当麻町の「やくばいち」に学ぶ|いい商品なのに売れない理由は「知られていない」こと

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いい商品を作っている。品質にもこだわっている。お客様に喜んでもらえる自信もある。それなのに、なかなか売上につながらない。小さなお店や個人事業では、そんな悩みが生まれることがあります。商品そのものに問題がある場合もありますが、もう一つ確認したいことがあります。その商品は、買ってくれる可能性のある人に知られているでしょうか。旭川市に隣接する当麻町で開催された秋の収穫祭「やくばいち」を題材に考えます。

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ふるさと納税の返礼品を、地元の人にも知ってもらう

当麻町では、2026年10月3日に秋の収穫祭「やくばいち」が開催されました。当麻町の公式発信によると、「やくばいち」は、ふるさと納税で取り扱っている返礼品の魅力を、地元の人にも知ってもらうことを目的に開催されている催しです。当麻町には、全国に知られる「でんすけすいか」をはじめ、米などの農産物や、地域の事業者が手がける商品があります。催しでは、町内事業者による飲食・物販、木工品の展示・販売、当麻産の新米試食会、会場を巡るスタンプラリーなどが行われました。また当日は、商工会による「復活きらり2026」など複数の催しが同日に行われています。一つの会場だけで完結させず、複数の催しを組み合わせて地域を楽しんでもらう設計も注目したい点です。

ここで考えたいのは、イベントの規模や来場者数だけではありません。地域にある商品を、どんな人に、どんな方法で知ってもらうのか。そのためにどんな接点を用意するのか。これは個人で商売をしている人にも関係するテーマです。

商品を作ることと、知ってもらうことは別

地域でお菓子を作っている人を想像してみてください。素材を選び、試作を重ね、味や見た目にもこだわって商品を完成させました。でも、その商品を知らない人は、買うことができません。当然の話なのですが、商品づくりに一生懸命になるほど、この点が後回しになることがあります。インターネット上に情報を置くことと、必要な人に情報が届くことは同じではありません。商品を作ることは商売の始まり。その価値を知ってもらう仕組みまで考えて、はじめて販売の準備が整います。

ふるさと納税というと、町の外に住んでいる人に向けた制度という印象があるかもしれません。しかし、町内で作られている商品を、地元の人が詳しく知っているとは限りません。近所にあるお店でも、何を売っているのか知らない。地元で作られている商品なのに、どこで買えるのかわからない。商品を知ってもらう相手は、必ずしも遠くにいる人だけではないのです。地元の人に知ってもらうことが、新たな購入や口コミにつながる可能性もあります。

イベントは、売る場所であると同時に知ってもらう場所

イベントに出店する目的を、商品を販売することだけにしていませんか。イベントには、商品を実際に見てもらえる、味や使い心地を試してもらえる、作り手が特徴を直接説明できる、お客様が何に興味を持つか観察できる、次に情報を届けるきっかけを作れる、といった役割もあります。

商品の前で足を止めてくれた人が購入に至らなかったとしても、それだけで失敗と決めつける必要はありません。価格が気になったのか、使い方が伝わらなかったのか、どんな商品かひと目で理解できなかったのか。こうした観察は、商品説明やPOP、SNSでの発信を改善するヒントになります。そして、イベントの後にも商品を探せるようにしておくこと。出店前に、①商品名と特徴がひと目でわかるか、②価格がわかりやすく表示されているか、③商品の使い方や魅力を説明できるか、④SNSやホームページで詳しい情報を確認できるか、⑤イベント終了後も購入できる場所がわかるか、を確認しておきましょう。QRコードを使う場合も、読み取ると何がわかるのかを具体的に伝えることが大切です。

小さなお店が商品を知ってもらうための整理は、□誰に使ってほしい商品なのか、□どんな悩みや希望に応える商品なのか、□ほかの商品と何が違うのか、□どこで、どのように購入できるのか、□商品を知った人が次に何をすればよいのか、の5つです。売上が伸びないとき、SNSの投稿回数を増やす前に、今の発信を見た人が商品を理解し、購入を判断できる状態になっているかを確認してみてください。いい商品を作ること、その商品を知ってもらうこと、購入につながる道筋をつくること。この3つを分けて考えると、今の事業で何を見直すべきかが見えやすくなります。

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