比布町の「ポケふた」に学ぶ地域の魅力発信|人が誰かに話したくなる仕掛けとは

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町の魅力を発信する。お店の商品を知ってもらう。自分たちの活動に興味を持ってもらう。言葉にすると簡単そうですが、実際にやってみると難しいものです。ホームページを作り、SNSを更新し、写真を載せる。それでも思ったように反応がない。そんなときに考えてみたいのが、「人が誰かに話したくなる理由」です。旭川市に隣接する比布町の取り組みから、地域や小さな事業の情報発信を考えます。

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駅前に置かれた、見つけたくなるマンホール

比布町の公式サイトでは、2026年10月9日付で、ポケモンマンホール「ポケふた」の紹介ページが更新されています。「ポケふた」は、ポケットモンスターのキャラクターがデザインされたマンホールで、1枚ごとにオリジナルのデザインが施されています。比布町のマンホールには、「北海道だいすき発見隊」のアローラロコンと、ポッチャマが描かれています。設置場所はJR比布駅前広場、駅の出入り口を出てすぐ左側。町を訪れた人が見つけやすい場所に、写真を撮ったり誰かに紹介したりしたくなるものが設置されているわけです。公式サイトでは、訪れた人に写真を撮って「#ぴっぷ町」を付けてSNSに投稿することも呼びかけています(参考:比布町公式サイト)。

「日本一過保護なマンホール」が生んだ物語

個人的に面白いと感じたのは、マンホールそのものだけではありません。比布町は雪が多く、冬にはポケふたが雪に埋もれてしまうことがあるそうです。そこで、マンホールを守るためにテントを設置し、除雪道具をそろえるなどの工夫をするようになりました。こうした取り組みが、いつからかSNS上で「#日本一過保護なマンホール」と呼ばれるようになったと、町の公式サイトは紹介しています。

最初に注目されるきっかけは人気キャラクターだったかもしれません。しかし、雪に埋もれないように守るという地域ならではの事情が加わることで、単なる設置場所の案内とは違う物語が生まれています。情報は事実を並べるだけでも伝わりますが、背景にある物語が見えると、誰かに話したくなることがあります。もちろん、これだけで観光客がどれほど増えたのか、経済効果がどれほどあったのかまでは判断できません。ただ、現地で見つける楽しみだけでなく、冬の暮らしや地域の工夫まで伝えられる題材になっていることがわかります。

魅力は、紹介するだけでは伝わらない

小さなお店に置き換えてみましょう。SNSに商品の写真と「素材にこだわった、おいしい焼き菓子です。ぜひお越しください!」と載せる。間違った発信ではありませんが、初めて知った人には少し情報が足りないかもしれません。どんな素材にこだわっているのか、どんな人におすすめなのか、どんな場面で食べてほしいのか、ほかの商品と何が違うのか、どこで買えるのか、営業日はいつなのか。こうした情報があると、読み手は商品を具体的に想像しやすくなります。

さらに、商品が生まれた背景や作り手が大切にしていること――素材を選ぶ理由、試作で失敗したこと、お客様の声から変えたこと、地域とのつながり――は、商品そのものの説明だけでは伝わりにくい価値を補ってくれます。魅力的なものを置くだけでなく、その場所ならではの背景や楽しみ方も伝えることが大切です。

共有したくなる理由と、行動までの流れ

人はどんなときに、誰かに情報を共有したくなるのでしょうか。初めて知ったことを教えたい、写真を見せたい・記録に残したい、面白いことや意外なことを伝えたい、自分が好きなものを知ってほしい、誰かと一緒に体験したい。比布町のポケふたは、現地で写真を撮る楽しみがあり、冬には雪から守るという地域ならではのエピソードもあります。こうした要素は、訪れた人が自分の言葉で紹介するきっかけになり得ます。大切なのは無理に話題を作ることではなく、すでにある魅力の中から人に伝えたくなる部分を見つけて、わかりやすく表現することです。

そして、最初の接点から次の行動までを考えること。知る、興味を持つ、確認する(場所、営業時間、利用方法を調べる)、行動する(来店、予約、購入、問い合わせ)、共有する。せっかくSNSで興味を持ってもらっても、営業時間がわからない、購入できる場所がわからないのでは、興味が行動につながりません。まずは次の5つを書き出してみてください。□初めて知った人に何のお店なのか伝わるか。□商品やサービスの特徴が具体的にわかるか。□作り手や事業の背景を伝えられているか。□写真や文章で利用する場面を想像できるか。□興味を持った人が次に何をすればよいかわかるか。今ある魅力を見つけ、伝わる形に整理し、次の行動につながる道筋をつくっていきましょう。

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