINE
感性と戦略を掛け算して、自分らしさを社会に届ける。 パーソナルブランドの伴走パートナーとして、 あなたの原石を“選ばれる価値”に磨きあげます。