「自分らしい発信をしたい」
「他の人と違うことをしたい」
そう考えて、最初からオリジナルの方法を探してしまうことがあります。
SNSの投稿も、
ホームページも、
サービスのつくり方も、
仕事の進め方も、
「自分にしかできないものを作らなければ」
と思ってしまう。
でも、最初から完全なオリジナルをつくる必要はありません。
むしろ最初は、
「うまくいっている型を使ってみる」
くらいでいい。
今回は、「マネすること」と「自分らしさ」について考えてみます。
「マネする=パクリ」ではない
「マネする」という言葉には、少し悪いイメージがあります。
誰かの文章をそのままコピーする。
デザインをそのまま真似る。
人のアイデアを自分のものとして使う。
これはもちろん別の話です。
ここでいう「マネ」は、
「考え方や構造を学んで、自分の状況に合わせて使ってみる」
という意味です。
例えば、
・プロフィールには何を書くのか
・サービスページはどんな順番にするのか
・商品の説明には何が必要なのか
・問い合わせまでどうつなげるのか
・SNSではどんな情報を出すのか
こうした「型」を知る。
それを使ってみる。
そして、
「自分の場合は、ここを変えたほうがいいな」
と気づいていく。
その繰り返しです。
最初から「自分らしさ」はわからない
自分らしさというものは、
「考えれば見つかるもの」
だと思われがちです。
でも、実際には、
「やってみた結果、後から見えてくるもの」
もかなり多いと思います。
最初は誰かのやり方を参考にする。
やってみる。
ちょっと違和感がある。
ここは自分には合わない。
これは意外と好きだ。
こうした経験が積み重なって、
「自分はこういうやり方が好きなんだ」
とわかってくる。
つまり、
型 → 実践 → 違和感 → 修正 → 自分の型
という流れです。
「オリジナル」を急ぎすぎると、動けなくなる
特に小さな事業を始めたばかりの頃は、
「他とは違うことをしなければ」
と考えすぎてしまうことがあります。
でも、まだ十分な経験がない段階で、
「誰もやっていない方法」
を考えるのは簡単ではありません。
そして、
「まだ自分らしい方法が見つからない」
という理由で、何も始められなくなる。
これはもったいない。
まずは、
「一般的にはこうする」
という型を知る。
そこから始めればいい。
型には「失敗を減らす」という役割がある
例えばWebサイトを作るとき、
トップページ
↓
サービス
↓
事例
↓
プロフィール
↓
問い合わせ
という構造があります。
もちろん、すべての事業にこれが正解というわけではありません。
でも、こうした基本的な型には、
「訪問者が迷いにくい」
という積み重ねがあります。
ゼロから全部を考えるより、
まず基本形を使ってみる。
そのうえで、
「この事業にはこのページはいらない」
「この情報をもっと前に出したい」
「問い合わせより予約が重要だ」
と調整する。
型を知っているからこそ、型を変える理由も説明できます。
デザインも同じ
デザインでも、
「なぜここにこの文字があるのか」
「なぜこの余白なのか」
「なぜこの色なのか」
「なぜこの順番なのか」
という理由があります。
最初から全部を自由にすると、
「なんとなく好き」
だけで決めてしまうことがあります。
それでもいい場合はあります。
でも仕事としてデザインするなら、
「なぜそうしたのか」
を考えられるほうが強い。
そして、その理由を理解したうえで、
「今回はあえて変える」
という判断ができる。
これは「型にはまる」のとは少し違います。
マーケティングにも型がある
マーケティングにも、
誰に
↓
何を
↓
なぜ
↓
どう伝えて
↓
どう行動してもらうか
という基本的な考え方があります。
これを知っていれば、
「SNSを毎日投稿しなければ」
という発想だけではなく、
「そもそも誰に何を伝えるための投稿なのか」
と考えられるようになります。
型は、自由を奪うものではありません。
むしろ、
「何を考えればいいのか」
を教えてくれる道具でもあります。
「自分らしさ」は、細部に出る
同じ型を使っても、
全部が同じになるわけではありません。
文章の言葉遣い。
写真。
扱うテーマ。
商品の選び方。
お客様との接し方。
説明の仕方。
仕事に対する考え方。
そういう細かいところに、その人らしさが出ます。
例えば、
「ホームページを作る」
という仕事自体は珍しくありません。
でも、
「ホームページを作る前に、情報を整理する」
という考え方を持っている。
さらに、
「作って終わりではなく、更新し続けられる状態にする」
ことを重視する。
そうすると、同じWeb制作でも仕事の形が変わってきます。
「型+経験」で仕事は変わる
型だけでは、どこかで限界があります。
なぜなら、型はあくまで一般的な考え方だからです。
そこで必要になるのが、
「自分が実際に見てきたもの」
です。
お客様との会話。
現場で起きたこと。
失敗したこと。
うまくいったこと。
想定外だったこと。
こうした経験を型に重ねていく。
すると、
「このケースでは、一般的な方法よりこちらのほうが合う」
という判断ができるようになります。
これが経験の価値だと思います。
AI時代だからこそ「型を使う力」が重要になる
2026年の今は、AIを使えば、
文章をつくる。
アイデアを出す。
画像をつくる。
情報を整理する。
といったことが以前より簡単になりました。
でも、
「何をつくらせるか」
を考えなければなりません。
そのときに役立つのが「型」です。
例えば、
「このサービスのターゲットを整理する」
「Webサイトの導線を考える」
「商品ページの情報を整理する」
という型を知っていれば、AIにも適切な仕事を頼みやすくなります。
AIが何でもやってくれるというより、
「人間が考えるための型を持っている」
ことが重要になってくる。
「マネしてみる」は、観察することでもある
誰かの仕事を参考にするとき、
「何をマネしよう?」
だけを見るのではなく、
「なぜ、こうしているんだろう?」
を見る。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、この言葉なのか。
なぜ、この写真なのか。
なぜ、このサービスを組み合わせているのか。
そうやって見ていくと、
表面的なデザインではなく、
その奥にある考え方が見えてきます。
これは、かなり面白い。
そして、そこまで見て初めて、
「自分ならどうする?」
という問いが生まれます。
「マネする」は、自分で考えないことではない
ここは、誤解しないようにしたいところです。
型を使う。
人のやり方を参考にする。
AIを使う。
テンプレートを使う。
これらは、
「考えない」
こととは違います。
むしろ、
「考えるべきところに集中する」
ための方法です。
毎回ゼロから資料をつくる必要がなければ、
「今回、本当に大切なのは何か」
に時間を使える。
毎回ゼロからWebサイトの構造を考えなくてよければ、
「この事業では、何を変えるべきか」
に集中できる。
型は、思考を省略するためではなく、
思考を深くするためにも使えます。
まずやってみる。そのあとで変える
僕は、
「最初から完璧な方法を考える」
より、
「まず型を使って動いてみる」
ほうがいいと思っています。
やってみる。
違ったら変える。
反応を見る。
また変える。
その繰り返しで、
「自分に合う形」
が少しずつ見えてくる。
だから、
「まだ自分らしい方法がわからない」
ことを、始めない理由にしなくてもいい。
最初は借り物でもいい。
誰かの方法を参考にしてもいい。
テンプレートを使ってもいい。
AIを使ってもいい。
ただし、
「なぜそうするのか」
だけは、自分で考える。
そして、経験を重ねながら、
少しずつ自分の型にしていく。
それでいいのだと思います。
自分らしさは「つくる」より「残る」
最後に、最近僕が思うことがあります。
自分らしさを、
「何か特別なものをつくらなければならない」
と考えると、かなり苦しくなります。
でも、
「自分が何度も選んできたもの」
を見てみる。
何を大切にしているのか。
何に違和感を持つのか。
何を残したいのか。
何を省きたいのか。
誰の役に立ちたいのか。
どんな仕事なら続けたいのか。
そこには、すでに自分らしさが表れていることがあります。
だから、
最初はマネしてみる。
型を使ってみる。
たくさん経験する。
そして、残ったものを見る。
その積み重ねが、
「自分の仕事」
になっていく。
オリジナルを急がなくていい。
まず動いてみる。
その中で、自分の型をつくっていく。
僕は、そんな仕事のつくり方が好きです。