マーケティングという言葉を聞くと、広告、SNS、集客、キャンペーン、販売といった「商品を売るための方法」を思い浮かべるかもしれません。でも、マーケティングは単に売るための技術ではなく、「必要としている人と、必要なものが出会いやすくなる状態をつくること」と考えることもできます。その全体の流れを整理します。
流れは「誰に」から始まる
どんなに良い商品でも、必要としている人が違えば選ばれません。まず考えるのは商品そのものではなく、「誰に必要なのか」です。年齢や性別だけでなく、どんな状況で、何に困っていて、何を求めていて、どんなときに必要になるのか。ここを考えると事業の方向が見えてきます。
次に「何を提供するのか」。ドリップコーヒーならコーヒーそのものだけでなく休憩する時間かもしれませんし、美容室なら髪を切ることだけでなく自分を整える時間かもしれません。「何を売っているか」と「何を得てもらっているか」は違う場合があります。
知ってもらった後にも段階がある
必要な人と提供するものが決まったら、接点が必要です。検索、SNS、口コミ、看板、イベント、紹介、広告。どれが正解というわけではなく、その事業に合った接点を考えることが大切です。流行っている媒体を使うことではなく、お客さんがどこで情報を探しているかを考えることです。
知ってもらっても、選んでもらえなければ事業につながりません。ホームページや口コミ、商品ページなどで「自分に合いそうだ」「これなら安心できそうだ」と思ってもらう段階があり、その先に「申し込もう」「行ってみよう」という行動があります。ここで予約方法や問い合わせ先が分からなければ、せっかくの興味が消えてしまいます。「迷わせない」ことが重要です。
そして、買ってもらったら終わりではありません。使ってもらう、満足してもらう、また来てもらう、人に話してもらう。一本の流れで見ると、マーケティングは循環になります。
全部やる必要はない。大切なのは「詰まり」を見ること
一人や少人数の事業が全部を完璧にやろうとすると疲弊します。見るべきは「今、一番詰まっているのはどこか」です。知られていないなら認知を、見られているけれど売れないなら価値や説明を、問い合わせはあるけれど決まらないなら最後の不安を、一度来ても戻ってこないならリピートの理由を考える。こうして一つずつ見ていきます。
施策を増やす前に、「今あるものがちゃんとつながっているか」を確認することも大切です。SNSを見たらホームページに行ける。ホームページを見たら予約できる。予約したら場所が分かる。このつながりがあるだけでも事業は動きやすくなります。マーケティングは、施策を増やすことではなく、事業の流れを整えることでもあるのです。
まとめ
マーケティングは「売る技術」だけではありません。必要な人を考え、価値をつくり、知ってもらい、理解してもらい、選んでもらい、利用してもらい、また来てもらう。その流れのどこで止まっているかを見ることが、小さな事業の出発点になります。自社の場合はどこが詰まっているのか分からない、という方は、流れ全体を一緒に点検するところから始めるのも一つの方法です。
