新しいことを始めるときは、けっこう楽しいものです。新しいSNS、新しいホームページ、ブログ、動画、新しい商品。最初は「よし、やってみよう」という気持ちがあります。ところがしばらくすると「今日は忙しいから、明日でいいか」となり、その「明日」が何日か続く。これは意志が弱いからとは限りません。単純に、続けるための仕組みができていないだけかもしれません。「続けられる仕組み」のほうが、たぶん強い。「たぶん」と付けたのは、何でも続ければいいとは思っていないからです。
「頑張れない日でも動ける仕組み」を考える
「頑張って続けましょう」という話はよく見ます。もちろん頑張ることが必要な場面もあります。ただ、ずっと頑張り続けることを前提にすると、どこかで苦しくなる。本業が忙しい日も、体調が違う日も、家のことがある日も、急な仕事が入ることもある。毎日同じ状態でいられる人なんて、たぶんそんなにいません。だから僕は「頑張れる仕組み」より「頑張れない日でも動ける仕組み」のほうが面白いと思っています。SNSで例えるなら「毎日投稿する」と決めるのは簡単です。でも毎日ネタを考え、写真を撮り、文章を書くのはなかなか大変。だったら「仕事をしていて何か伝えたいことがあったらメモする」から始めてもいい。写真を撮ったら保存しておく、お客さんから質問されたことを残しておく、今日やったことを一言だけ記録しておく。そうしておけば後から投稿にできる材料が残ります。「毎日、ゼロから投稿を作る」のとは、かなり違います。
仕組みは「自動化」だけじゃない
「仕組み」というと、AIを入れる、自動投稿する、ツールを連携する、といった大きなものを想像するかもしれません。もちろんそういう仕組みもあります。でも僕がここで言っている「仕組み」は、もっと小さなものでもいい。置き場所を決める、書く場所を一つにする、手順を決める、誰がやるか決める、いつやるか決める。それだけでも仕組みです。むしろ小さな事業では、そのくらいのほうが扱いやすいこともあります。大事なのは「毎回考えなくてもいい状態になっているか」です。「この情報はどこに置く?」「この問い合わせが来たらどうする?」「この内容はSNS?ホームページ?」「誰が更新する?」を毎回ゼロから考えていると、それだけで疲れます。あらかじめ決めておけば判断する回数が減る。これも「整理」の一つだと思っています。もう一つ、「その人の頭の中だけに置かないこと」も大事です。一人でやっているうちは自分だけ分かれば何とかなりますが、誰かに手伝ってもらうことになったとき「いつもこうしてるんだけど」だけでは伝わりません。何をするのか、どこを見るのか、何を基準に判断するのかが見える形になっていると、人に渡しやすくなります。
続けるために、最初から大きくしない
最初から完璧な仕組みを作ろうとすると、それ自体が大きな仕事になります。だからまず小さく始める。一つだけ決める、一つだけ記録する、一つだけ減らす。実際に使ってみて、面倒なら直す、合わなければやめる、必要ならあとから増やす。実際に使いながら直せる仕組みのほうがいいと思っています。ただし「続けること」自体を目的にはしません。そもそも必要ないことなら続けなくてもいいし、途中で必要なくなったならやめてもいい。仕組みを作る目的は、必要なことを無理なく続けられる状態にすることです。
何かを続けたいとき、僕は「もっと頑張れる方法」より「もっと迷わなくていい方法」を、「もっと時間を作る方法」より「時間が少なくてもできる方法」を、「もっとたくさんやる方法」より「本当に必要なことだけやる方法」を考えます。頑張る人を作るより、頑張りすぎなくても回る状態を作る。僕が考える「続けられる形」は、そういうものです。
