「ホームページを作ったほうがいいですか?」
「Instagramをやったほうがいいですか?」
「Facebookはもう古いですか?」
「Xもやったほうがいいですか?」
「TikTokも必要ですか?」
WebやSNSについて相談すると、こういう話になることがあります。
でも、僕はその前に一つ考えたいことがあります。
「それぞれを、何のために使うんだろう?」
ということです。
WebサイトとSNS。
どちらが優れている、という話ではありません。
それぞれ役割が違います。
だから、
「どっちをやる?」
ではなく、
「何を、どこで伝える?」
から考えたほうが整理しやすい。
「とりあえずSNS」は、なぜ起きるのか
新しく事業を始める。
お店を始める。
イベントを開催する。
商品を販売する。
そんなとき、
「まずInstagramを作ろう」
となることがあります。
SNSは無料で始められる。
スマートフォンだけでもできる。
写真や動画もすぐ投稿できる。
知っている人にも届きやすい。
だから、入口としてはとても始めやすい。
でも、
「アカウントを作った」
ところで終わってしまうことがあります。
何を投稿すればいいかわからない。
毎日投稿するネタがない。
フォロワーが増えない。
投稿しても問い合わせが来ない。
そして、
「SNSって難しい」
となる。
でも、もしかするとSNSが悪いのではなく、
「SNSに何を担当させるのか」
が決まっていなかったのかもしれません。
WebサイトとSNSは、同じものではない
WebサイトとSNSは、どちらも情報を発信できます。
だから、同じように見えます。
でも、役割を分けて考えるとわかりやすくなります。
Webサイトは、
「情報を整理して置いておく場所」
として使いやすい。
SNSは、
「今の活動や人柄、出来事を伝える場所」
として使いやすい。
もちろん、これは絶対的なルールではありません。
SNSだけで商品を販売することもできます。
Webサイトでニュースを発信することもできます。
大切なのは、
「その媒体の特性をどう使うか」
です。
Webサイトは「いつでも見られる情報」をつくる
Webサイトには、
会社概要。
サービス内容。
商品情報。
料金。
アクセス。
営業時間。
プロフィール。
問い合わせ方法。
事例。
よくある質問。
などを整理して載せることができます。
SNSの投稿は、時間が経つと流れていきます。
昨日の投稿を、今日初めて知った人が探すのは簡単ではありません。
一方、Webサイトなら、
「サービスについて知りたい」
「料金を確認したい」
「場所を調べたい」
という人が、自分のタイミングで必要な情報を探せます。
だから、
「あとから確認される情報」
を置いておく場所として、Webサイトには役割があります。
SNSは「今」を伝えるのが得意
一方、SNSは、
今日こんなことがありました。
イベントに出店しています。
新商品が届きました。
こんな人と出会いました。
今日はこんな仕事をしています。
という「今」を伝えるのが得意です。
Webサイトのように完成された情報だけではなく、
途中経過。
日常。
人柄。
空気感。
考えていること。
現場の様子。
そういったものを見せることができます。
だから、
「この人、なんか好きだな」
「この店、楽しそうだな」
「この活動、ちょっと気になるな」
という関係をつくることにも向いています。
SNSは「関係」をつくる場所にもなる
Webサイトを見た人と、
SNSで日々投稿を見ている人では、
距離感が少し違います。
Webサイトは、
「必要な情報を探しに来る」
場所になりやすい。
SNSは、
「たまたま流れてきたものを見る」
ことがあります。
だから、まだ購入するつもりがない人にも、
活動を知ってもらえる可能性があります。
今日買わなくてもいい。
今日問い合わせなくてもいい。
でも、
「そういえば、あの人がいたな」
と覚えてもらう。
それもSNSの役割です。
「全部やる」は、本当に必要なのか
Webサイト。
Instagram。
Facebook。
Threads。
X。
YouTube。
TikTok。
LINE。
Googleマップ。
オンラインショップ。
挙げていくと、いくらでもあります。
全部やろうと思えば、できます。
でも、小さな事業でそれを全部続けるのは簡単ではありません。
投稿する。
返信する。
写真を撮る。
動画を編集する。
情報を更新する。
問い合わせを見る。
それだけでかなりの仕事になります。
だから、
「全部やる」
ではなく、
「必要な場所を選ぶ」
ことが大切です。
「使っている人が多いから」で決めなくていい
「Instagramはみんなやっているから」
「Xは今これが流行っているから」
「TikTokをやったほうがいいらしい」
という理由だけで媒体を増やす必要はありません。
大切なのは、
「自分のお客様は、どこで情報を探しているのか?」
です。
そして、
「そこで、自分は何を伝える必要があるのか?」
です。
たとえば、
商品を検索して比較する人が多いなら、
検索で見つかる情報が必要かもしれません。
日々の活動や人柄を知ってもらいたいなら、
SNSが向いているかもしれません。
既存のお客様に営業日変更を知らせたいなら、
別の手段が向いているかもしれません。
「人気だから」ではなく、
「目的に合うから」
で選ぶ。
媒体ごとに「仕事」を与える
僕はSNSやWebを考えるとき、
それぞれに「仕事」を与えると整理しやすいと思っています。
たとえば、
Webサイト
→ 基本情報を整理する
Instagram
→ 世界観や写真、日々の活動を伝える
Facebook
→ 活動実績や地域との関係を伝える
Threads
→ 会話や日常の考えを伝える
X
→ 考え方や短い情報を発信する
LINE
→ 既存のお客様に知らせる
というように。
これは一例です。
大切なのは、
「この場所では何をするのか」
を決めること。
そうすると、
「今日はInstagramに何を投稿しよう」
ではなく、
「Instagramの役割に合う情報は何だろう」
と考えられるようになります。
同じ内容を全部に投稿してもいいのか
もちろん、同じ情報を複数の場所で伝えることはあります。
むしろ大切な情報なら、複数の場所で伝えたほうがいいこともあります。
ただ、
「全部に同じ文章を貼り付ける」
だけではなく、
媒体によって見せ方を変えることもできます。
Webサイトでは、
詳しい内容を整理する。
Instagramでは、
写真と短い説明で雰囲気を伝える。
Threadsでは、
そのとき考えていることを書く。
Xでは、
一つの考えを短く切り出す。
Facebookでは、
活動の背景や報告を書く。
同じ出来事でも、
「その場所にいる人が、どう受け取るか」
を考える。
これも情報設計です。
「一つの情報」を「いくつかの入口」に変える
たとえば、一つのイベントを開催するとします。
Webサイトには、
日時。
場所。
料金。
内容。
アクセス。
注意事項。
をまとめる。
Instagramでは、
イベントの雰囲気を見せる。
Facebookでは、
開催の背景や報告を書く。
Threadsでは、
準備している様子を話す。
Xでは、
開催情報を短く伝える。
こうすると、
一つの出来事から、いくつもの情報が生まれます。
毎回ゼロからネタを考えなくてもいい。
「一つの活動を、どう編集するか」
と考えればいい。
これは小さな事業にとって、かなり大きな違いだと思います。
「投稿ネタがない」の正体
SNSの相談で、
「投稿することがありません」
という話があります。
でも、実際には、
仕事をしている。
商品を作っている。
お客様と話している。
イベントに出ている。
仕入れをしている。
失敗している。
考えている。
改善している。
ということがあります。
つまり、
「出来事がない」のではなく、
「出来事を情報に変える視点がない」
場合があります。
一つの出来事から、
何をしたのか。
なぜしたのか。
誰のためなのか。
何が変わったのか。
何を感じたのか。
次にどうするのか。
と考えれば、いくつもの投稿になります。
Webサイトは「完成品」でなくてもいい
「Webサイトを作るなら、全部完成させなければ」
と思う人もいます。
でも、最初から100点を目指す必要はありません。
まず、
「何をしているのか」
「誰に向けているのか」
「何ができるのか」
「どう問い合わせるのか」
がわかれば、入口として機能します。
そこから、
事例を追加する。
よくある質問を追加する。
記事を追加する。
サービスを整理する。
情報を更新する。
少しずつ育てていけばいい。
Webサイトは、一度作って終わりではありません。
活動が変われば、情報も変わります。
SNSも「毎日投稿」が目的ではない
SNSについても、
「毎日投稿しなければ」
と思う必要はありません。
もちろん、毎日投稿することが活動上必要なら、それも一つの方法です。
でも、
「毎日投稿すること」
と、
「必要な人に必要な情報を届けること」
は別です。
大切なのは、
「この活動にとって、どのくらいの頻度なら無理なく続けられるか」
です。
続かない仕組みを作るより、
続けられる仕組みを作る。
これも設計です。
2026年は「検索される場所」も増えている
以前は、
「Googleで検索される」
ことを中心に考えていればよかった場面もありました。
今は、
検索エンジン。
SNS。
地図。
動画。
口コミ。
オンラインショップ。
そしてAI。
情報を探す入口が増えています。
だからこそ、
「どこに投稿するか」
だけではなく、
「自分の情報が、どこに存在しているべきか」
を考える必要があります。
Webサイトに基本情報を整理する。
SNSで日々の活動を伝える。
Googleなどの地図情報を整える。
必要に応じて外部メディアにも情報を出す。
それぞれをバラバラにするのではなく、
同じ事業について、矛盾しない情報がつながっている状態をつくる。
これはSEOだけではなく、
検索やAIから理解されるための土台にもなります。
「SNSをやるべきか?」の前に
僕なら、
「SNSをやるべきですか?」
と聞かれたとき、
すぐに「やったほうがいい」とは答えないと思います。
まず、
誰に。
何を。
なぜ。
どんな行動につなげたいのか。
そして、
今どんな情報があるのか。
どこが不足しているのか。
を見ます。
そのうえで、
「この媒体なら、この役割を持たせられそう」
と考える。
場合によっては、
「今はSNSより、Webサイトの基本情報を整理したほうがいい」
ということもあるでしょう。
逆に、
「Webサイトを作り込むより、まずSNSで活動を知ってもらうほうがいい」
ということもあります。
正解は、事業によって変わります。
媒体を増やすことより、役割を整理する
Web。
SNS。
AI。
検索。
地図。
オンラインショップ。
どれも便利です。
でも、
便利だから使う。
流行っているから使う。
みんなやっているから使う。
ではなく、
「自分の活動にとって何の役に立つのか」
を見る。
そうすると、
必要なものと、
今はいらないものが見えてきます。
これは節約の話だけではありません。
時間を守る話でもあります。
小さな事業にとって、
「何をやらないか」
を決めることは、
「何をやるか」
と同じくらい重要です。
「増やす前に、整理する」
SNSを一つ増やす。
Webサイトを一つ作る。
新しいツールを導入する。
AIを使い始める。
どれも簡単になりました。
だからこそ、
「とりあえず増やす」
ことも簡単になっています。
でも、
増やしたものを管理する。
更新する。
情報を揃える。
役割を決める。
成果を確認する。
という仕事は残ります。
だから、
「使えるから使う」
ではなく、
「必要だから使う」
という順番に戻してみる。
それだけで、かなり整理されます。
WebとSNS、どちらが正解なのか
答えは、
「事業によります」
です。
でも、それだけでは少し味気ないので、もう一歩進めるなら、
「あなたは、誰に、何を知ってもらい、その人にどうなってほしいのか?」
です。
それが決まれば、
Webサイトが必要なのか。
SNSが必要なのか。
両方なのか。
どちらか一つでいいのか。
別の方法がいいのか。
考えやすくなります。
媒体から始めない。
目的から始める。
そして、
それぞれの場所に役割を与える。
僕は、これがWebやSNSを長く使うための基本だと思っています。
「何を使うか」より「どうつながるか」
Webサイトだけでは届かない人がいる。
SNSだけでは足りない情報がある。
検索だけでは伝わらない人柄がある。
リアルな場でしか伝わらないこともある。
だから、一つの媒体ですべてを完結させようとしなくていい。
それぞれの場所をつないで、
「必要な人が、必要な情報にたどり着ける状態」
をつくる。
それが情報設計の一つの役割です。
Webを作る。
SNSを運用する。
AIを使う。
それ自体が目的ではありません。
人や活動が、
知ってもらう。
理解してもらう。
選んでもらう。
動いてもらう。
そのために、
必要な場所を、
必要な役割で使う。
その順番で考える。
だから僕は、
「何を増やすか」より、
「何を整理するか」
から始めたいと思っています。