情報を探す道具と、情報を整理する道具は違う
仕事をしていると、情報が増えていきます。
メール。
SNS。
ホームページ。
Google検索。
PDF。
写真。
チャット。
メモ。
Excelやスプレッドシート。
クラウドストレージ。
そして、AI。
便利な道具が増えたことで、情報を扱う方法も増えました。
昔なら、紙のファイルを一冊にまとめておけばよかったものが、今ではいろいろな場所に情報が散らばっています。
「どこに書いたっけ?」
「この情報、どこから持ってきたんだっけ?」
「最新版はどれだっけ?」
「前にAIに聞いた気がするけど、どこだっけ?」
こういうことが起きます。
情報を扱うための道具は増えた。
でも、
情報が整理されているとは限らない。
ここが、少し面白いところです。
情報があることと、情報が見つかることは違う
例えば、会社の情報が全部そろっていたとします。
会社概要。
サービス内容。
料金。
実績。
写真。
代表者プロフィール。
SNS。
お問い合わせ先。
必要な情報は、ちゃんとあります。
でも、
会社概要はホームページ。
料金はPDF。
実績はInstagram。
代表者プロフィールはFacebook。
写真はGoogleドライブ。
問い合わせはLINE。
となっていたらどうでしょう。
情報はあります。
でも、探す人は大変です。
これは「情報がない」のではありません。
「情報の住所が決まっていない」という問題です。
情報にも「住所」が必要
僕はWebサイトを整理するとき、
「この情報はどこに置くのか」
をかなり大事にします。
例えば、
会社として正式に伝えたい情報はホームページ。
日々の活動はSNS。
お客様との個別のやり取りはメールやLINE。
資料として渡すものはPDF。
社内で管理するものはクラウドやスプレッドシート。
こうやって役割を決める。
すると、情報を探しやすくなります。
全部をホームページに載せればいいわけでもない。
全部をSNSに載せればいいわけでもない。
全部をAIに覚えさせればいいわけでもない。
それぞれに「住所」を作る。
これは、情報整理の基本だと思っています。
「検索」は、住所を探す道具
Google検索は、情報を探す道具です。
例えば、
「旭川 Web制作」
「〇〇市 補助金」
「〇〇の商品 使い方」
などと検索する。
すると、いろいろな情報が出てきます。
これは、
「情報の場所を探す」
仕事です。
検索結果からページを開いて、
「ここにあった」
と見つける。
つまり、検索は「探す」ための道具です。
AIは、情報を整理する道具としても使える
一方、AIは、
「この情報を整理して」
という仕事が得意です。
例えば、会議のメモを渡して、
「決定事項と、まだ決まっていないことを分けて」
と頼む。
大量の文章を渡して、
「共通している内容を整理して」
と頼む。
複数の候補について、
「違いを表にして」
と頼む。
こういう仕事では、AIがかなり役に立ちます。
ただし、ここでも大切なのは、
「AIに整理させれば、それで情報管理ができる」
わけではないということです。
整理した情報を、
「どこに置くのか」
まで決めなければ、また散らばります。
「AIに聞けばわかる」は、少し危ない
AIが便利になると、
「わからなければAIに聞けばいい」
と思うようになります。
僕もそうします。
でも、会社や事業の情報については、少し注意が必要です。
例えば、
「この商品の価格はいくらだっけ?」
とAIに聞く。
AIが答える。
でも、その価格は去年のものかもしれない。
あるいは、そもそもAIが覚えている情報ではないかもしれない。
だから、
「AIが知っている」
ことと、
「最新の公式情報がそこにある」
ことは別です。
AIは便利な窓口にはなります。
でも、正式な情報の保管場所までAIに任せる必要はありません。
「正しい情報」が一つに決まっていることが大切
小さな事業でも、
「最新版はこれ」
という情報を決めておくと、かなり楽になります。
例えば料金表。
料金が変わったら、
ホームページ。
PDF。
SNS。
ショップ。
スタッフが使っている資料。
全部を直さなければならない。
これでは更新漏れが起きやすい。
だから、
「料金の正式な情報はここ」
と決める。
他の場所では、そこへ誘導する。
これだけでも管理がかなり楽になります。
情報を増やすより、
「正しい情報の場所を決める」
ほうが大切な場合があります。
SNSは「保管庫」ではない
SNSはとても便利です。
写真を載せられる。
活動を知らせられる。
お客様と会話できる。
日々の出来事を伝えられる。
でも、SNSを情報の保管庫として使うと、少し困ることがあります。
去年の投稿を探すのは大変です。
料金変更も、過去投稿までは直せません。
営業時間が変わっても、古い投稿は残ります。
つまりSNSは、
「流れていく情報」
に向いています。
一方、ホームページは、
「あとから確認する情報」
を置く場所として使いやすい。
この違いを意識するだけでも、Webの整理はかなり変わります。
ホームページは「情報の基地」にする
僕はホームページを、
「会社や事業の情報の基地」
として考えることがあります。
全部をホームページに入れるという意味ではありません。
正式な情報が、ここを見れば確認できる。
その状態を作る。
SNSで興味を持ってもらう。
検索から見つけてもらう。
AIで知ってもらう。
でも、詳しい情報を確認するときは公式サイトへ行く。
そんな流れです。
SNSが入口になることもある。
検索が入口になることもある。
AIが入口になることもある。
でも、
「正式な情報はここ」
という場所がある。
これは、これからさらに重要になると思っています。
情報の整理は「片づけ」と少し似ている
部屋を片づけるとき、
「物を捨てる」
だけが片づけではありません。
どこに置くかを決める。
よく使うものを取りやすくする。
使わないものをしまう。
同じ種類のものをまとめる。
誰でもわかる場所に置く。
情報整理も、かなり似ています。
情報を削る。
まとめる。
名前をつける。
場所を決める。
順番を決める。
必要な人が見つけられるようにする。
これが情報整理です。
だから僕は、Webサイトを作る仕事も、
「ページを作る仕事」
だけではないと思っています。
情報が増えるほど「減らす」が重要になる
WebやAIを使っていると、情報はどんどん増えます。
記事も作れる。
画像も作れる。
SNSも投稿できる。
資料も作れる。
ページも増やせる。
でも、
「増やした情報を誰が管理するのか」
という問題があります。
情報が100個あると、
100個分の管理が必要になります。
更新。
確認。
修正。
削除。
リンクの確認。
情報の整合性。
古くなった情報の処理。
だから、
「作れるから作る」
ではなく、
「必要だから作る」
という判断が大事になります。
これはAI時代には特に重要だと思います。
「情報の入口」と「情報の保管場所」を分ける
ここも、かなり重要です。
SNSは入口。
検索も入口。
広告も入口。
AIも入口になり得る。
でも、そこから先に、
「確認できる場所」
が必要になる。
例えば、
SNSで商品を知る。
↓
ホームページを見る。
↓
商品情報を確認する。
↓
ショップを見る。
↓
購入する。
こういう流れです。
すべての情報をSNSだけで完結させようとしなくてもいい。
それぞれの役割を決めればいい。
AI時代には「情報の構造」がさらに重要になる
AIは大量の情報を扱えます。
だからこそ、
「どの情報が重要なのか」
が曖昧なままだと、人間だけでなくAIにとっても扱いにくい。
例えば会社について、
会社名がページごとに違う。
サービス名が毎回違う。
住所が古い。
料金が場所によって違う。
代表者の表記がバラバラ。
こうなると、情報を受け取る側は混乱します。
人間でも混乱する。
AIでも整理しにくい。
だから、Webの情報を整えるということは、
「検索順位を上げるため」
だけではありません。
「この事業は何者なのかを、どこを見ても同じように理解できる状態にする」
ということでもあります。
「情報を整理する人」が必要になる
AIによって文章を作ることが簡単になりました。
検索も簡単になりました。
画像も作れます。
資料も作れます。
だからこそ、これからは、
「何を作るか」
よりも、
「何を整理するか」
が重要になる場面が増えると思います。
情報が多い。
でも、どれが正式かわからない。
ページはある。
でも、何を見ればいいかわからない。
SNSは更新している。
でも、事業内容が伝わらない。
AIも使っている。
でも、何に使っているのかわからない。
こういう状態では、道具が足りないのではありません。
構造が整理されていない。
そんな場合があります。
情報を探す前に、情報の置き場所を決める
僕が小さな事業のWebを整理するとしたら、最初に考えるのは、
「どんなページを作りましょうか?」
ではないかもしれません。
まず、
「どんな情報がありますか?」
と聞きます。
次に、
「その情報は今、どこにありますか?」
と考える。
そして、
「誰が、その情報を使いますか?」
を見る。
お客様なのか。
自分なのか。
スタッフなのか。
取引先なのか。
検索する人なのか。
AIなのか。
目的によって、置き場所が変わります。
その上で、
「じゃあ、何が足りない?」
と考える。
この順番なら、必要以上にWebサイトを大きくしなくても済みます。
情報は「持っている」だけでは役に立たない
これは、個人の仕事でも同じです。
知識がある。
経験がある。
写真がある。
資料がある。
実績がある。
お客様の声がある。
でも、それが自分のパソコンの中に眠っているだけなら、他の人には見えません。
逆に、情報を整理して、
「必要な人が、必要なときに見つけられる」
状態にすれば、価値が生まれます。
情報そのものより、
「使える状態にすること」
が大切なのです。
道具を増やす前に、情報の住所を決める
新しいツールを探す前に、
「今の情報は、どこにある?」
と考えてみる。
Googleドライブなのか。
Notionなのか。
WordPressなのか。
スプレッドシートなのか。
紙なのか。
メールなのか。
SNSなのか。
そして、
「本当は、どこにあるべき?」
と考えてみる。
ここが整理されると、
「新しいツールが必要だ」
と思っていた問題が、
「今あるツールの使い方を変えればいい」
ということもあります。
逆に、
「これはもう今の仕組みでは無理だ」
とわかることもあります。
どちらでもいい。
大事なのは、道具を増やすことではありません。
情報を扱いやすくすることです。
情報を探す道具と、情報を整理する道具
Google検索。
AI。
SNS。
Webサイト。
クラウド。
メモ。
それぞれ、得意なことが違います。
情報を探す。
情報を読む。
情報を整理する。
情報を保存する。
情報を公開する。
情報を伝える。
情報を管理する。
全部を一つの道具にやらせなくていい。
むしろ、
「この道具は、何の役割?」
と決めてしまったほうが、仕事はシンプルになります。
情報が増えた今だからこそ
僕は、AI時代になって、
「情報を集める力」
だけでは足りなくなったと感じています。
情報を選ぶ。
情報を整理する。
情報の住所を決める。
古い情報を捨てる。
正式な情報を決める。
そして、
「今、必要な情報は何か」
を判断する。
これが大事になっている。
情報が少なかった時代は、
「もっと情報が欲しい」
と思いました。
今は逆に、
「これ以上増やさなくてもいいから、今あるものを整理したい」
という場面が増えています。
だから、僕はWebの仕事でも、
「新しいものを作る」
だけではなく、
「今あるものを整理する」
ことを大切にしています。
情報を探す道具は、たくさんあります。
でも、その情報をどこに置くのか。
何を正式な情報にするのか。
誰が使うのか。
いつ更新するのか。
そこを決めるのは、道具ではありません。
最後に決めるのは、人です。
便利な道具を増やす前に、
「この情報は、どこにあれば一番困らないだろう?」
と考えてみる。
それだけでも、Webも仕事も、少しずつ整理されていきます。