MX Ergoを使っている。小さな道具ほど、仕事の癖が見えてくる
パソコンで仕事をしていると、
ついパソコン本体のことばかり考えてしまいます。
MacかWindowsか。
CPUは何か。
メモリはどれくらいか。
画面は何インチか。
ストレージはどれくらいか。
でも、
実際に仕事をしている時間を考えると、
手に触れている小さな道具のほうが、
ずっと身近だったりします。
キーボード。
マウス。
ペン。
ノート。
そういう道具です。
僕は仕事でLogicoolのMX Ergoを使っています。
いわゆるトラックボールマウスです。
これを使い始めてから、
「道具って、性能だけじゃないんだな」
と、あらためて考えるようになりました。
マウスなんて、どれでもいいと思っていた
昔は、
「マウスなんて動けばいい」
くらいに思っていました。
クリックできる。
カーソルが動く。
スクロールできる。
それで十分。
わざわざマウスにこだわる必要なんてない。
そんな感じです。
でも、
パソコンを長時間使う仕事をしていると、
少しずつ違ってくる。
一日に何時間も触る。
何日も使う。
何年も使う。
そうなると、
「小さな違い」
が積み重なります。
一回の差は、小さい
マウスを動かす。
クリックする。
スクロールする。
カーソルを合わせる。
コピーする。
ドラッグする。
これだけを見ると、
どれも一瞬です。
だから、
「このマウスは少し使いやすい」
くらいの差は、
たいしたことがないように思えます。
でも、
仕事ではそれを何百回、何千回と繰り返します。
一回の小さなストレスが、
一日分積み重なる。
それが、
一年になる。
道具というのは、
そういうところに効いてくる。
MX Ergoを選んだ理由
MX Ergoは、
一般的なマウスとは少し違います。
本体を机の上で大きく動かすのではなく、
親指でボールを転がしてカーソルを動かします。
つまり、
「手を動かす」
より、
「指で動かす」
道具です。
最初は、
当然ながら違和感があります。
今までのマウスと同じ感覚では使えない。
カーソルを細かく合わせるのも、
最初は少し練習が必要です。
道具を変えると、最初は仕事が遅くなる
ここは結構大事だと思っています。
新しい道具を買ったら、
すぐ仕事が速くなる。
そんなことは、
ほとんどありません。
むしろ、
最初は遅くなる。
キーボードでも同じ。
HHKBに変えたときも、
最初から快適だったわけではありません。
今までの手癖があるからです。
人間は、
慣れているものを使うほうが速い。
だから、
新しい道具を使うということは、
一度、
「下手になる」
ことでもあります。
それでも慣れる価値がある道具がある
じゃあ、
なぜ新しい道具を使うのか。
それは、
慣れた先に、
今までとは違う使い方ができる場合があるからです。
MX Ergoなら、
机の上でマウスを大きく動かさなくてもいい。
手首だけで動かすのではなく、
親指を中心に操作する。
慣れてくると、
「これはこれで楽だな」
となってくる。
そして、
以前は気にしていなかった
「自分はどんなふうにマウスを使っているのか」
まで意識するようになります。
道具は、仕事の癖を教えてくれる
これが、
僕は結構面白いと思っています。
道具を変えると、
自分の仕事の癖が見える。
カーソルをどこまで動かすのか。
ショートカットを使っているのか。
マウスに頼っているのか。
キーボードだけで済む操作まで、
マウスでやっていないか。
同じ操作を何度も繰り返していないか。
道具を変えることで、
自分の仕事そのものが見えてくる。
「道具が悪い」と思ったら、自分の使い方を見る
仕事をしていると、
「このツール使いにくいな」
と思うことがあります。
もちろん、
本当に使いにくい場合もあります。
でも、
その前に、
「自分は何をしようとしているんだろう?」
と考えてみる。
もしかしたら、
そのツールに向いていない仕事をさせているのかもしれない。
逆に、
自分の使い方を変えれば、
もっと楽になるかもしれない。
Webでも同じことが起こる
これは、
Webサイトや業務ツールでも同じです。
「このCMSは使いにくい」
「このSNSは難しい」
「このネットショップは面倒」
という話を聞くことがあります。
でも、
問題がツールそのものとは限りません。
そもそも、
その人が必要としている機能と、
ツールの設計が合っていないのかもしれない。
あるいは、
運用方法が整理されていないだけかもしれない。
道具と人の間に「相性」がある
ここが、
僕が道具について考えるときに、
かなり大切にしていることです。
道具には、
性能があります。
でも、
性能だけでは決まらない。
その人の手。
その人の仕事。
その人の癖。
その人の環境。
その人が、
どれくらいの頻度で使うのか。
そこまで含めて、
「合う・合わない」
が決まる。
同じ道具でも、評価が変わる
ある人にとっては、
「最高のマウス」
でも、
別の人には、
「全然合わない」
かもしれません。
これは、
どちらかが間違っているわけではありません。
使い方が違うだけです。
だから、
レビューを読むときも、
僕は少しだけ距離を置きます。
「この人には合った」
という話として読む。
それを、
「だから自分にも合う」
とは限らない。
道具選びに「万人向けの正解」はない
これは、
ギターでも。
時計でも。
キーボードでも。
パソコンでも。
Webサービスでも。
全部同じです。
「最高の○○」
という言葉は、
便利だけれど、
少し危険です。
本当は、
「誰にとって」
「何のために」
「どんな環境で」
最高なのか、
が必要だからです。
だから、僕は「おすすめ」を慎重にしたい
Webの仕事でも、
「このツールがおすすめです」
と簡単に言わないようにしたいと思っています。
もちろん、
経験上、
向いているものはあります。
でも、
その人の状況を見ないで、
ツールだけを勧めるのは、
少し違う。
先に、
何をしたいのか。
誰が使うのか。
どれくらい更新するのか。
予算はいくらなのか。
今何を使っているのか。
そこを見る。
「高機能」が「使いやすい」とは限らない
これも、
よくある話です。
機能が100個ある。
でも、
実際に使うのは5個。
だったら、
残り95個は、
場合によっては負担です。
メニューが複雑になる。
覚えることが増える。
設定が増える。
迷う。
その結果、
更新されなくなる。
それなら、
必要な5個が、
簡単に使える道具のほうがいい。
道具は「機能」ではなく「行動」で見る
僕がWebサイトを考えるときも、
「この機能があります」
という説明だけでは、
あまり意味がないと思っています。
大切なのは、
「それによって何ができるのか」
です。
問い合わせが楽になる。
予約ができる。
商品を登録できる。
情報を更新できる。
お客さんが迷わなくなる。
スタッフが共有できる。
そうやって、
人の行動に落とし込んで考える。
MX Ergoも、結局は「動作」の道具
MX Ergoが優れているかどうか、
という話だけなら、
いくらでもスペック比較ができます。
でも、
僕が気になるのは、
「自分の手が、どう動くようになったか」
です。
机の上でマウスを滑らせる。
ボールを転がす。
クリックする。
手を戻す。
そういう一つひとつの動作が変わる。
道具が変わると、
仕事の動きが変わる。
仕事は「動作」の集合でもある
Webの仕事は、
華やかに見えることがあります。
サイトを作る。
デザインする。
文章を書く。
企画する。
でも、
実際には、
細かい動作の連続です。
ファイルを開く。
名前をつける。
コピーする。
確認する。
修正する。
保存する。
アップロードする。
メールを書く。
返信する。
確認する。
また修正する。
そういう地味な動作が、
一日中続く。
だから、
小さな道具の差が、
意外と大きい。
「環境を整える」は、仕事を甘やかすことではない
仕事環境を整えると、
「そこまでこだわらなくても」
と言われることがあります。
もちろん、
道具にお金をかければいいわけではありません。
でも、
毎日使うものを見直すことは、
仕事を甘やかすことではない。
むしろ、
仕事を続けるための環境を作ることです。
道具より先に、姿勢を整える
ただし、
ここにも順番があります。
いいマウスを買えば、
姿勢が良くなるわけではない。
高い椅子を買えば、
長時間仕事をしていいわけでもない。
大きなモニターを置けば、
仕事が速くなるわけでもない。
道具は、
環境を支えるもの。
環境そのものではありません。
仕事場は「自分の身体」とつながっている
パソコン仕事では、
目を使う。
手を使う。
肩を使う。
首を使う。
背中を使う。
だから、
画面の高さ。
机の高さ。
椅子。
照明。
キーボード。
マウス。
全部が、
少しずつ関係しています。
一つだけ変えて終わりではなく、
全体を見る。
これは、
Webサイトの設計とかなり似ています。
一つだけ直しても、全体が良くなるとは限らない
ホームページでも、
トップページだけをきれいにする。
問い合わせボタンだけを目立たせる。
SNSリンクだけを増やす。
それで問題が解決するとは限りません。
全体の流れを見る。
入口。
情報。
比較。
判断。
問い合わせ。
購入。
その後。
どこで止まっているのかを見る。
一部分だけではなく、
構造を見る。
小さな道具から、全体を見る
MX Ergoを使うようになって、
マウスだけを考えることが増えたわけではありません。
むしろ逆です。
手の動き。
キーボード。
モニター。
机。
椅子。
仕事の流れ。
そういうものまで、
つながって見えるようになった。
道具は、
一部分から全体を考えるきっかけにもなる。
「使いにくい」を放置しない
仕事をしていて、
「なんとなくやりにくい」
という感覚があります。
これを、
「まあ、仕事だから」
と放置してしまうことがあります。
でも、
その小さな違和感には、
何か原因があるかもしれない。
操作が多すぎる。
情報が見つからない。
手順が複雑。
道具が合っていない。
役割分担がおかしい。
そもそも、
やらなくていい作業をしている。
だから、
「使いにくい」
は、
改善の入口になる。
Web整理も、そこから始まる
僕が松井構造室でやりたいのも、
実は似ています。
「ホームページを作ってほしい」
という依頼の裏側に、
別の問題があることがあります。
情報が整理されていない。
誰に何を伝えるか決まっていない。
SNSとホームページの役割が混ざっている。
問い合わせまでの流れがない。
更新する人が決まっていない。
何から手をつければいいかわからない。
だったら、
いきなりホームページを作る前に、
まず整理する。
道具を変える前に、問題を見る
MX Ergoを使っているからといって、
誰にでもMX Ergoを勧めたいわけではありません。
むしろ、
「自分には何が合っているのか」
を考えてほしい。
マウスを変える必要がない人もいる。
キーボードを変える必要がない人もいる。
パソコンを買い替える必要がない人もいる。
Webサイトを作り直す必要がない事業者もいる。
必要なのは、
新しいものではなく、
問題に合ったものです。
道具は「問題を見つけるため」にも使える
これが、
最近の僕が道具について面白いと思っているところです。
道具を変えると、
今まで見えなかった問題が見える。
使いにくさに気づく。
手間に気づく。
無駄に気づく。
そして、
「そもそも、この作業必要?」
と考えるようになる。
そこまで行けば、
単なる道具選びではなく、
仕事の改善になります。
小さな違和感を大事にする
仕事を変えるのは、
大きな改革だけではありません。
マウスを変える。
キーボードを変える。
机の高さを変える。
ファイルの置き場所を変える。
Webサイトのメニューを一つ整理する。
問い合わせ方法を一つわかりやすくする。
SNSからWebサイトへの導線を一つ見直す。
そういう小さな改善でも、
毎日の仕事は変わります。
MX Ergoは、仕事を変えたのか
正直に言えば、
MX Ergoを使ったからといって、
人生が変わったわけではありません。
仕事が突然10倍速くなったわけでもない。
ものすごい革命が起きたわけでもない。
でも、
毎日触る道具だからこそ、
小さな違いが積み重なる。
そして、
その小さな違いから、
「自分はどう働きたいのか」
を考えるきっかけができた。
それだけでも、
十分に価値があると思っています。
道具は、
仕事を代わりにしてくれるものではありません。
でも、
仕事の仕方を少し変えることはできる。
そして、
仕事の仕方が変わると、
考え方まで少し変わることがある。
だから僕は、
小さな道具を、
けっこう大事にしています。
高価だからではありません。
有名だからでもありません。
毎日使うからです。
毎日使うものだからこそ、
自分に合うものを選ぶ。
使ってみる。
違えば変える。
そして、
その道具を通して、
自分の仕事の癖を知る。
道具選びは、
モノ選びだけではない。
もしかすると、
自分の働き方を選ぶことなのかもしれません。