人との出会いって、不思議だなと思います。そのときは特別なことだと思っていなかったのに、何年か経ってから「あの人が言っていたこと、今になってわかるな」と思うことがあります。逆に、その場では納得できなかった言葉が、あとになって自分の中に残っていたりもします。僕は、そういう「あとから効いてくるもの」を大事にしています。
人から学ぶのは、教わることだけではない
誰かから直接教えてもらったこともあります。仕事のこと、考え方、人との接し方、ものの見方。先輩や仲間、仕事で出会った人たちから少しずつ受け取ってきました。
でも、人から学ぶことって、必ずしも「教えてもらうこと」だけではありません。その人がどう仕事をしているか、どう人と接しているか、何を大切にしているか。逆に、何を大切にしていないか。そういう姿を見ているだけでも、自分の考え方は変わっていきます。
昔は、影響を受けるというと「この人みたいになりたい」ことだと思っていました。今は少し違います。「こういう考え方もあるんだ」と思うこと。「僕は、これは違うと思うな」と思うこと。そのどちらも、自分をつくっていく材料になります。価値観が合わない人との出会いも、あとになって考えると、自分の中に何かを残してくれていることがあります。
話を聞くと、困りごとの正体が見えてくる
Webの仕事をしていると、最初は「ホームページをつくりたい」という相談でも、話を聞いているうちに別のことが見えてくることがあります。「ホームページがないから困っている」と思っていたけれど、実は、何を伝えたらいいのかわからない。誰に来てほしいのかわからない。サービスが増えすぎて整理できていない。そういうことだったりします。
人は、困っていることを最初から正確に言葉にできるとは限りません。だから僕は、すぐに答えを出すより、「そもそも、何に困っているんだろう?」と考えるようになりました。自分の中に答えがあるとつい先に言いたくなりますが、相手が必要としているのは、その答えではなく、頭の中を整理する時間なのかもしれません。「答える」よりも「整理する」。それを意識しています。
「人脈」より「出会い」という言葉が好き
仕事をしていると「人脈」という言葉をよく聞きます。人とのつながりは大切です。でも僕は、人を「仕事につながるかどうか」で考えたくないところがあります。その人と出会ったことで自分の考え方が少し変わった、知らなかった世界を知った、自分の弱いところや大切にしたいことに気づいた。それだけでも、十分に意味のある出会いだと思っています。
一人で考えていると、どうしても自分の視点だけになります。誰かと一緒に考えると、「そんな見方があるのか」と気づくことがある。僕は教師のように教える人というより、一緒に考える人でありたい。最終的にはその人自身が「じゃあ、これをやってみよう」と思えることのほうが大切だからです。
出会いは、その瞬間だけで終わらないことがあります。これからも人と会って、いろんな話を聞いて、自分とは違う考え方にも触れていきたい。そして僕自身も、「あのとき話してよかったな」と思ってもらえるような出会いになれたらうれしいです。
