ブランド・エクイティとは?小さな事業にも積み上がる「ブランドの見えない価値」

SI — Structural Intelligence

同じような商品が並び、価格も機能も大差がない。それなのに「こっちがいい」と思う。そんな経験はないでしょうか。その理由の一つが、ブランドに積み重なった「見えない価値」です。

目次

ブランド・エクイティとは何か

ブランド・エクイティとは、「ブランドという名前や存在に、どれだけ価値が蓄積されているか」を考える概念です。英語のequityには資産や価値という意味があり、ブランドを単なる名前ではなく、時間をかけて積み上がる資産として見る考え方です。

初めて聞く店の名前と、何度も利用して「ここなら大丈夫」と思っている店の名前では、同じ商品を売っていても受け取り方が違います。その違いの中には、過去の経験、認知、信頼、イメージが含まれています。商品そのもの以外の情報が、選択に影響しているのです。

価値を生む4つの要素

ブランド・エクイティは、いくつかの要素に分けて考えられます。

1つ目はブランド認知。「知っているかどうか」です。存在を知られなければ選択肢に入りにくく、必要な場面で名前を思い出してもらえるようになると、存在感は高まります。

2つ目はブランド連想。名前を聞いたときに「丁寧」「親しみやすい」「専門的」など、何を思い浮かべるかです。ここでは、自分たちがどう思っているかと、お客さんがどう感じているかは同じとは限りません。

3つ目は知覚される品質。Webサイトに「高品質」と書くことは簡単ですが、お客さんが実際に使ってそう感じなければ、その言葉は積み上がりません。体験の中で「ここは丁寧だな」と思ってもらえることが、価値になっていきます。

4つ目はブランド・ロイヤルティ。「またここで買おう」「人に紹介したい」という、継続して選びたいと思う状態です。過去のお客さんがもう一度選んでくれる、誰かに話してくれる。その積み重ねがブランドの力になります。

小さな事業にも、ブランドの資産はある

ブランド・エクイティは大企業の話だけではありません。「あのパン屋さんなら安心」「あの人が作ったものなら買ってみたい」という感覚が、地域の小さなお店にもあります。これは広告だけで一日で作れるものではなく、商品、接客、Webサイト、SNS、口コミ、一度一度の購入が少しずつ積み重なった結果です。

なお、「有名になること」と「ブランドが強くなること」は同じではありません。名前を知っていても何の印象もなければ選択につながりませんし、逆に地域では知られていなくても、特定のお客さんから強く信頼されている店もあります。どれだけ知られているかだけでなく、何を感じてもらっているかを見る必要があります。

また、積み上げるのに時間がかかる一方で、掲げた価値と実際の活動にズレがあると、信頼や印象は少しずつ崩れていきます。「丁寧」を掲げて対応が雑、「分かりやすさ」を掲げて説明が難しい。こうしたズレをなくすことも、ブランドづくりの一部です。

まとめ

ブランド・エクイティは、売上や価格だけでは測れません。「知っている人が増えた」「また選んでくれる人が増えた」「紹介してくれる人が増えた」という変化も、積み上がる価値です。小さな事業なら、まず名前を覚えてもらう、何をしているか分かってもらう、実際の体験で期待を裏切らないところから。投稿を増やす前に、「この投稿を見た人の中に、何が積み上がるのか」と考えてみると、SNSの役割も少し変わって見えてきます。

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