僕が特に関わっていきたいと思っているのが、Webが苦手な人です。ただし、ここでいう「苦手」は、パソコンが使えないとかSNSができないとか、そういう単純な話ではありません。「何をしたらいいのか分からない」「どこから触ればいいのか分からない」「一度作ったけど、その後どうしたらいいのか分からない」。僕が気になっているのは、そういう状態です。
分からなくなるほうが、自然なくらい言葉が多い
Webの仕事をしていると、自分では当たり前になっている言葉があります。ドメイン、サーバー、WordPress、SSL、DNS、SEO。仕事をしている側からすると普通の言葉ですが、初めて触る人からすると「何の話ですか?」となって当然です。SNSも同じで、投稿、ストーリーズ、リール、ハッシュタグ、アルゴリズムと、どんどん機能が増えていきます。分からなくなるほうが、むしろ自然です。本業ができる人がWebまで得意とは限りません。接客が上手な人、誰よりもパンのことを知っている人、技術や経験のある職人でも、「ホームページを更新してください」と言われた瞬間に分からなくなる。本業とWebは別の専門分野だからで、それはおかしいことではありません。
「全部できるようになりましょう」ではない
Webが苦手な人に「勉強すればできますよ」と言うのは簡単です。でも、仕事をしながらすべてを勉強するのは大変ですし、Webのために時間を使いすぎて本来の仕事ができなくなったら本末転倒です。だから僕は「全部できるようにならなくてもいい」と思っています。自分でやったほうがいいこと、誰かに任せたほうがいいこと、一度だけ教えてもらえばいいこと。それぞれ違うので、まずそこを分ければいい。僕が作りたいのは「すごいWebサイト」だけではなく、「その人が使えるWeb」です。更新方法が複雑ならもっと簡単にできないか考える。投稿する内容が毎回分からなくなるなら投稿の型を作る。情報が散らばっているならまず整理する。「作る」より先に「どう使うのか」を見ることです。
分からない言葉を、そのまま使わない
仕事をするときに気をつけたいのが、Webの専門用語を分かったつもりで使わないことです。「SEO対策をしましょう」だけでは「で、何をするんですか?」となります。それなら「Googleなどで探している人に見つけてもらいやすくするために、ページの内容や構造を整えます」と話したほうが分かりやすい。まず意味が分かること。そのうえで必要なら専門的な話をする。その順番が大事だと思っています。また「教える」と「やる」も分けて考えたい。サーバーやドメインの設定のようなものは、代わりにやったほうがいい場合もあります。一方で、文章の更新や写真の入れ替えくらいなら、本人ができるようになったほうがいい場合もある。「全部僕がやります」ではなく「どこまで本人がやると楽なのか」を考えたいのです。
支援のゴールは、依存させないこと
これはかなり大事なことだと思っています。僕にずっと頼らないとWebが動かせない状態を作りたいわけではありません。むしろ逆です。自分でできるところは自分でできる、分からないところは聞ける、面倒なところは任せられる、判断に迷ったら相談できる。そんな状態がいい。「分からない」をなくす必要はなく、「分からないとき、どうすればいいか分かる」状態にできればいいのです。また、「やらなくていいことが分かる」のも支援だと思っています。「このSNSは今やらなくていいですよ」「今はホームページを作り直さなくてもいいと思います」と言えることも大事です。
まとめ
僕が作りたいのは「Webに詳しい人」ではなく、使える状態です。Webを使って仕事が伝わる、お客さんが迷わない、情報を更新できる、問い合わせが整理される、やりたいことに時間を使える。そのために必要なWebを作る。必要なら教える。必要なら代わりにやる。必要なければ、やらない。Webが得意になることがゴールではなく、Webに振り回されずに自分の仕事をちゃんと動かせること。それが僕の考える支援です。
