人から言われた言葉って、不思議なものです。その場では特に気にしていなかったのに、何年か経ってから急に思い出すことがあります。「あのとき言われたのは、こういうことだったのか」と、後から意味がわかることもあります。僕には、そんな言葉がいくつかあります。
「それ、本当に必要?」
たぶん、僕の仕事の考え方にかなり影響している言葉のひとつです。何かをつくろうとするとき、「何をつくるか」から考え始めることがあります。ホームページをつくる、SNSを始める、ロゴをつくる。でも、その前に一度、「それ、本当に必要?」と考えてみる。目的が曖昧なまま「とりあえずつくる」になっているなら、一度立ち止まったほうがいい。この感覚は、今でも大切にしています。
「やることを増やす」だけが前進じゃありません。増やせば増やすほど良くなるとは限らず、やることが多すぎて本当に大切なことができなくなることもあります。だから最近は、何を始めるかだけではなく、何をやめるか、何を減らすか、何を後回しにするかも考えるようになりました。興味を持つといろいろやってみたくなるタイプだからこそ、「全部やらなくていい」「今じゃないものをいったん横に置く」という言葉も、自分自身に言い聞かせています。
「わからない」を分けてみる
僕は、「わからない」という状態を悪いことだと思わなくなりました。わからないことには、いろんな種類があります。情報が足りない、経験がない、選択肢が多すぎる、考えが整理されていない、そもそも何が問題なのかわかっていない。これを全部まとめて「わからない」と言ってしまうから、余計に動けなくなる。「何がわからないんだろう?」と分けてみるだけで、次にやることが見えてくる場合があります。
答えを急がなくていい、ということも大切にしています。問題だと思っていたものが、実は問題ではなかったり、表面に見えていることと本当に困っていることが違っていたりする。だから「答えを出すこと」より「問いを整理すること」を大切にするようになりました。
正解は一つじゃない。だから、まずやってみる
人は、ちゃんと理由があって動いています。外から見ただけではわからない事情や、大切にしているものがある。だから誰かの行動だけを見てすぐに判断せず、「なぜ、そうしているんだろう?」と考えるようにしています。
正解は一つじゃありません。人によって使える時間も、お金も、経験も、環境も、大切にしたいものも違う。全員に同じ答えが当てはまるわけがない。だから「その人にとって、今できる方法は何だろう?」と考えるほうがしっくりきます。
一方で、考えすぎるのもよくありません。準備することが目的になってしまうことがある。ある程度考えたら、小さく試す。反応を見る。違ったら変える。完璧になってから動くより、「動きながら整える」ほうが現実的なことも多いからです。
言葉は、あとから自分のものになる
誰かからもらった言葉が、そのまま自分の考えになるわけではありません。いったん聞く。自分で考える。経験する。時間を置く。必要なら自分なりに解釈し直す。そうやって、少しずつ自分の言葉になっていくのだと思います。
今の自分に残っている言葉をひとつにまとめるなら、「考えて、整理して、動く。」なのかもしれません。考えるだけでもない。勢いだけで動くのでもない。いったん整理して、今できることを見つけて、一歩動いてみる。そして、動いた結果を見て、また整える。それが、今の僕には一番しっくりきています。
