Instagramに写真を投稿する。ホームページに商品を掲載する。イベントに出店して商品を並べる。そこまでは頑張っている。でも、その先はどうでしょう。興味を持った人が詳しく調べてくれる、お店に来てくれる、商品を買ってくれる、誰かに紹介してくれる。そこまでの道筋は用意できているでしょうか。美瑛町で開催中の「美瑛街頭画廊」をきっかけに、小さな事業の情報発信と、人が動きたくなる仕掛けについて考えます。
作品を見る行動に、次の行動を組み込む
美瑛町では、2026年9月28日から10月28日まで「美瑛街頭画廊」が開催されています。美瑛町を題材にした写真作品を、5名の写真家による全19作品で楽しめる企画です。展示場所は美瑛駅前や美瑛町本通り沿いの協力店舗など。作品のタイトル横にある二次元コードを読み取ると、作品の紹介と「合言葉の1文字」が表示されます。19作品を巡り、マップの作品番号順に文字を並べて合言葉を完成させると、抽選で景品がもらえる仕組みです(出典:美瑛町公式サイト)。
注目したいのは、写真を展示していることだけではありません。二次元コードを読み取る、別の作品を探す、文字を集める、合言葉を完成させるという行動が組み込まれていること。見る人が自分から参加したくなる仕掛けがあります。
「発信した」と「行動してもらえた」は違う
ホームページを作った、SNSを始めた、新商品を紹介した、イベントに出店した。どれも事業を知ってもらうための大切な活動です。ただし、「発信した」と「伝わった」は同じではなく、「伝わった」と「行動してもらえた」も同じではありません。パン屋さんがSNSで新商品の写真を投稿しても、見た人が「どこで買えるの?」「いつまで販売しているの?」「予約できるの?」と疑問を持ったままでは、購入につながる機会を逃してしまうかもしれません。投稿の内容だけでなく、その先にある行動まで考える必要があります。もちろん、この企画の実際の集客効果や経済効果が公表情報だけで分かるわけではありませんが、情報を受け取った人に何をしてもらいたいのかを考えるうえで参考になる設計です。
二次元コードは、置くだけでは意味がない
今回の企画では作品のそばに二次元コードが設置されています。ただ、設置すれば必ず読み取ってもらえるわけではありません。何が見られるのか分からない、読み取る理由がない、先に何があるのか想像できない。そんな状態では利用されにくくなります。二次元コードはあくまで入口です。その先に、知りたい情報や楽しめる体験、予約や購入につながる案内があって初めて役割を果たします。
商品を紹介するPOPなら商品ページへ、予約を促す案内なら予約ページへ、イベント出店なら出店情報や販売商品をまとめたページへ。目的に合わせて入口と行き先をつなぐことも情報整理の一つです。「このQRコードを読み取ると何が分かるのか」「見た人に次に何をしてほしいのか」。この2つを読み取る前から分かるようにしておきましょう。
SNSを頑張る前に、整理しておきたい5つのこと
「SNSをもっと頑張らなければ」「ホームページを作り直したほうがいいのかな」「広告を出したら見てもらえるだろうか」。そう考える前に、次の5つを整理してみましょう。①誰に届けたいのか。②何を知ってほしいのか。③どこで伝えるのか(SNS、ホームページ、店頭POP、イベント、ショップカード。それぞれの役割を考える)。④見た人に何をしてほしいのか(来店、予約、購入、問い合わせ、保存、紹介)。⑤その後、どうつながるのか。
この5つが曖昧なまま発信を増やしても、作業だけが増えてしまうことがあります。逆に、目的と流れが整理されていれば、今あるSNSやホームページを活用するだけでも改善できる部分が見つかるかもしれません。情報発信は投稿数だけで考えないこと。投稿を見てもらう、興味を持ってもらう、必要な情報が見つかる、購入や予約の方法が分かる、利用したあとも必要な情報にアクセスできる。こうした流れがつながっているかどうかが大切です。手段を増やす前に、誰に何を伝え、どんな行動につなげたいのかを考える。まずは今ある発信の「その先」を見直してみるのもよさそうです。
