Webサイトを作る仕事をしていると、どうしても「完成」がひとつのゴールになります。デザインができた、ページができた、公開できた。「完成しました。ありがとうございました。」もちろん、そこまでやり切ることは大事です。でも僕は最近ますます、「そのあと、どうなったんだろう?」と考えるようになりました。作ることは終わりではなく、使い始めるためのスタートなのかもしれません。
公開したあとに、状況は変わっていく
Webサイトは公開した瞬間に完成します。でも、そこから時間が経つといろいろなことが変わります。新しい商品が増える、営業時間が変わる、メニューが変わる、イベントが始まる、SNSの使い方が変わる、お客さんから同じ質問を何度も受ける。最初は必要だったページがいつの間にか必要なくなることもあれば、最初はなかった情報がものすごく重要になることもあります。仕事や活動が動いている限り、Webも少しずつ変わっていくものです。最初に考えたことと今の状況が違うのは、最初の設計が失敗したからではありません。むしろ、仕事が動いたからこそ分かってきたことがある。実際によく聞かれる質問、意外と見られているページ、ほとんど使われていないページ。そういうものを見ながら、少しずつ直していけばいいのです。
「運用」は、更新作業だけではない
運用というと「毎週ブログを書きましょう」「毎日SNSを投稿しましょう」というイメージを持つ人もいると思います。もちろん、それも運用の一部です。でも僕が考えている運用は、もう少し広いものです。情報を更新する、写真を入れ替える、古くなった情報を直す、問い合わせの内容を見る、SNSとのつながりを見直す。そして「今の仕事に、今のWebがちゃんと合っているか」を見る。僕にとっては、これも運用です。作っている側は細かいところまで分かっていますが、実際に使う人には関係ありません。お客さんが知りたいことが見つかるか、お店の人が更新できるか、必要な情報が古くなっていないか、問い合わせにつながる導線が機能しているか。作った人より使う人を見るほうが大事だと思っています。
続けられる運用の形を考える
小さな事業では、Webだけを担当する人がいるわけではありません。お店をやりながら、商品を作りながら、お客さんと話しながら、発送しながら、その合間にWebを更新します。だから「毎日投稿してください」とは簡単には言えません。その人が続けられない仕組みを作っても、そのうち止まってしまいます。週に一度でも、月に一度でも、必要なときだけ更新する形でもいい。大事なのは「理想的な運用」ではなく「実際に続けられる運用」です。だから作る段階から、「この情報は誰が更新するのか」「どのくらいの頻度で変わるのか」「更新しやすい方法はどれか」「そもそも更新が必要か」と考えておきたい。これはデザインの話だけではなく、仕事の流れの話です。
まとめ
最初から全部を正解にするのは難しい。実際に使ってみないと分からないことがあります。考える、作る、使う、見る、直す。この繰り返しが大事で、これはWebだけではなくSNSでもECでもイベントでも同じです。「作って終わりにしない」と言っても、ずっと僕が管理し続けるという意味ではありません。自分でできることは自分でできる、必要なところだけ手伝ってもらう、大きな変更が必要になったら相談する。僕がずっといないと動かない仕組みではなく、その人自身が使える状態をつくる。「作ったもの」ではなく「使われ続けるもの」を考える。そのために、作ったあとも見ていきたいと思っています。
