「口コミで広がる店にしたい」。小さな事業をしている人なら、一度は考えることだと思います。広告費をたくさん使わなくても、人から人へ紹介されれば新しいお客さんにつながります。では、口コミはどうやって生まれるのでしょうか。
「紹介してください」だけでは口コミにならない
お客さんに紹介をお願いする方法はあります。でも口コミにはもう一つの側面があります。「誰かに話したくなる理由があるか」です。人はすべての買い物を誰かに話すわけではありません。「昨日、洗剤を買った」とはあまり話しませんが、「昨日、すごく面白い店を見つけた」なら話したくなるかもしれません。
紹介するとき、人は意外と説明に困ります。「いい店だったよ」だけでは相手もイメージしにくい。でも「店主さんが面白くてさ」「旭川では珍しいものがあって」「ここの○○がおいしくて」と具体的な話ができれば紹介しやすくなります。口コミを考えるときには、「お客さんが誰かに話せる材料を作る」という視点があります。
「珍しい」だけが口コミになるわけではない
口コミというと派手な商品や珍しいサービスを想像しがちですが、そうとは限りません。すごく丁寧だった、思っていたより親切だった、説明が分かりやすかった、ちょっとした一言が嬉しかった。こうした小さな体験も話す理由になります。
もう一つ面白いのが「期待との差」です。想像していたより良かった、予想外のものがあった。そんな経験は記憶に残りやすい。無理に驚かせる必要はなく、「ちょっと嬉しい」を作るだけでもいいのです。大企業のように全国の人に知られる必要はありません。一人のお客さんが「この前行ったところ、よかったよ」と誰かに話してくれる。その一回が積み重なっていく考え方が、小さな事業には現実的です。
SNSと検索は口コミの「補助線」
口コミが起きたとき、SNSやWebに情報があれば、その人はさらに説明しやすくなります。店名を検索する、Instagramを見る、営業日や場所を確認する。つまり、口コミそのものをWebだけで作るのではなく、口コミで興味を持った人がそのまま調べられる状態を作っておくことが重要です。「あのお店知ってる?」と聞かれて店名を検索するのは自然な行動ですから、口コミを増やしたいなら、Googleマップ、ホームページ、SNS、営業時間、アクセス情報、問い合わせ方法といった、検索されたときの状態も整えておきたいところです。
まとめ
レビューをお願いすることもマーケティングの一つです。ただ長期的に考えるなら、「レビューを書いてもらう方法」だけではなく「話したくなる体験をどう作るか」を考えたほうが面白い。その店らしい、その人らしい、ここでしかない、ちょっと嬉しい、誰かに教えたくなる。そんな理由が一つあればいいのです。「どうお願いするか」の前に、「この店について、誰かに何を話したくなるだろう?」と考えてみる。ここに小さな事業のマーケティングのヒントがあります。
