「今お願いしているWeb業者から、別のところに変えたい」。ホームページを作ってもらったけれど更新を頼みにくい。何か聞いても返事が遅い。毎月お金を払っているけれど、何をしてもらっているのか分からない。直したいのに「これは契約外です」と言われる。Web業者を乗り換えるときに大切なのは、「どこに変えるか」より先に、「なぜ変えたいのか」を整理することです。
「不満」を「次に必要な条件」に変える
更新に時間がかかる、費用が高いと感じる、何にお金を払っているのか分からない、希望が伝わらない、連絡が取りづらい、SNSやGoogleマップまで見てもらえない、作った後の相談ができない、契約内容がよく分からない。一つひとつ意味が違います。「費用が高い」が問題なら料金体系の見直し、「連絡が取りづらい」ならサポート体制の問題、「事業に合わない」なら制作会社ではなく相談や整理までできる相手が必要なのかもしれません。また料金だけで比較するのも危険です。更新作業は別料金、ページ追加は別料金、サーバー・ドメイン費用は別、問い合わせ対応は対象外、ということがあります。逆に少し高くても必要な作業が含まれていて管理しやすくなる場合もあります。「いくらか」だけではなく「何をしてもらえるのか」で比較します。
乗り換える前に「契約」と「持ち主」を確認する
契約書や利用規約で、契約期間、解約方法、解約予告の期限、解約金、ドメインとサーバーの契約者、ホームページのデータを受け取れるか、WordPressなどの管理者権限、解約後に何が残り何が使えなくなるかを確認します。特に注意したいのは、ドメインの管理アカウントを業者しか持っていない、サーバーのログイン情報が分からない、WordPressの管理者権限がない、GoogleアナリティクスやSearch Consoleに入れない、Googleビジネスプロフィールが業者のアカウントに紐づいている、という状態です。ドメインはホームページの住所のようなもの。業者変更を理由にURLまで変更してしまうと、名刺・SNS・検索結果・印刷物の修正が必要になることがあります。乗り換えの前に「権限の整理」が必要になるケースは少なくありません。
「業者を変える」と「サイトを作り直す」は別の話
業者を変えたいからといって、必ずホームページをゼロから作り直す必要はありません。現在のサイトをそのまま使う、一部だけ修正する、WordPressを移管する、構成を見直してリニューアルする、ドメインはそのままにサイトだけ作り直す。いろいろな選択肢があります。その前に、ドメイン、サーバー、サイトデータ、画像、文章、Google関連の権限、SNSのアカウント、広告アカウント、予約システムやLINE、EC、メールなど、「何が存在していて、誰が管理しているのか」を一覧にしておくと整理しやすくなります。そして、新しい業者を探す前に「必要な仕事」を決める。欲しかったのはサイトの作り直しではなく、毎月の更新を頼める人や、Webについて相談できる人だった、ということもあります。なお、勢いで先に解約するのは避けたいところです。サイトが表示できなくなる、ドメイン移管に時間がかかる、独自ドメインのメールが止まる、データを受け取れない、といった問題が起こり得ます。「解約する日」ではなく、「何をいつまでに引き継いでから解約するか」という順番で考えましょう。
乗り換えで一番避けたいのは、前の業者との契約内容が分からないまま新しい業者と契約することです。不満を「次に必要な条件」に変えてから動く。乗り換えは「新しいホームページを作る話」ではなく、「これからのWeb環境を、自分の事業に合う形へ組み直す話」だと考えると、見え方が変わります。
