仕事の話ばかりしていると、「この人、仕事しかしてないのかな?」と思われるかもしれません。そんなことはありません。むしろ僕は、仕事とは関係なさそうなものを眺めたり、気になったことを調べたり、音楽を聴いたりしている時間がけっこう好きです。そして不思議なことに、そういう「仕事とは関係なさそうなもの」が、実は今の仕事にもつながっています。
ギターと、プログレッシブ・ロック
まず、ギター。これはかなり長い付き合いです。ギターそのものが好きで、音楽を聴くのも好きですが、ギターという「もの」を見るのも好き。形、木、塗装、パーツ、ピックアップ。細かいところまで見てしまいます。Gibsonも好き、Fenderも好き、Marshallも好き。ギターとアンプの組み合わせを考えるのも好きです。楽器を選ぶ、眺める、触る、調整する、音を想像する。そういう時間も含めて、僕にとっては音楽です。
プログレッシブ・ロックも好きです。曲が長かったり、変拍子が出てきたり、一回聴いただけでは「よくわからない」こともある。でも、何度も聴いているうちに「あ、ここがこうつながっているのか」とわかってくる。最初はバラバラに見えるものが、少しずつつながっていく。これって、仕事にも少し似ている気がします。僕が「整理すること」が好きなのも、もしかしたらこういうところから来ているのかもしれません。
時計と文房具に惹かれる理由
時計も好きです。特に、長く使われてきたものに惹かれます。時計は単純に時間を見る道具ではありません。小さな部品がたくさん組み合わさって、一つのものとして動いている。機械としての美しさがあります。昔、時計の仕事に関わっていたこともあるので、ブランドだけではなく、なぜこういう形になったのか、どういう思想でつくられているのかまで気になります。「いいもの」って、単純に高価なものとは違う。長く使いたくなる理由があるものに惹かれます。
文房具は、かなり危険です。「ちょっと見るだけ」のつもりが、気がついたら調べています。万年筆、ボールペン、ノート、紙、インク。文房具って、ものすごく小さな違いがあります。書き心地、重さ、バランス、紙との相性。その違いが、使う人の気分まで変えることがある。MontblancのMeisterstück、PelikanのSouverän、Rhodia、Mnemosyne。こういうものを眺めていると、「道具って面白いな」と思います。
僕は「道具」が好きなんだと思う
考えてみると、僕は「道具」が好きなんだと思います。ギターも道具。時計も道具。文房具も道具。パソコンも道具。Webサービスも道具。道具って、それ自体が目的ではありません。何かをするために使うものです。だから「何を持っているか」より「何のために使うか」のほうが大切。高価な道具だから仕事ができるわけではないし、最新のツールを入れたから仕事が楽になるとも限らない。その人に合ったものを、その人に合った使い方で使う。それが一番大事なんじゃないかと思っています。
パソコンやWebの道具も好きですが、「最新だから買う」というタイプではありません。毎日使うものだからこそ、キーボードの感触、マウスの動き、画面の高さ、照明といった、ちょっとした使い勝手が大事です。ほんの少し変えるだけで集中しやすくなったり、疲れにくくなったりする。こういう「小さな改善」が好きです。
デザインについても、「見た目がカッコいい」だけのものにはあまり興味がありません。本当に面白いのは、「なぜ、この形なんだろう」「なぜ、これだけシンプルなんだろう」と思わせるもの。見た目の裏側に、ちゃんと理由がある。そういうデザインが好きです。
こうして並べてみると、バラバラに見えます。でも僕の中では、たぶん全部つながっています。「つくり手の考えが見えるもの」「使う人のことを考えてつくられたもの」「長く使うほど好きになっていくもの」。だから商品やWebサイトを見るときも、つい「これって、どうしてこうなっているんだろう?」と考えてしまいます。もちろん、全部を仕事につなげたいわけではありません。好きなものは、好きだから好き。それでいいと思っています。
