2026年版|WHYからはじめる。「何を作るか」より先に考えたいこと

目次

何を作るかより先に、「なぜ作るのか」を考える

ホームページを作りたい。

SNSを始めたい。

Instagramをもっと頑張りたい。

LINE公式アカウントを作りたい。

ネットショップを始めたい。

最近では、AIを使って文章や画像を作りたい。

仕事をしていると、こうした相談を受けることがあります。

もちろん、どれも大切なことです。

でも、僕はその前に一度考えてみたいことがあります。

「それは、何のためですか?」

少し意地悪に聞こえるかもしれません。

でも、ここを整理しないまま何かを作り始めると、あとになって「せっかく作ったのに使わない」「更新できない」「思ったように反応がない」ということが起こりやすくなります。

だから僕は、何を作るかを考える前に、

「なぜ、それをするのか」

を考えるところから始めたいと思っています。


「WHYからはじめる」という言葉

僕自身、この考え方には以前から何度も触れてきました。

マーケティングを学んでいた頃から、

「なぜ、それをするのか」

という問いは、何度も出てきました。

当時は、ひとつのマーケティングの考え方として理解していた部分もあります。

「WHYから始める」

という言葉を知っている。

その意味も説明できる。

でも、仕事を続けていくと、だんだん違う意味でこの言葉が見えてくることがあります。

ホームページを作る。

SNSを始める。

商品ページを書く。

プロフィールを整える。

サービスを作る。

そういう具体的な仕事をいくつも経験していくと、

「そもそも、これは何のためにやっているんだろう?」

という問いが、単なるマーケティングの知識ではなくなっていきます。

今の僕にとって「WHY」は、テクニックというより、仕事を始める前に一度立ち止まるための問いです。


2026年は「作ること」そのものが、さらに簡単になった

2026年の今は、以前と比べて「作る」ことのハードルがかなり下がっています。

ホームページを作る。

文章を書く。

画像を作る。

動画を編集する。

SNS投稿を考える。

企画書を作る。

AIを使えば、以前より短い時間で形にできるものも増えました。

WordPressなどのCMSを使えば、自分でWebサイトを運営することもできます。

SNSなら、スマートフォンだけでも発信できます。

AIを使えば、文章のたたき台やアイデアを出すこともできます。

これは、とても便利なことです。

僕自身も、WebツールやAIを実際の仕事で使っています。

だからこそ、これからは「作れること」そのものの価値だけではなく、

「何を作るべきかを考えられること」

が、より大切になるのではないかと思っています。


ホームページを作れば、仕事が増えるのか

例えば、

「ホームページを作りたい」

という相談があったとします。

もちろん、そのまま制作を始めることもできます。

でも、僕なら一度こう考えます。

なぜホームページが必要なのか。

誰に見てほしいのか。

その人は、何を知りたいのか。

ホームページを見たあと、何をしてほしいのか。

問い合わせをしてほしいのか。

来店してほしいのか。

商品を買ってほしいのか。

会社を知ってもらえればいいのか。

採用につなげたいのか。

既存のお客様に情報を届けたいのか。

そして、

「そもそも、ホームページでなければいけないのか」

ということも考えます。

場合によっては、ホームページよりSNSのほうが向いているかもしれません。

LINEのほうがいいかもしれません。

既存のネットショップを整理したほうがいいかもしれません。

あるいは、新しいものを作る前に、今ある情報を整理するだけで十分かもしれません。

「作ること」が目的になると、手段が目的に変わってしまいます。


マーケティングは「売る技術」だけではない

マーケティングという言葉には、いろいろなイメージがあります。

広告。

SNS。

集客。

販売促進。

分析。

キャンペーン。

もちろん、そうしたものもマーケティングの重要な要素です。

でも僕は、もっと手前にあるものもマーケティングだと思っています。

「誰に届けるのか」

「何を伝えるのか」

「なぜ選ばれるのか」

「相手は何を知りたいのか」

「どんな行動につながればいいのか」

「そもそも、今やっていることは必要なのか」

こうしたことを考えることも、マーケティングの大切な部分です。

旭川市でも現在、「デザイン・マーケティング課」が設けられ、デザイン思考や各種データに基づくマーケティングの手法を、市政課題の解決や旭川市デザインシステムの周知・活用促進などに活用しています。旭川市公式サイト

つまり、マーケティングは「広告を出して売る」という狭い話だけではなく、

「誰に、何を、どう届けるのか」

を考えることでもある。

僕はそう捉えています。


旭川は「デザイン都市」でもある

旭川は2019年10月、ユネスコ創造都市ネットワークのデザイン分野に加盟しました。

旭川市は「デザインの力で、持続可能で誇りある地域社会を実現する」というビジョンを掲げています。旭川市公式サイト

そして2026年1月からは、旭川市デザインシステムの市民利用も始まりました。

市は、デザインシステムを旭川の魅力を「デザイン都市」として一貫性をもって発信するための仕組みと説明しています。旭川市公式サイト

僕は、こうした動きを見ていると、

「デザインって、結局なんだろう?」

と考えます。

きれいなロゴを作ることだけではない。

ポスターを格好よくすることだけでもない。

Webサイトを整えることだけでもない。

「どうすれば、伝わるのか」

「どうすれば、使いやすくなるのか」

「どうすれば、人や活動が動きやすくなるのか」

そういうことまで含めて、デザインなのではないか。

少なくとも僕は、そう考えています。


「なぜ作るのか」の次に、もう一つ問いがある

ここ数年、僕自身が仕事をしていて、WHYの次に考えるようになったことがあります。

それは、

「それによって、何が変わるのか?」

ということです。

例えばホームページを作る。

なぜ?

会社を知ってもらうため。

では、知ってもらったら何が変わる?

問い合わせが増える。

では、問い合わせが増えたら何が変わる?

仕事につながる。

では、その仕事によって何が変わる?

事業が続けやすくなる。

働く人が増える。

地域のお客様に必要なものを届けられる。

こうやって考えていくと、

「ホームページを作る」

という行為そのものは、実は途中にあるだけだと分かります。

ホームページは目的ではない。

SNSも目的ではない。

AIも目的ではない。

デザインも目的ではない。

それらは、何かを動かすための手段です。


「増やす前に、整理する」

これは、今の松井構造室で大切にしている考え方のひとつです。

新しいSNSを増やす。

新しいサービスを増やす。

新しいページを増やす。

新しい広告を出す。

新しいツールを導入する。

もちろん、それが必要な場合もあります。

でも、その前に、

今あるものは何か。

誰に向けているのか。

何が伝わっていないのか。

どこで止まっているのか。

何が重複しているのか。

何をやめてもいいのか。

何を残すべきなのか。

一度並べてみる。

すると、意外と「新しいものを作らなくてもいい」という答えになることがあります。

僕がWebや情報整理の仕事をしていて面白いと思うのは、ここです。

作る仕事だと思っていたら、実は整理する仕事だった。

そんなことが、けっこうあります。


2026年の「WHY」は、AI時代だからこそ重要になる

AIによって、文章も画像も企画も、以前より短時間で作れるようになりました。

だから僕は、これから「作れる人」と「作れない人」の差より、

「何を作るべきかを考えられる人」と

「とりあえず作ってしまう人」

の差が大きくなるのではないかと思っています。

AIに、

「ホームページの文章を書いて」

と頼むことはできます。

でも、

「この事業に本当に必要な情報は何か?」

を決めるのは別の仕事です。

AIに、

「Instagramの投稿を10本作って」

と頼むこともできます。

でも、

「そもそもInstagramで何を伝えるのか?」

を決める必要があります。

道具が便利になるほど、

「何のために使うのか」

を考えることが重要になる。

これは、Webだけの話ではないと思います。


僕が「Web屋」だけになりたくない理由

僕はWebディレクターとして仕事をしています。

ホームページやWebサイトに関わる仕事もします。

でも、自分の仕事を「Web制作だけ」とは考えていません。

Webは手段だからです。

必要ならWebを使う。

SNSが必要ならSNSを使う。

AIが役立つならAIを使う。

紙が必要なら紙を使う。

人と直接話すほうがいいなら、直接話す。

大事なのは、

「何を使うか」

よりも、

「何を実現したいか」

です。

だから松井構造室では、

「活動を整理し、動ける形にする。」

ということを仕事の中心に置いています。

Webサイトを作ることもあります。

情報を整理することもあります。

SNSの使い方を考えることもあります。

サービスの見せ方を整理することもあります。

でも、そのすべての前にあるのは、

「今、何を動かしたいのか」

という問いです。


WHYは、一度決めたら終わりではない

もう一つ、最近思うことがあります。

WHYは、一度決めたらずっと変わらないものではないということです。

事業が変わる。

お客様が変わる。

自分の環境が変わる。

地域が変わる。

技術が変わる。

AIのように、仕事の前提そのものが変わることもあります。

だから、

「昔決めた目的だから、今も同じでなければいけない」

とは限らない。

むしろ、

「今、本当にこれをやる理由は何だろう?」

と、ときどき問い直したほうがいい。

僕自身も、これまでいろいろな仕事や活動をしてきました。

そのたびに、やりたいことも、できることも、見える景色も変わってきました。

だから今も、考え続けています。


2026年、僕が考える「WHY」

僕にとって「WHYからはじめる」ということは、

立派な理念を作ることではありません。

難しい経営理論でもありません。

まして、格好いい言葉を掲げることでもない。

もっとシンプルに、

「これ、何のためにやるんだっけ?」

と、一度立ち止まること。

そして、

「誰のため?」

「何を変えたい?」

「そのために、本当にこれが必要?」

と考えること。

その結果、

「やっぱりホームページを作ろう」

となるなら、それでいい。

「SNSをやろう」

となるなら、それもいい。

「今は何も増やさない」

という答えでもいい。

僕は、その判断ができる状態をつくることに価値があると思っています。


つくる前に、考える。

Webサイトを作る。

SNSを始める。

サービスを作る。

広告を出す。

AIを使う。

どれも手段です。

その前に、

なぜ?

誰のため?

何を変えたい?

本当に必要?

と考えてみる。

それだけで、やることの順番が変わることがあります。

増やすことより、整理すること。

作ることより、考えること。

伝えることより、まず自分たちが何を伝えたいのかを整理すること。

僕は、2026年の今、そんなところから仕事を始めたいと思っています。

そして、その先にあるのが、

「活動を整理し、動ける形にする。」

という、今の松井構造室の仕事です。


参考にした考え方について

仕事をしてきた中で、僕はたくさんの人から、たくさんの考え方を受け取ってきました。

その中には、時間が経ってから「ああ、あのとき言われていたことは、こういうことだったのか」と分かるものもあります。

今回の「WHYからはじめる」というテーマも、そのひとつです。

ただ、誰かから受け取った言葉を、そのまま答えとして使いたいわけではありません。

2026年の今、自分が経験してきた仕事や、旭川で活動する中で見てきたことを通して、もう一度考えてみる。

このコラムでは、そんな「考え直すこと」も大切にしていきたいと思っています。


松井構造室について

松井構造室は、北海道旭川市を拠点に、Web・情報設計・編集を通して、小さな事業や活動が動きやすくなる状態をつくる仕事をしています。

ホームページ、SNS、Webツール、AI、情報発信など、必要なものをただ増やすのではなく、

「今、何を整理すればいいのか」

から一緒に考えます。

「何を作ればいいのか分からない」

という段階からの相談も歓迎しています。

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