モニターアーム。机の上を片づけると、頭の中も少し片づく
おまつの道具箱
モニターアームを使っています。
こう書くと、いかにも「デスク環境を極めています」みたいに聞こえるかもしれません。
でも、僕は別にデスク環境を極めたいわけではありません。
仕事をする場所が、仕事をしやすい状態になっていてほしい。
ただ、それだけです。
モニターアームを使い始めてから、少し面白いことに気づきました。
机の上が片づくと、頭の中まで少し片づく。
もちろん、モニターアームを付けたから頭が良くなるわけではありません。
そんな魔法の道具ではない。
でも、目の前にある余計なものが減ると、「今、自分は何を見ているのか」が少しわかりやすくなる。
僕にとっては、そこがモニターアームの一番大きな価値でした。
モニターアームは「モニターを浮かせる道具」ではない
モニターアームというと、
「モニターを机に固定するもの」
という説明になると思います。
もちろん、それは正しい。
モニターの背面に取り付けて、机などに固定する。
製品によっては高さ、左右、前後、角度、回転などを調整できます。 citeturn0search5
でも、僕はもう少し違う見方をしています。
モニターアームは、
「画面の位置を、自分の仕事に合わせるための道具」
です。
ここは結構大事です。
普通のモニタースタンドだと、基本的には置いた場所がモニターの場所になります。
もちろん高さを調整できる製品もあります。
ただ、自由度には限界があります。
モニターアームなら、画面そのものを動かせる。
少し手前に出す。
少し奥に引く。
少し上げる。
少し下げる。
横にずらす。
必要なら縦にする。
この「少し」が、意外と大事なんです。
机の上から、ひとつ大きなものが消える
モニターアームにして、一番わかりやすかった変化。
それは、
モニターのスタンドがなくなったことです。
当たり前なんですけどね。
でも、これが結構大きい。
モニターの下にあった台座がなくなる。
すると、その場所にキーボードを置ける。
ノートを置ける。
資料を置ける。
iPhoneを置くこともできる。
何も置かないこともできる。
「何かを置ける」ということより、
「置かなくてもいい場所ができた」
ことのほうが、僕には大きかった。
机というのは、空いている場所があると、何かを置きたくなるんですよね。
紙を置く。
ペンを置く。
小物を置く。
ケーブルを置く。
気づけば、机の上が「一時置き場」だらけになる。
だから、物を減らすだけではなく、
「物を置かなくていい場所をつくる」
ことも整理なんだと思います。
整理は「捨てること」だけではない
これは仕事でも同じです。
情報を整理するとき、
「不要なものを削除しましょう」
という話になりがちです。
もちろん、それも必要です。
でも、本当に大切なのは、
「必要なものを、必要な場所に置く」
ことだったりします。
Webサイトでも同じです。
情報が多いからダメなのではありません。
必要な情報が、必要な場所にない。
重要な情報と、そうでもない情報が同じ強さで並んでいる。
ユーザーが次に何をすればいいのかわからない。
そうなると、サイトは急に使いにくくなる。
机の上も、Webサイトも、似ています。
「全部なくす」のではなく、
「役割ごとに場所をつくる」。
僕がモニターアームを使っていて感じるのは、まさにそれです。
画面を動かせると、仕事の仕方も少し変わる
僕の場合、Webの仕事では、
ブラウザを見る。
文章を書く。
資料を見る。
画像を見る。
管理画面を操作する。
メールやSNSを確認する。
いろいろな作業があります。
全部同じ姿勢でやる必要はありません。
なのに、画面だけはずっと同じ場所にある。
よく考えると、少し変な話です。
仕事の内容が変わるなら、
画面の位置が変わってもいい。
そう思うようになりました。
文章を読むときは少し近く。
誰かに画面を見せるときは少し横へ。
集中して作業するときは、自分の正面へ。
必要なら画面を縦にする。
モニターアームの価値は、
「動くこと」そのものではありません。
「動かしていい」と思えること。
僕は、そこが大きいと思っています。
固定されていると、人間のほうが合わせてしまう
これはWebサイトにも似ています。
一度つくったWebサイトを、
「この形で決めたから」
という理由だけで使い続けることがあります。
メニューが増えても、そのまま。
サービスが変わっても、そのまま。
お客さんが変わっても、そのまま。
事業の方向が変わっても、そのまま。
そして最後には、
「なんか使いにくいホームページになった」
となる。
でも、最初から完璧な形をつくることなんてできません。
使ってみる。
変わる。
必要なものが増える。
いらないものが減る。
そこで、また配置を変える。
僕は、モニターアームを使いながら、
「Webもこれくらい動かせたらいいのにな」
と思うことがあります。
いや、実際には動かせるんです。
ただし、そのためには最初から「変更すること」を前提に設計しておく必要があります。
「完成したら終わり」ではない
Webサイトをつくる仕事をしていると、
「完成」がゴールだと思われることがあります。
でも、僕はそう思っていません。
公開した瞬間から、
本当の運用が始まります。
情報が変わる。
商品が増える。
営業時間が変わる。
SNSを始める。
問い合わせが増える。
逆に、必要なくなるサービスもある。
だから、
「今の状態に合わせて変えられる」
ことはかなり重要です。
モニターアームが便利なのも同じ。
最初に位置を決めて終わりではありません。
仕事に合わせて動かす。
自分に合わせて調整する。
環境が変わったら、また調整する。
道具なのだから、それでいい。
だからといって、全員に必要なわけではない
ここも大事です。
モニターアームを使っているからといって、
「モニターアームは絶対おすすめです」
とは思いません。
標準スタンドで困っていないなら、それでいい。
モニターをほとんど動かさないなら、必要ないかもしれない。
机の構造によっては、取り付けに向かない場合もあります。
天板の厚さや材質、モニターの重量、VESA規格など、購入前に確認することもあります。 citeturn0search5turn0search10
便利そうだから買う。
みんな使っているから買う。
デスク環境を整えたいから、とりあえず買う。
僕は、この買い方をあまりしません。
まず、
「今、何に困っているのか」
を考える。
それから、
「その問題を、この道具が解決してくれるのか」
を考える。
道具選びは、いつもそこからです。
道具は「足す」より「整える」
最近、デスク環境について調べると、
「これを買えば快適になる」
という情報がたくさん出てきます。
モニター。
モニターアーム。
キーボード。
マウス。
デスク。
チェア。
ライト。
スタンディングデスク。
ケーブルボックス。
USBハブ。
便利なものを全部足していけば、
ものすごいデスクが完成します。
でも、
「便利なものがたくさんある」
ことと、
「仕事がしやすい」
ことは、同じではありません。
道具が増えるほど、管理するものも増えます。
設定も増える。
ケーブルも増える。
故障したときの原因も増える。
だから僕は、
「足す前に整える」
くらいがちょうどいいと思っています。
モニターアームを買った理由
僕の場合は、
「机を広く使いたかった」
「画面の位置を細かく変えたかった」
「作業内容によって画面の位置を変えたかった」
という理由がありました。
だから、モニターアームが合った。
ただ、それだけです。
別に、
「モニターアームを使っている俺、仕事ができる」
という話ではありません。
道具に肩書きをつけても仕方がない。
大事なのは、
「その道具によって、自分の仕事が少し楽になったか」
です。
机の上が片づくと、次に見えるもの
面白いことに、モニターのスタンドをなくすと、
「じゃあ、この空いた場所をどう使おうか」
と考えるようになります。
そこに何を置くか。
何も置かないか。
ノートを置くか。
キーボードを置くか。
作業によって変えるか。
すると、
「自分は普段、どういう順番で仕事をしているんだろう」
と考えるようになる。
これが、僕にとっては面白いところでした。
道具を整理すると、
自分の行動が見えてくる。
自分の行動が見えると、
無駄な動きが見えてくる。
無駄な動きが見えると、
仕事の仕組みを変えたくなる。
つまり、
道具の整理が、仕事の整理につながることがある。
Webも、机も、同じ
僕がWebサイトをつくるときに考えることがあります。
「この情報は必要ですか?」
だけではありません。
「誰が見る?」
「いつ見る?」
「その前に何を見ている?」
「見たあと、何をする?」
「その情報は、どこにあるべき?」
「あとから変わる可能性は?」
こういうことを考えていくと、
単にページを増やす仕事ではなくなります。
情報の置き場所を考える仕事になります。
机の上も同じです。
「これは必要?」
だけではなく、
「どこに置く?」
「いつ使う?」
「どのくらい動かす?」
「使わないときはどうする?」
まで考える。
整理というのは、
ものを減らすことではなく、
ものと人の関係を整えることなのかもしれません。
「浮かせる」という考え方
モニターアームを使っていると、
モニターが机から少し浮いている状態になります。
これが、なんだか象徴的だなと思います。
目の前にあるものを、
全部「机の上」に置かなくてもいい。
必要なものを、
必要な場所に配置すればいい。
情報も同じです。
全部をトップページに置かなくてもいい。
全部をSNSに書かなくてもいい。
全部を一つのページに詰め込まなくてもいい。
必要な情報を、
必要な場所へ。
必要な人へ。
必要なタイミングで。
そう考えると、Webサイトの設計も少し楽になります。
道具は、自分の仕事を映す
HHKBを使うと、
自分がどれくらい文字を打つのかがわかる。
MX Ergoを使うと、
自分がどれくらいマウスを動かしているのかがわかる。
モニターアームを使うと、
自分が画面をどう見ているのかがわかる。
道具は便利にしてくれるだけではありません。
自分の仕事の癖を見せてくれる。
だから、道具選びは結構面白い。
スペックを比較するだけではなく、
「自分は何をしている人間なのか」
が見えてくるからです。
良い道具は、存在を主張しない
僕は、道具そのものが目立つ必要はないと思っています。
すごい機能がある。
高級である。
最新である。
そんなことより、
「使っていて邪魔にならない」
「自然に手が伸びる」
「仕事の流れを止めない」
そういう道具のほうが、長く使います。
モニターアームも、
「モニターアームを使っている!」
と意識しなくなったら、たぶん成功です。
ただ画面がそこにある。
必要なら動かす。
それだけ。
道具って、本来そういうものなのかもしれません。
仕事も、Webも、ちょっと動かせるくらいがいい
完成したものを、
「これが正解です」
と固定してしまうと、
変化するたびに苦しくなります。
逆に、
「今はこれでいい」
「必要なら変えられる」
と思えると、少し楽になる。
Webサイトも。
仕事の仕組みも。
SNSの運用も。
机の上も。
人間だって、そうかもしれません。
最初から完璧な配置を決める必要はない。
使ってみて、
違ったら動かす。
邪魔なら外す。
必要なら足す。
そうやって、自分に合う場所を探していけばいい。
モニターアームを見ながら、
そんなことを考えています。
道具は、仕事をするためにある。
仕事は、道具を使うためにあるわけではない。
だから僕は、
「何を買えば仕事ができるようになるか」
よりも、
「今の仕事で、どこが邪魔になっているか」
を考えたい。
机の上にあるもの。
画面の位置。
キーボードの場所。
マウスの動き。
ケーブル。
情報。
Webサイト。
SNS。
仕事の流れ。
一つずつ見ていくと、
案外、問題は「能力」ではなく、
「配置」にあるのかもしれません。
机の上を少し片づける。
画面を少し動かす。
必要なものを、必要な場所に置く。
それだけで、
仕事が少しだけやりやすくなることがある。
モニターアームは、
僕にとってそんなことを思い出させてくれる、
かなり地味で、でも気に入っている道具です。