高い道具を買うとき、僕は「何にお金を払うのか」を考える。
高い道具がある。
安い道具もある。
同じようなことができるなら、
安いほうがいい。
これは、
たしかにそうだと思う。
でも、
それだけでもない。
世の中には、
「どうしてこんなに高いんだろう」
と思う道具がある。
そして、
実際に使ってみると、
「なるほど、こういうことか」
と思うこともある。
逆に、
高いのに、
自分には合わないものもある。
だから、
僕は、
「高い=良い」
とも、
「安い=賢い」
とも、
あまり思っていない。
価格には、いろいろなものが入っている
道具の値段には、
材料費だけが入っているわけではない。
設計。
製造。
品質管理。
修理。
サポート。
ブランド。
歴史。
開発費。
流通。
そして、
使う人が感じる価値。
いろいろなものが、
一つの価格になっている。
だから「高い理由」を分解してみる
例えば、
同じようなペンがある。
片方は数百円。
片方は、
かなり高い。
書くだけなら、
どちらでも書ける。
では、
何が違うのか。
重さ。
バランス。
素材。
仕上げ。
インク。
握り心地。
耐久性。
修理。
所有する満足感。
そういう違いがあるかもしれない。
その違いが必要かどうか
ここが一番大事だと思う。
違いがある。
だから、
高いほうを買う。
ではなく、
その違いを、
自分は必要としているか。
そこを見る。
「高いから買う」は、少し危ない
高級品を持っている。
それだけで、
自分が少し良くなったような気がする。
これは、
人間として自然な感覚だと思う。
でも、
道具は、
持っているだけでは、
仕事をしてくれない。
高いギターを買ったから、上手くなるわけではない
これは、
音楽をやっている人なら、
よく分かる話だと思う。
高いギター。
高いアンプ。
高いエフェクター。
全部揃えた。
でも、
演奏が良くなるとは限らない。
むしろ、
道具が良くなったことで、
自分の技術がそのまま出てしまうこともある。
道具は、能力を隠してくれない
良い道具を使えば、
全部うまくいく。
そんなことはない。
むしろ、
道具の性能が高いほど、
使う側の差が出ることもある。
だから、
高い道具を買うなら、
「これで何ができるようになるのか」
を考えたい。
高い時計も同じ
機械式時計は、
時間を見るだけなら、
スマートフォンのほうが正確だ。
電波時計なら、
もっと正確かもしれない。
では、
なぜ機械式時計を選ぶのか。
時間を見るためだけではない。
機械の動き。
仕上げ。
装着感。
歴史。
設計。
メンテナンス。
所有する楽しさ。
そこに価値を感じる人がいる。
効率だけでは説明できない価値
これは、
「高いものを持つことが正しい」
という話ではない。
むしろ、
効率だけで考えたら、
必要ないものもたくさんある。
でも、
人生には、
効率だけでは測れないものがある。
僕は、そこを否定したくない
仕事では、
効率を考える。
時間を考える。
費用を考える。
成果を考える。
でも、
全部を効率だけで決める必要はない。
好きだから使う。
触っていて気持ちいい。
長く使いたい。
持っていると、
仕事を始めたくなる。
そういう価値もある。
「好き」は、意外と強い
お気に入りのペン。
お気に入りの時計。
お気に入りのギター。
お気に入りのキーボード。
毎日使いたくなる。
毎日使うから、
結果として、
長く使う。
長く使うから、
道具の癖が分かる。
癖が分かるから、
さらに使いやすくなる。
これは、
かなり大きな価値だと思う。
安い道具でも、好きになればいい
逆もある。
安いペン。
普通のノート。
昔から使っているマウス。
値段は高くない。
でも、
自分にとっては、
使いやすい。
それなら、
それで十分だ。
「高級」と「適切」は別の言葉
ここは、
かなり大事だと思っている。
高級品。
高性能。
人気商品。
それと、
自分に合っていることは、
別の話。
道具選びは、ランキングでは決まらない
「おすすめランキング1位」
だから、
自分にも1位とは限らない。
手の大きさ。
仕事の内容。
使う頻度。
持ち運ぶか。
机に置くか。
誰が使うか。
予算。
条件が違えば、
答えも変わる。
だから、スペックだけでは選ばない
スペックは見る。
レビューも見る。
評判も見る。
でも、
最後は、
自分の仕事に当てはめる。
これを使って、
何が変わるのか。
そこを見る。
「何にお金を払うのか」
高い道具を買うとき、
僕はこれを考える。
素材に払っているのか。
精度に払っているのか。
耐久性に払っているのか。
修理できることに払っているのか。
時間を買っているのか。
使う喜びに払っているのか。
それが分かれば、
高いか安いかだけでは、
判断しなくなる。
時間を買うという考え方
例えば、
毎日30分かかっている作業がある。
それを、
道具を変えることで、
10分にできる。
20分短くなる。
一日なら、
20分。
一年なら、
かなりの時間になる。
こういう場合、
道具に払ったお金には、
「時間を買う」
という意味がある。
でも、時間短縮だけが価値ではない
逆に、
時間が短くならない。
でも、
使っていて気持ちいい。
書くことが楽しい。
音を出すことが楽しい。
時計を見ることが楽しい。
それも、
価値だと思う。
楽しい道具は、使う回数が増える
そして、
使う回数が増えると、
上達する。
文章を書く。
写真を撮る。
ギターを弾く。
仕事をする。
「使いたくなる」
ということは、
かなり強い。
だから「所有する満足感」を馬鹿にしない
もちろん、
見栄だけで買う必要はない。
でも、
持っていることが嬉しい。
使うことが嬉しい。
それが、
行動につながるなら、
ちゃんと意味がある。
ただし、見栄だけなら長続きしない
人に見せるためだけ。
SNSに載せるためだけ。
「すごい」と言われるためだけ。
それだと、
新しいものが出るたびに、
欲しくなる。
もっと高いもの。
もっと新しいもの。
もっと珍しいもの。
終わりがない。
道具は、人に見せるためだけにあるわけではない
自分が使う。
自分の仕事を助ける。
自分の生活を少し良くする。
それが、
一番大事だと思う。
高いものを買うなら、長く使いたい
高いものを買う。
すぐ飽きる。
また買う。
これでは、
価格の問題より、
使い方の問題になる。
長く使う。
手入れする。
修理する。
愛着が増える。
そうなるなら、
高いことにも意味が出てくる。
「1日いくら」で考えることもある
10万円の道具。
10年使う。
単純に割れば、
一年あたり1万円。
一日あたりなら、
もっと小さい。
もちろん、
こんな単純計算だけで価値を決められない。
でも、
長く使うという考え方には、
役立つ。
逆に、安くても使わなければ高い
1,000円だから、
気軽に買う。
でも、
使わない。
机の引き出しに入る。
また別のものを買う。
これを繰り返す。
すると、
安い買い物が、
高くつく。
「買った金額」より「使った回数」
僕は、
こっちを見ることがある。
10万円でも、
毎日使う。
1,000円でも、
一度しか使わない。
どちらが、
自分にとって価値があるか。
人によって、
答えは違う。
道具は、使用回数で価値が変わる
毎日使うものは、
少しの違いが積み重なる。
ペンが少し書きやすい。
キーボードが少し打ちやすい。
椅子が少し楽。
モニターの位置が少し見やすい。
一回では、
小さな差。
でも、
毎日なら、
大きな差になる。
「小さな快適」は、積み重なる
仕事の効率という言葉にすると、
少し堅くなる。
でも、
単純に、
「ちょっと楽」
でいい。
ちょっと書きやすい。
ちょっと見やすい。
ちょっと迷わない。
こういうものが、
仕事を長く続ける助けになる。
Webも同じ
Webサイトも、
「すごい機能」を入れることより、
毎日使う人が、
ちょっと迷わないことのほうが大事な場合がある。
ボタンが分かる。
情報が見つかる。
問い合わせ方法が分かる。
更新しやすい。
そういう小さな快適さ。
高価なWebサイトが、良いWebサイトとは限らない
制作費が高い。
デザインがすごい。
アニメーションが多い。
最新技術を使っている。
それだけでは、
良いWebサイトとは言えない。
必要な人に、必要な情報が届く
これが、
まず大事。
お店なら、
場所。
営業時間。
商品。
料金。
予約方法。
会社なら、
何をしているか。
誰がやっているか。
実績。
問い合わせ方法。
必要な情報が、
見つかる。
それが、
基本になる。
高い道具にも、安い道具にも役割がある
全部を高級品で揃える必要はない。
毎日使うものには、
少し良いもの。
たまにしか使わないものには、
必要十分。
そんな選び方もある。
「全部最高」より「重要なところに使う」
これは、
仕事でも、
お金でも、
道具でも、
同じだと思う。
全部に100点をつけようとすると、
コストが上がる。
だから、
大事なところを決める。
どこにお金をかけるかは、価値観そのもの
音楽が好きな人なら、
楽器にお金をかける。
時計が好きなら、
時計にかける。
写真が好きなら、
カメラにかける。
仕事が文章中心なら、
キーボードや椅子にかける。
それでいい。
他人の「正解」を借りなくていい
誰かが、
「この時計が最高」
と言う。
誰かが、
「このパソコンが最強」
と言う。
誰かが、
「このツールを使えば仕事が変わる」
と言う。
参考にはする。
でも、
最後は自分で決める。
自分の仕事に戻ってくる
この道具で、
何をするのか。
どれくらい使うのか。
誰が使うのか。
何年使うのか。
そこに戻る。
道具選びは、小さな事業の設計にも似ている
予算は限られている。
人手も限られている。
時間も限られている。
だから、
全部を完璧にすることはできない。
どこに力を使うか。
そこを決める。
Webも、全部を最高にする必要はない
トップページだけ、
ものすごく凝っている。
でも、
問い合わせページが分かりにくい。
これでは、
少しもったいない。
トップページより、
問い合わせ導線に力を使ったほうがいい場合もある。
「見栄え」と「役割」を分ける
もちろん、
見た目は大事。
でも、
見た目だけではない。
何を伝えるのか。
誰に伝えるのか。
どこへ誘導するのか。
そこまで含めて、
設計する。
高いものには、理由がある
本当に、
理由があるものもある。
材料が違う。
精度が違う。
製造工程が違う。
修理体制がある。
長く使える。
職人の技術が入っている。
そういうものには、
ちゃんと価値がある。
でも、理由が自分に必要とは限らない
ここも忘れない。
100万円の時計に、
100万円の価値を感じる人がいる。
僕には、
そこまで必要ない場合もある。
逆に、
その人にとっては、
100万円を払う理由がある。
それでいい。
価値は、人によって違う
だから、
「高いから無駄」
とも言わない。
「高いから本物」
とも言わない。
自分にとって、
何の価値があるのか。
そこを見る。
道具は、自分の価値観を映す
何にお金を使うか。
何を長く使うか。
何を買わないか。
それを見ると、
その人が何を大事にしているのか、
少し分かる。
僕が道具を選ぶとき
まず、
何をしたいのか。
次に、
何が必要なのか。
その次に、
どれくらい使うのか。
そして、
どれくらい続けたいのか。
その上で、
価格を見る。
価格から始めない。
「安いから買う」でも、
「高いから買う」でもない。
「必要だから買う」。
これが、
一番シンプルだと思う。
そして、買わないことも選択
今の道具で足りている。
だったら、
買わない。
これは、
消極的な選択ではない。
むしろ、
かなり積極的な判断だと思う。
道具が増えると、管理が増える
一つ増える。
置き場所が必要になる。
充電が必要になる。
掃除が必要になる。
設定が必要になる。
覚える必要がある。
だから、
買う前に、
「これを所有する仕事も増える」
と考える。
所有には、責任がある
少し大げさだけれど、
これは本当だと思う。
使う。
保管する。
手入れする。
修理する。
最後は手放す。
買った瞬間だけではなく、
その後も付き合う。
だから、僕は「長く使えるか」を見る
壊れにくいか。
修理できるか。
部品があるか。
使い続けられるか。
自分の仕事が変わっても、
役割を持てるか。
こういうところを見る。
道具との関係は、少し人間関係に似ている
最初は、
よく分からない。
使ってみる。
慣れる。
癖が分かる。
合わないところも出てくる。
それでも、
調整する。
付き合い方が分かる。
長く使うと、
単純な「便利・不便」だけではなくなる。
道具は、使う時間まで含めて価値になる
だから、
高いか安いかだけでは、
道具の価値は決められない。
何をしてくれるのか。
何を楽にしてくれるのか。
何を楽しくしてくれるのか。
何を長く続けさせてくれるのか。
そこを見る。
「何にお金を払っているのか」
高い道具を買うとき、
この質問を自分にしてみる。
性能なのか。
耐久性なのか。
時間なのか。
安心なのか。
使い心地なのか。
修理できることなのか。
歴史なのか。
所有する喜びなのか。
答えがあるなら、
その買い物には、
自分なりの理由がある。
逆に、理由がないなら買わなくていい
「みんな持っているから」
「おすすめされているから」
「新製品だから」
「高いから良さそうだから」
それだけなら、
一度立ち止まる。
本当に、
自分に必要なのか。
道具を選ぶことは、自分の仕事を選ぶことでもある
何を大切にするか。
どこに時間を使うか。
何を効率化するか。
何をあえて効率化しないか。
そこまで考えると、
道具選びは、
単なる買い物ではなくなる。
便利なものは、たくさんある
だからこそ、
全部はいらない。
自分に必要なものを、
必要なだけ。
そして、
選んだものは、
ちゃんと使う。
これが、
一番気持ちいい。
高い道具が、
偉いわけではない。
安い道具が、
賢いわけでもない。
大切なのは、
その道具に、
自分が何を求めているか。
何にお金を払うのか。
何年使うのか。
どんな時間を過ごしたいのか。
そこまで考えて選んだ道具なら、
値段とは別のところで、
ちゃんと自分のものになる。
そして、
長く使ったあとに、
「これを選んでよかったな」
と思えたら。
それが、
その道具に払ったお金の、
いちばん分かりやすい答えなのかもしれない。