どうすれば、もっとお客様に来てもらえるのか。一度来てくれた人に、また来てもらえるのか。同じ場所なのに、時期が変わると行きたくなる。以前に訪れたことがあるのに、また行きたくなる。そんな場所は何をしているのでしょうか。東京ディズニーランドの「ディズニー・ハロウィーン」をきっかけに、小さなお店が取り入れられる企画づくりと情報発信を考えます。
ディズニー・ハロウィーンが用意しているもの
東京ディズニーランドでは、2026年9月16日から10月31日まで、スペシャルイベント「ディズニー・ハロウィーン」が開催されています。今年はディズニーの悪役「ディズニー・ヴィランズ」が主役となり、パーク内の演出だけでなく、スペシャルグッズやメニューなども用意され、ハロウィーンの世界観をさまざまな形で楽しめます(出典:東京ディズニーリゾート公式サイト)。
ディズニーの強みは、アトラクションがあることだけではありません。物語、キャラクター、音楽、空間、商品、食事がつながることで、過ごす時間全体に一つの世界観が生まれています。そして季節のイベントによって、その世界観に新しい楽しみ方が加わります。
「商品がある」だけでは、また来る理由にならない
近所のお気に入りのカフェを思い浮かべてみてください。コーヒーがおいしい、居心地がいい、店員さんの感じがいい。それだけでも十分に魅力的です。では、何度も足を運ぶ理由は何でしょうか。いつものコーヒーを飲みたい、新しいメニューが気になる、季節ごとの雰囲気を楽しみたい。理由は人それぞれですが、大切なのは、再び訪れる理由は商品そのものだけで決まるわけではないということです。一度来てもらうことと、また来てもらうことは別の課題です。季節イベントは、いつもの場所に期間限定の楽しみを加える方法の一つといえます。
季節企画は、大きなイベントでなくてもいい
「季節の企画」と聞くと、特別な商品を大量につくったり、大きなイベントを開催したりするイメージがあるかもしれません。でも小さなお店なら、もっと小さく始められます。パン屋さんなら秋の食材を使った期間限定商品を一つ、雑貨店なら季節の贈り物におすすめの商品をまとめて紹介、ハンドメイド作家なら冬の暮らしに合う作品の使い方を提案、カフェなら店内の飾りや写真を撮りたくなる小さな場所を工夫する。大切なのは企画の大きさではなく、お客様にとって「いつもと少し違う楽しみ」があるかどうかです。ただし、季節の行事に無理やり商品を結びつけないこと。お店らしさを保ちながら、季節に合わせて楽しみ方を提案する。そのくらいの考え方から始めるのがよさそうです。
告知は「前・直前・最中・後」で組み立てる
季節企画を用意したら、次は告知です。よくあるのが「イベントを開催します」というお知らせだけで終わってしまうこと。開催日や販売期間は必要ですが、それだけでは「自分に関係のある企画だ」と感じてもらえない場合があります。
そこで、企画の前には「なぜ企画をするのか、どんな楽しみ方ができるのか」、直前には「日時、場所、参加方法など行動に必要な情報」、最中には「商品の様子や会場の雰囲気」、後には「参加への感謝と、次の販売予定や次回の企画につながる情報」。一つひとつの投稿を独立したものとして考えるのではなく、全体の流れの中で役割を持たせるのです。なお、投稿を増やすことが必ず成果につながるわけではありません。限られた時間で運営する小さなお店だからこそ、必要な情報を必要なタイミングで届けることを意識したいところです。
毎回、新しいものをつくる必要はない
季節ごとに企画を考え、SNSで発信し、ホームページを更新する。これを毎回ゼロから考えていたら、かなり大変です。そこで、企画の目的、対象のお客様、内容、開催期間、伝える場所、次の行動、振り返りといった「基本の型」を用意しておく方法があります。型があれば、季節が変わるたびに考えるのは主に企画の中身です。実施したあとに振り返れば、次の企画に経験を生かせます。一度きりの企画を、次に使える経験に変える。これは小さな事業を継続していくうえで大切な考え方です。
「また来てほしい」なら、次に来る理由を考えること。新商品や季節の提案など次の楽しみがあるか、その情報をどこで知るのか、お客様にとって負担がないか。新しい商品をつくる前に、今ある商品の魅力を見直す。投稿数を増やす前に、誰に何を伝えたいのかを整理する。あなたのお店には、次に訪れたくなる理由がありますか。
