ロディアに書いてからWebサイトを作る理由
Webサイトを作るとき、
いきなりパソコンを開かないことがあります。
まず、
紙を出します。
僕がよく使っているのは、
ロディアのメモ帳です。
オレンジ色の表紙。
ホワイトのロゴ。
方眼の紙。
特別な道具ではありません。
文房具店に行けば買えるものです。
でも、
僕にとっては、
Webサイトを考えるための大事な道具のひとつです。
なぜ紙なのか。
なぜパソコンではないのか。
理由は、
「考えること」と「作ること」を分けたいからです。
パソコンを開くと、すぐ作れてしまう
Webの仕事をしていると、
パソコンを開けば、
すぐに作業を始められます。
WordPressを開く。
ページを作る。
ブロックを並べる。
画像を入れる。
文字を書く。
デザインを調整する。
できます。
とても便利です。
でも、
便利だからこそ、
少し怖いところがあります。
考えがまとまっていなくても、
形にできてしまうからです。
例えば、
「会社紹介ページを作ろう」
と思ったとします。
パソコンを開いて、
見出しを作る。
「会社概要」
と入力する。
住所を書く。
代表者を書く。
沿革を書く。
事業内容を書く。
それらしくページができていきます。
でも、
そのページが、
本当に必要なのか。
誰が読むのか。
何を伝えるためのページなのか。
そこを考えないまま、
「ページだけ完成する」
ことがあります。
僕は、
これをなるべく避けたい。
だから、
一度パソコンから離れます。
紙に書くと、考える速度が変わる
紙に書くと、
パソコンほど速くありません。
文字を打つより遅い。
消すのも面倒。
並べ替えるのも面倒。
きれいに整えることもできない。
でも、
それがいい。
頭の中にあるものを、
一度そのまま出せるからです。
例えば、
「この会社は何をしている?」
と考える。
すると、
いくつか言葉が出てきます。
商品。
サービス。
地域。
お客さん。
強み。
経験。
実績。
困っていること。
これからやりたいこと。
思いついた順に書いていきます。
この段階では、
文章にしません。
きれいにしません。
順番も決めません。
ただ、
出します。
頭の中だけでは、整理できない
人間の頭の中には、
たくさんの情報があります。
でも、
頭の中にある状態では、
それぞれの情報の関係が見えにくい。
「あれも必要」
「これも言いたい」
「これも載せた方がいい」
となっていきます。
そして、
情報が増えていきます。
紙に書くと、
それを一度、
自分の外側に出せます。
すると、
少し離れて見ることができます。
「これは同じ話だな」
「これは別の話だな」
「これは重要だけど、今じゃないな」
「これはなくても困らないな」
ということが、
見えてきます。
僕にとって、
紙に書くことは、
情報を整理するための最初の作業です。
書いたものを、すぐ文章にしない
ここも大事です。
メモを書いたら、
すぐに文章にしません。
まず、
分類します。
例えば、
「誰なのか」
「何をしているのか」
「誰のためなのか」
「何ができるのか」
「なぜ選ばれるのか」
「どうやって相談するのか」
というように、
情報の役割を考えます。
すると、
最初はバラバラだったメモが、
少しずつグループになってきます。
この段階で、
Webサイトの構造が見えてきます。
トップページ。
サービス。
事例。
プロフィール。
お問い合わせ。
必要なら、
FAQ。
ブログ。
オンラインショップ。
逆に、
必要ないページも見えてきます。
「何ページ作るか」より「何を伝えるか」
Webサイト制作では、
ページ数を先に考えることがあります。
5ページ。
10ページ。
20ページ。
もちろん、
規模を考えるうえでは必要です。
でも、
本当に大切なのは、
「何ページあるか」
ではありません。
「何を伝えるために、そのページがあるのか」
です。
例えば、
プロフィールページがあったとしても、
経歴を全部書けばいいわけではありません。
その人に相談したいと思ってもらうために、
何を伝える必要があるのか。
そこを考えます。
サービスページも同じです。
サービス内容を全部並べるのではなく、
誰のどんな問題を解決するのか。
そこから考えます。
紙は、簡単に壊せる
紙のいいところは、
失敗しても気にならないことです。
線を引く。
丸で囲む。
矢印を書く。
大きくバツをつける。
ページを破る。
別の紙に書き直す。
何をしてもいい。
パソコンの画面だと、
「せっかく作ったから残しておこう」
という気持ちが出ます。
紙なら、
簡単に捨てられます。
これは、
考えるときには結構重要です。
「せっかく作った」が判断を邪魔する
Webサイトでも、
よくあることです。
時間をかけて作ったページ。
苦労して書いた文章。
きれいに撮った写真。
一生懸命作ったバナー。
だから、
「残しておきたい」
と思う。
でも、
そのページが、
今の目的に必要とは限りません。
作ったことと、
必要なことは、
別です。
だから僕は、
できるだけ早い段階で、
「捨てる」ことを考えます。
紙なら、
それが簡単です。
ロディアの方眼がちょうどいい
僕がロディアを使う理由のひとつが、
方眼です。
文章を書いてもいい。
図を書いてもいい。
線を引いてもいい。
箇条書きでもいい。
ページの構造を簡単に描いてもいい。
方眼があることで、
自由に使える。
でも、
完全な白紙でもない。
このくらいの曖昧さが、
僕にはちょうどいい。
Webサイトの構造を考えるときも、
同じです。
最初から、
「このページはこの位置」
と決めすぎない。
まず全体を見る。
それから、
関係を作る。
紙の上では、Webサイトがまだ完成していない
当然ですが、
紙に書いただけでは、
Webサイトはできません。
デザインもありません。
リンクもありません。
スマートフォン対応もありません。
お問い合わせフォームもありません。
SEOもありません。
何も動きません。
でも、
それでいい。
紙の役割は、
完成させることではないからです。
紙の役割は、
「何を作るべきか」を考えること。
そして、
「何を作らなくていいか」を見つけることです。
Webサイトは「構造」が先
僕がWebの仕事で、
かなり大切にしているのが、
構造です。
構造というと、
少し難しく聞こえるかもしれません。
でも、
やっていることは、
それほど難しくありません。
情報を並べる。
同じものをまとめる。
必要なものを残す。
順番を決める。
役割を決める。
つながりを作る。
つまり、
「ごちゃごちゃを整理する」
ということです。
紙に書く作業は、
その最初の一歩です。
紙とパソコンは、役割が違う
もちろん、
パソコンを使わないわけではありません。
むしろ、
仕事では毎日使います。
文章を書く。
調べる。
デザインする。
サイトを作る。
画像を編集する。
メールをする。
SNSを更新する。
パソコンがなければ、
仕事になりません。
でも、
すべてをパソコンでやる必要もない。
紙には紙の役割がある。
パソコンにはパソコンの役割がある。
スマートフォンにはスマートフォンの役割がある。
それぞれの道具を、
得意なところで使う。
これも、
道具選びのひとつです。
AIを使うようになって、紙の価値が変わった
最近は、
AIを使えば、
文章も作れます。
アイデアも出せます。
構成案も作れます。
Webサイトの文章も、
ある程度は作れます。
とても便利です。
だからこそ、
「自分は何を考えるのか」
が、
以前より重要になったと感じています。
AIは、
情報を整理したり、
文章にしたりするのが得意です。
でも、
「そもそも何を作るべきなのか」
「この事業に本当に必要なのは何なのか」
「何を残して、何を捨てるのか」
という判断は、
自分の仕事です。
僕は、
紙に書きながら、
その部分を考えます。
そして、
必要になったらAIも使う。
紙とAI。
対立するものではありません。
役割が違うだけです。
「書くこと」は、考えることでもある
紙に文字を書くと、
不思議と考えが変わります。
頭の中では、
「なんとなく分かっている」
と思っていたことが、
書いてみると、
「実はよく分かっていなかった」
と気づくことがあります。
逆に、
「これは大したことではない」
と思っていたことが、
書いてみると、
意外と重要だったりします。
だから、
僕にとって、
書くことは記録だけではありません。
考えるための行為です。
Webサイトを作る前に、紙一枚
もし、
これからホームページを作る人がいたら、
僕なら、
まず紙を一枚用意することをおすすめします。
そして、
次のことを書いてみる。
誰のためのサイトなのか。
何をしている事業なのか。
一番伝えたいことは何か。
お客さんは何に困っているのか。
何を見て、
「ここに相談してみよう」
と思ってほしいのか。
問い合わせる前に、
何を知っておいてほしいのか。
そして、
今ある情報の中で、
何が足りないのか。
何が多すぎるのか。
何が古いのか。
これだけでも、
かなり変わります。
きれいなサイトを作る前に
Webサイトは、
きれいな方がいい。
使いやすい方がいい。
スマートフォンでも見やすい方がいい。
これは当然です。
でも、
きれいにする前に、
整理する。
伝わる形にする。
必要な情報を決める。
順番を決める。
その上で、
デザインする。
僕は、
この順番を大切にしています。
だから、
ロディアは、
Web制作の道具というより、
「Web制作を始める前の道具」
なのかもしれません。
道具は、考え方を変える
キーボードを変えると、
文章の書き方が少し変わる。
ペンを変えると、
書き方が変わる。
ノートを変えると、
考え方が変わる。
椅子を変えると、
仕事の姿勢が変わる。
道具は、
単に作業を効率化するだけではありません。
自分の行動そのものに、
少しずつ影響します。
だから、
どんな道具を使うのかは、
意外と大切です。
ロディアは、答えを出してくれない
もちろん、
ロディアを使ったからといって、
良いWebサイトができるわけではありません。
紙が勝手に、
正解を教えてくれるわけでもありません。
最後に考えるのは、
自分です。
何を残すか。
何を捨てるか。
何を優先するか。
誰に伝えるか。
どう動いてほしいか。
その判断をするために、
紙を使う。
僕にとっては、
そんな位置づけです。
まず書く。そこから整理する。
Webサイトを作ろうと思ったとき、
いきなりパソコンを開く。
それもいい。
でも、
もし頭の中がごちゃごちゃしているなら、
一度、
紙に書いてみる。
きれいじゃなくていい。
文章じゃなくていい。
箇条書きでもいい。
丸でも、
矢印でも、
落書きでもいい。
頭の中にあるものを、
一度外に出してみる。
そこから、
整理する。
そして、
必要なものだけを、
Webに持っていく。
僕は、
この順番が好きです。
ロディアは、
何かを作ってくれる道具ではありません。
でも、
「何を作るべきか」を考える時間を、
少し作ってくれます。
だから今日も、
Webサイトを作る前に、
一枚の紙を広げます。
書く。
眺める。
線を引く。
消す。
また書く。
そして、
少しずつ、
形にしていく。
「おまつの道具箱」は、
そんなところから始まっています。