電動昇降デスク。立って仕事をすれば、生産性が上がるのか。

電動昇降デスク。立って仕事をすれば、生産性が上がるのか。

おまつの道具箱

電動昇降デスクを使っています。

ボタンを押すと、机が上がる。

もう一度押すと、下がる。

それだけです。

ものすごく単純な道具です。

でも、これを使うようになってから、仕事について少し考え方が変わりました。

「座って仕事をする」

ということを、当たり前だと思わなくなったんです。

もちろん、ずっと立って仕事をしたいわけではありません。

座りたいときは座る。

立ちたいときは立つ。

少し姿勢を変えたいときは変える。

僕にとって電動昇降デスクは、

「立って仕事をするための机」

というより、

「仕事の姿勢を、自分で変えられる机」

です。

ここが、結構大事だと思っています。

目次

「立って仕事をすると生産性が上がる」は、本当なのか

デスク環境の記事を見ていると、

「スタンディングデスクで生産性アップ」

という話をよく見かけます。

たしかに、座りっぱなしを避けたり、姿勢を変えたりすることには意味があります。

でも僕は、

「机を上げたら仕事ができるようになった」

とは思っていません。

机を上げただけで、文章がうまく書けるわけではない。

企画が急に思いつくわけでもない。

Webサイトの構造が突然見えるわけでもない。

まして、仕事を先延ばしする癖まで直してくれるわけではありません。

道具にそこまで期待してはいけない。

これも、おまつの道具箱で何度も考えていることです。

道具は、能力を代わりに持ってくれない

高性能なキーボードを買ったから文章が上手くなるわけではない。

高いマウスを買ったから仕事が速くなるわけでもない。

モニターを増やしたから、考える力が増えるわけでもない。

昇降デスクも同じです。

机が動くだけ。

ただ、その「動くだけ」が意外と重要だったりします。

人間は、思っている以上に環境に合わせてしまうからです。

机が動かないなら、その机に合わせる。

椅子が固定されていれば、その姿勢に合わせる。

画面がそこにあれば、そこを見る。

いつの間にか、

「自分が環境に合わせる」

ことが当たり前になる。

電動昇降デスクを使うと、

「いや、環境のほうを動かしてもいいんじゃないか」

と思えるようになります。

「固定されていること」が、正しいとは限らない

仕事には、固定したほうがいいものがあります。

ルール。

手順。

ファイル名。

データの保存場所。

請求の流れ。

Webサイトの基本構造。

毎回変わると困るものは、ちゃんと決めておいたほうがいい。

でも、

全部を固定する必要はありません。

むしろ、変えられるようにしておいたほうがいいものもある。

机の高さ。

画面の位置。

作業環境。

仕事の順番。

情報の見せ方。

サービスの内容。

Webサイトの構成。

ここを全部固定してしまうと、

環境が変わったときに苦しくなります。

「変えられる」は、安心でもある

電動昇降デスクを使っていて、意外と便利だと思うのが、

「あとから変えられる」

という安心感です。

今はこの高さ。

少し低くしたい。

やっぱり戻したい。

今日は立ってみよう。

やっぱり座ろう。

その都度、変えられる。

「最適な高さを一度決めて、それを守る」

必要がありません。

これは、仕事の仕組みを考えるときにも似ています。

最初から完璧な仕組みをつくろうとすると、なかなか動けません。

「この場合は?」

「例外が出たら?」

「将来こうなったら?」

考えれば考えるほど、複雑になる。

だったら、

「今の規模なら、まずこれで動かす」

と決める。

動かしてみる。

問題が出たら変える。

必要になったら仕組みを足す。

このくらいのほうが、現実には強かったりします。

完璧な机より、変えられる机

僕は「完璧なデスク環境」という言葉が少し苦手です。

完璧って、いつの時点の話なんだろう。

仕事が変わったら?

機材が増えたら?

部屋が変わったら?

仕事内容が変わったら?

生活リズムが変わったら?

今まで最適だったものが、急に合わなくなることがあります。

だから、

「完璧」

より、

「調整できる」

ほうが僕は好きです。

机の高さを変えられる。

モニターを動かせる。

キーボードを変えられる。

マウスを変えられる。

必要なら元に戻せる。

こういう余白があると、環境に縛られにくくなる。

Webサイトにも「余白」が必要

これはWebサイトでも同じです。

最初から、

「このページは絶対こうする」

「この文章は絶対変えない」

「このメニューは増やさない」

と決めすぎると、あとで困ります。

もちろん、設計は必要です。

何でも自由にすればいいわけではありません。

でも、

「変更する可能性」

を最初から考えておく。

これが大事です。

サービスが増える。

商品が変わる。

営業時間が変わる。

スタッフが変わる。

問い合わせ方法が変わる。

SNSを始める。

やめる。

事業そのものが変わることだってある。

Webサイトは、そういう変化を受け止める場所でもあります。

だから僕は、

「今きれいに見える」

だけではなく、

「あとから直せる」

ことも重要だと思っています。

立って仕事をするためではなく、選べるようにする

電動昇降デスクを買った理由を聞かれたら、

「立って仕事をしたかったから」

でも間違いではありません。

でも、もう少し正確に言うなら、

「姿勢を選べるようにしたかったから」

です。

座る。

立つ。

少し上げる。

少し下げる。

その日の気分や作業内容に合わせて変える。

つまり、

「選択肢を増やしたかった」

のだと思います。

これは、僕の仕事でも結構大事にしています。

お客さんに、

「こうしてください」

と一つの答えを押しつけるより、

「今の状況なら、この方法が現実的です」

「こっちにすると、こういうメリットがあります」

「ただ、こういう場合は別の方法があります」

と整理する。

選べる状態をつくる。

それも仕事の一つだと思っています。

選択肢が多ければいい、という話でもない

ただし、選択肢は多ければいいわけではありません。

これも大事です。

何でも選べる状態は、

何も決められない状態

にもなります。

「座ることもできます」

「立つこともできます」

「斜めにもできます」

「高さも自由です」

と、選択肢が100個あったら疲れます。

だから、

「必要な範囲で選べる」

くらいがちょうどいい。

昇降デスクだって、

上げる。

下げる。

基本的にはそれだけです。

操作は簡単。

でも、選択肢は増える。

このバランスがいいんです。

「自動化」と「自由」は、少し違う

電動なのも面白いところです。

手動で高さを変える机もあります。

もちろん、それでもいい。

でも、電動だと、

「ちょっと変えよう」

と思ったときに、すぐ変えられる。

ここには、

「変えるコストを下げる」

という価値があります。

これって、仕事の仕組みでもかなり重要です。

変更するのが面倒だから、そのままにする。

更新するのが面倒だから、古い情報が残る。

入力するのが面倒だから、記録しなくなる。

投稿するのが面倒だから、SNSが止まる。

こういうことは、よくあります。

人間が怠けているというより、

「変更するための手間が大きい」

場合があります。

だったら、意志を鍛えるより、

仕組みを簡単にする。

僕はこっちのほうが好きです。

「続けられる仕組み」は、派手ではない

仕事の改善というと、

新しいサービス。

新しいSNS。

新しいAI。

新しいツール。

新しい広告。

そういうものに目が向きやすい。

でも、実際には、

「毎日ちゃんと使える」

「面倒だからやめる、が起きにくい」

という小さな改善のほうが効くことがあります。

昇降デスクもそうです。

毎回大きな決断をする必要がない。

ボタンを押す。

机が動く。

それだけ。

小さな手間を減らしてくれる。

良い仕組みというのは、

こういう地味なところにあるのかもしれません。

道具は「やる気」を作るものではない

新しい道具を買うと、

最初はちょっと嬉しい。

机がきれいになる。

新しいキーボードを触る。

モニターを調整する。

机が上がる。

「よし、仕事するか」

となる。

これはあります。

でも、その効果は長く続きません。

道具による新鮮さだけで仕事を続けることはできない。

だから、

「この道具を買えばやる気が出る」

という期待は、あまりしません。

むしろ、

「やる気がなくても、仕事を始められる環境にする」

ことを考えたい。

これは大きな違いです。

仕事は「気合い」より環境に影響される

朝、机に座る。

パソコンを開く。

メールを見る。

今日やることを確認する。

資料を開く。

作業を始める。

こういう一連の流れが、

毎回同じように始められる。

それだけでも結構大きい。

「今日は頑張るぞ」

ではなく、

「いつものように始める」

にする。

仕事を続けるには、

気合いよりも、始めるまでの摩擦を減らすこと。

僕はそう考えています。

だから、机の高さより「仕事の流れ」を見る

電動昇降デスクの記事なのに、

机の高さの話があまり出てきません。

でも、それでいいと思っています。

僕が道具を見るときは、

「この製品のスペックは何か」

だけを見ていないからです。

その道具が、

「自分の仕事のどこを変えるのか」

を見る。

机が上がる。

それだけなら、ただの機能です。

でも、

「姿勢を変えられる」

「環境を変えられる」

「変更するコストを下げられる」

と考えると、

仕事の仕組みそのものにつながってくる。

道具は、使い方によって意味が変わります。

道具に仕事を合わせすぎない

これは、僕が道具選びで一番気をつけていることかもしれません。

「せっかく買ったから使わなきゃ」

と思った瞬間、

道具が目的になってしまう。

昇降デスクを買ったから、毎日立たなきゃ。

高いキーボードを買ったから、使い続けなきゃ。

モニターを買ったから、常に2画面で作業しなきゃ。

そんな必要はありません。

合わなければ変えればいい。

使わなければやめればいい。

必要なときだけ使えばいい。

道具は、人間のためにある。

この順番だけは、間違えないようにしたい。

「変えられる環境」は、変化に強い

事業も同じです。

小さな事業ほど、

「今はこれでいい」

という状態が頻繁に変わります。

昨日まで売っていなかった商品を売る。

新しいサービスを始める。

SNSを始める。

ECを始める。

店舗の営業時間を変える。

イベントに出る。

人が増える。

逆に、やめる。

そんなことは普通に起きます。

だから、

変化しないことを前提にした仕組みより、

変化しても直しやすい仕組み

のほうが、長く使える。

これはWebサイトにも言えるし、

仕事の仕組みにも言える。

そして、机にも言える。

良い道具は「逃げ道」をつくる

固定された机しかなければ、

その高さに合わせるしかありません。

でも、昇降デスクなら変えられる。

モニターの位置が合わなければ、

モニターアームで動かせる。

キーボードが合わなければ、

変えればいい。

つまり、

「今の状態が合わなくなったときの逃げ道」

がある。

僕は、これが結構好きです。

完璧な環境をつくることより、

合わなくなったときに直せる環境をつくる。

そのほうが、現実的です。

「今の最適解」は、ずっと最適とは限らない

仕事もそうです。

今、一番うまくいっている方法が、

来年も同じとは限らない。

だから、

「これが正解」

ではなく、

「今はこれが一番合っている」

くらいに考えておく。

そうすると、変えることが怖くなくなります。

変えることは、

失敗ではありません。

調整です。

机の高さを変えるのと同じです。

高すぎたら下げる。

低すぎたら上げる。

それだけ。

おまつの道具箱で考えたいこと

僕は、道具を紹介したいわけではありません。

もちろん、好きな道具について書くのは楽しい。

でも、それだけなら、

「おすすめガジェット10選」

みたいな記事で終わってしまう。

僕が書きたいのは、

「その道具を使って、自分の仕事について何を考えるようになったか」

です。

HHKBなら、慣れること。

Rhodiaなら、考えてから作ること。

機械式時計なら、効率だけでは測れない価値。

Montblancなら、言葉の重さ。

GibsonとFenderなら、正解は目的によって変わること。

Marshallなら、ブランドは積み重ねでできていくこと。

MacとWindowsなら、道具ではなく目的から考えること。

MX Ergoなら、仕事の癖が道具に表れること。

モニターアームなら、配置を変えること。

そして電動昇降デスクなら、

「固定しないこと」。

そんなふうに、

道具を入口にして、

仕事やWebや暮らしについて考えていく。

それが僕の「おまつの道具箱」です。


電動昇降デスクは、

「立って仕事をするための机」

だと思っていました。

今は少し違います。

「自分に合わせて、環境を変えられる机」

だと思っています。

座りたいなら座る。

立ちたいなら立つ。

少し変えたいなら変える。

合わなければ戻す。

たぶん、仕事もそれくらいでいい。

一度決めたから、

ずっとそのまま。

一度つくったから、

ずっと変えない。

一度始めたから、

やめてはいけない。

そんなふうに考えなくてもいい。

やってみて、

違ったら変える。

必要なら戻す。

もっと必要なら、また変える。

仕事も。

Webも。

道具も。

自分の環境も。

「変えられるようにしておく」。

それは、優柔不断なのではなく、

変化することを前提にしているということなのだと思います。

電動昇降デスクのボタンを押す。

机がゆっくり上がっていく。

それを見ながら、

「まあ、今日は立ってみるか」

くらいでいい。

仕事って、

案外そのくらいの余白があったほうが、

長く続くのかもしれません。

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