SNSの予約投稿ツールは、本当に必要なのか。
SNSを運用していると、
「予約投稿できるツールを使ったほうがいいですよ」
と言われることがあります。
確かに便利です。
あらかじめ投稿を作っておけば、指定した時間に自動で投稿してくれる。
毎日決まった時間にSNSを開かなくてもいい。
複数のSNSをまとめて管理できるものもある。
投稿を計画的に並べることもできる。
便利な機能です。
でも、僕はここでも一度考えます。
「それ、本当に必要ですか?」
予約投稿は便利。でも、便利だから必要とは限らない
これは予約投稿ツールに限りません。
Webには便利なサービスがたくさんあります。
SNS管理ツール。
スケジュール管理。
タスク管理。
メール配信。
自動化ツール。
AI。
分析ツール。
画像制作ツール。
いろいろあります。
そして、どれも魅力的です。
「これを使えば、SNS運用が楽になるかもしれない」
と思う。
でも、
「楽になりそう」
と
「実際に楽になる」
は違います。
ここを一度分けて考えたい。
まず、何が大変なのか
例えば、
「SNS投稿が大変です」
と言われたとします。
ここで、
「じゃあ予約投稿ツールを使いましょう」
とするのは、少し早い。
なぜ大変なのかを見てみる。
投稿を書くのが大変なのか。
写真を作るのが大変なのか。
投稿する時間がないのか。
ネタがないのか。
毎回内容を考えるのが大変なのか。
複数のSNSに投稿するのが大変なのか。
投稿後の反応を見るのが大変なのか。
そもそも何を投稿すればいいのかわからないのか。
これ、全部「SNSが大変」ですが、問題は違います。
投稿する時間がないなら、予約投稿は役に立つ
例えば、
「毎週月曜日の朝に投稿したい。でも、その時間は店舗の仕事が忙しい」
という人。
この場合、予約投稿はかなり役に立ちます。
日曜日に投稿を作っておく。
月曜日の朝に自動で公開する。
これなら、投稿時間の問題を解決できます。
つまり、
「投稿時間をずらしたい」
という明確な問題があります。
この場合は、ツールを使う理由がある。
でも「ネタがない」は解決しない
一方、
「毎日投稿したいけど、何を書けばいいかわからない」
という問題。
これに予約投稿ツールを入れても、
投稿する場所が自動化されるだけです。
ネタは出てきません。
文章も勝手には決まりません。
何を伝えるかも決まりません。
場合によっては、
「予約投稿するための投稿を作る」
という新しい仕事が増えるだけです。
ここは意外と大事です。
ツールは、問題を解決するもの
僕はWebツールを選ぶとき、
「このツールには何ができるか」
より、
「このツールで、何の問題を解決するのか」
を見るようにしています。
例えば、
「投稿時間を固定したい」
なら予約投稿。
「画像を毎回ゼロから作るのが大変」
ならテンプレート。
「文章を考えるのが大変」
ならAIを使った下書き。
「過去の投稿を探せない」
なら情報整理。
「誰が何を投稿するのかわからない」
なら運用ルール。
同じSNSの問題でも、必要な道具は違います。
「ツールを入れれば運用できる」は逆
ここは、かなり重要だと思っています。
SNS管理ツールを入れたからSNS運用ができる。
これは少し違います。
先に、
「どんなSNS運用をするのか」
が必要です。
例えば、
Instagramは商品の写真。
Facebookは活動報告。
Threadsは日常の会話。
Xは短い情報発信。
というように、役割を決める。
その上で、
「それぞれを毎週何回更新する?」
を考える。
そこまで決まって、
「毎週この作業が大変だから予約投稿を使おう」
となる。
順番が大切です。
SNSは全部同じように扱わなくていい
複数のSNSを運用していると、
「全部同じ内容を一括投稿すればいい」
という発想になりやすい。
もちろん、それが合う場合もあります。
でも、SNSによって役割が違うなら、
全部を完全に同じにする必要はありません。
同じ素材を使ってもいい。
でも、文章や見せ方は変える。
これも運用設計です。
「一回作ったものを全部に流す」
ことが必ずしも効率化とは限りません。
効率化するときは「何を減らすか」を考える
効率化というと、
「作業を自動化する」
ことを考えがちです。
でも僕は、
「そもそも、その作業は必要?」
から考えたい。
例えば、
毎日投稿する。
↓
本当に毎日必要?
毎回画像を作る。
↓
本当に毎回必要?
全部のSNSに投稿する。
↓
本当に全部必要?
すべて予約する。
↓
本当に予約する必要がある?
こうやって一つずつ見ていく。
必要なものだけ残す。
これだけでも、かなり仕事は軽くなることがあります。
自動化すると、管理する仕事も増える
自動化は便利です。
でも、自動化した仕組みも管理しなければいけません。
予約一覧を確認する。
投稿内容を修正する。
古い予約を削除する。
アカウント連携を確認する。
エラーがないか確認する。
ツールの仕様変更に対応する。
場合によっては料金プランを見直す。
つまり、
「自動化したから仕事がゼロになる」
わけではありません。
別の仕事に変わるだけです。
だから、
「どれくらい時間が減るのか」
だけではなく、
「どれくらい管理する仕事が増えるのか」
も考えたい。
小さな事業ほど、シンプルでいい
個人事業や小さなお店の場合、
大企業と同じようなSNS管理システムが必要とは限りません。
一人で運営している。
週に数回しか投稿しない。
投稿内容もそれほど多くない。
この場合、
SNSアプリだけで十分かもしれません。
逆に、
複数人で投稿を担当している。
複数のアカウントがある。
毎日大量に投稿する。
投稿を数週間前から計画する必要がある。
こういう場合は、専用ツールが役に立つ可能性があります。
大事なのは、
「小さいからツール不要」
でも、
「プロっぽく見せるためにツールを導入する」
でもありません。
仕事の量と複雑さに合わせることです。
「毎日投稿しなければ」は、一度疑ってみる
SNS運用では、
「毎日投稿しましょう」
という話をよく聞きます。
もちろん、毎日投稿が向いている人もいます。
でも、すべての事業に必要とは限りません。
例えば、
週2回でも、
内容がきちんとしている。
必要な情報が更新されている。
お客様が知りたいことが載っている。
問い合わせにつながる。
それなら、それでいい。
投稿数だけを増やすために、
「今日は何を書こう……」
と毎日悩むのであれば、
その時間を別の仕事に使ったほうがいい場合もあります。
SNSは「投稿数」だけでは見えない
SNSを運用していると、
フォロワー数。
いいね数。
投稿数。
リーチ数。
など、数字が気になります。
もちろん数字を見ることは大切です。
でも、
「数字が増えたから仕事が良くなった」
とは限りません。
本当に必要なのは、
知ってほしい人に届いたか。
問い合わせにつながったか。
来店につながったか。
商品を知ってもらえたか。
既存のお客様との関係が続いたか。
活動を理解してもらえたか。
事業によって目的は違います。
だから、予約投稿ツールを導入する前に、
「何を成果とするのか」
も決めておきたい。
予約投稿ツールより、投稿の型のほうが効くこともある
例えば、
月曜日:今週のお知らせ
水曜日:商品・サービス紹介
金曜日:活動の様子
という型を作る。
これだけでも、
「何を投稿しよう」
という迷いは減ります。
さらに、
投稿のタイトル。
写真の種類。
文章の順番。
最後に入れる情報。
などをある程度決めておけば、毎回ゼロから考えなくて済みます。
これはツールを追加するより簡単です。
AIも同じ
ここでAIも関係してきます。
「AIに投稿を書いてもらえば楽になる」
確かにそうです。
でも、
何を伝えるのか。
誰に伝えるのか。
その投稿で何をしてほしいのか。
どんな言い方なら自分らしいのか。
これは先に決めたほうがいい。
AIに丸ごと任せるより、
「今日の出来事はこれです」
「お客様からこんな言葉をもらいました」
「この商品はここが特徴です」
と材料を渡して、
整理してもらう。
そのほうが、自分の仕事とつながった投稿になりやすい。
「自動化できること」と「自動化しないこと」
僕は仕事を整理するとき、
すべてを自動化しようとは思いません。
例えば、
定型的な投稿予約。
定型文の下書き。
画像サイズの調整。
ファイル整理。
こういうものは自動化しやすい。
一方、
お客様への個別返信。
大事なお知らせ。
トラブル対応。
重要な判断。
その日の空気を見て投稿すること。
こういうものは、人がやったほうがいい場合があります。
仕事には、
「速くしたほうがいい部分」
と、
「急がないほうがいい部分」
があります。
ツールを使わないことも、立派な選択
例えば、
一人でSNSを運用していて、
週に2回投稿する。
スマートフォンから投稿する。
投稿前に確認する。
これで何も困っていない。
それなら、無理に管理ツールを入れなくてもいい。
「プロならツールを使う」
という考え方もありますが、
僕は逆だと思っています。
プロだからこそ、
「必要なものだけ使う」
ことも大切です。
ツールが増えると、情報の場所も増える
ここはWebサイトの運用ともつながります。
SNS管理ツール。
Googleスプレッドシート。
Notion。
Canva。
ChatGPT。
クラウドストレージ。
メール。
LINE。
いろいろなものを使い始めると、
「どこに何があるの?」
という問題が出てきます。
投稿内容はどこ?
写真はどこ?
完成原稿はどこ?
予約済み投稿はどこ?
最新情報はどこ?
これでは、効率化したはずなのに探す時間が増えてしまいます。
だから、
「何のツールを使うか」
と同じくらい、
「情報をどこに置くか」
が重要です。
SNS運用で最初に整理したいこと
もし僕が小さな事業のSNSを整理するなら、最初に見るのはツールではありません。
まず、
1.何のためにSNSを使うのか
2.誰に見てもらいたいのか
3.どのSNSを使うのか
4.それぞれの役割は何か
5.どれくらいの頻度なら続けられるか
6.何を投稿するのか
7.誰が投稿するのか
8.どこに素材を保存するのか
9.どこまで自動化するのか
10.何を成果として見るのか
このあたりです。
ここまで決まれば、
「予約投稿ツールが必要かどうか」
はかなり判断しやすくなります。
ツールは「楽にするもの」ではなく「仕組みの一部」
ここまで考えてくると、
予約投稿ツールそのものが悪いわけではありません。
むしろ、条件が合えば非常に便利です。
問題は、
「便利そうだから入れる」
こと。
ツールを入れること自体が目的になると、
設定。
連携。
学習。
管理。
更新。
という新しい仕事が発生します。
だから、
「このツールを使うと何が変わる?」
と考える。
その答えが具体的なら、使えばいい。
答えが、
「なんとなく便利そう」
なら、まだ入れなくてもいい。
僕がツールを選ぶときに考えること
僕は、
目的。
作業量。
使う人。
頻度。
情報の場所。
管理の手間。
費用。
将来の引き継ぎ。
このあたりを見ます。
そして最後に、
「これ、半年後も使っているかな?」
と考える。
導入した直後だけ便利なツールは、意外とあります。
でも、本当に良い仕組みは、
半年後も、
一年後も、
無理なく使える。
そのくらいがちょうどいい。
便利なものを増やすより、迷う場所を減らす
SNS運用で本当に大変なのは、
投稿ボタンを押すことではないのかもしれません。
何を投稿するか。
どこに投稿するか。
いつ投稿するか。
誰がやるか。
何を見ればいいか。
こういう判断が毎回発生することです。
だから、
予約投稿ツールを入れる前に、
「この判断、毎回必要?」
と考えてみる。
決められるものは、先に決める。
繰り返すものは、型にする。
必要なものだけ自動化する。
これだけでも、SNSはかなり扱いやすくなります。
最後に
僕はWebツールやAIが好きです。
便利なものを見ると、
「これ、何に使えるかな?」
と考えます。
でも、最近はその前に、
「そもそも、何に困っているんだっけ?」
と考えるようになりました。
これはSNSでも同じです。
予約投稿ツールを使う。
使わない。
AIを使う。
使わない。
SNSを増やす。
増やさない。
どれも正解ではありません。
その事業に合っているかどうかです。
だから、
「SNSをもっと効率化したい」
と思ったときは、
いきなりツールを探さなくてもいい。
まず、
「今、何に時間がかかっている?」
と書き出してみる。
そして、
「それは、本当にやらなければいけない仕事?」
と考える。
その答えが出てから、
必要ならツールを探す。
僕は、そのくらいの順番がちょうどいいと思っています。
便利な道具を増やすことより、
迷わず仕事が進む仕組みをつくる。
Webツールは、そのために使うものだからです。
そして、ときには、
「今のやり方で十分」
という答えも、
ちゃんとした答えです。