Webサイトを作る。
SNSを投稿する。
チラシを配る。
ブログを書く。
商品ページをつくる。
そこで、
「見てもらえればいい」
と思ってしまうことがあります。
もちろん、見てもらうことは大切です。
でも、本当に大切なのは、
「見てもらったあと、どうしてほしいのか?」
かもしれません。
知ってほしい。
興味を持ってほしい。
詳しく調べてほしい。
お店に来てほしい。
問い合わせてほしい。
予約してほしい。
買ってほしい。
誰かに紹介してほしい。
あるいは、
「今は何もしなくても、覚えておいてほしい」
という場合もあります。
情報発信は、見てもらって終わりではありません。
その先にある「次の行動」まで考えると、WebサイトもSNSも、少し違って見えてきます。
「見られること」が目的になっていないか
SNSでは、
フォロワー数。
いいね。
再生回数。
インプレッション。
アクセス数。
いろいろな数字を見ることができます。
数字が増えるとうれしい。
これは自然なことです。
でも、
「数字が増えた=目的を達成した」
とは限りません。
1万人に見られたけれど、誰にも必要とされなかった。
100人しか見ていないけれど、その中から3件問い合わせが来た。
どちらがいいのかは、その活動の目的によって変わります。
だから、
「どれだけ見られたか」
だけではなく、
「見た人に、何が起きたのか」
を見る必要があります。
「次の行動」は、必ずしも購入ではない
ここも大切です。
マーケティングという言葉を聞くと、
「買ってもらう」
ことを思い浮かべるかもしれません。
でも、行動はそれだけではありません。
たとえば、
初めて知る。
↓
プロフィールを見る。
↓
Webサイトを見る。
↓
サービスを知る。
↓
事例を見る。
↓
問い合わせる。
という流れもあります。
イベントなら、
投稿を見る。
↓
開催日を確認する。
↓
場所を調べる。
↓
予定を空ける。
↓
会場に行く。
となるかもしれません。
商品なら、
商品を知る。
↓
特徴を見る。
↓
価格を確認する。
↓
比較する。
↓
購入する。
となる。
「買ってください」だけが行動ではありません。
相手が次に必要とする小さな一歩を考える。
それが情報設計の一部です。
「お問い合わせはこちら」だけでは足りないことがある
Webサイトには、
「お問い合わせはこちら」
というボタンがあります。
もちろん必要です。
でも、初めて訪れた人にとっては、
「何を問い合わせればいいの?」
と思うことがあります。
料金を聞いていいのか。
まだ相談段階でもいいのか。
どんな内容なら対応してくれるのか。
問い合わせたら営業されるのではないか。
そういう不安が残っていると、ボタンがあっても押せません。
だから、
「問い合わせボタンを置く」
だけではなく、
「問い合わせても大丈夫だと思える情報を置く」
ことも必要になります。
たとえば、
「まだ依頼内容が決まっていなくても大丈夫です」
「まず相談だけでも構いません」
「こんなことで困っている方からご相談いただいています」
といった情報です。
ボタンより前に、安心があります。
行動できない理由を考える
「問い合わせが来ない」
という相談を受けたとき、
「もっと告知しましょう」
と考えることがあります。
でも、もしかすると、
そもそも何をしているのかわからない。
料金がわからない。
自分が対象なのかわからない。
問い合わせ方法がわからない。
問い合わせていいのかわからない。
という状態なのかもしれません。
つまり、
「行動したくない」
のではなく、
「行動するための情報が足りない」
可能性があります。
ここを間違えると、
さらに投稿を増やす。
広告を出す。
フォロワーを増やす。
という方向に進んでしまいます。
でも必要なのは、
「増やすこと」ではなく、
「行動できる状態をつくること」
かもしれません。
Webサイトは「案内図」のようなもの
僕はWebサイトを考えるとき、
一枚の広告というより、
「案内図」に近いものとして考えることがあります。
初めて来た人が、
「ここは何?」
と知る。
↓
「自分に関係ありそう」
と思う。
↓
「もう少し知りたい」
と思う。
↓
必要な情報を探す。
↓
「ここなら相談してみてもいいかも」
と思う。
↓
問い合わせる。
もちろん、全員がこの順番で進むわけではありません。
でも、
「次にどこへ行けばいいのかわからない」
状態を減らすことはできます。
それがWebサイトの導線設計です。
「情報の順番」は、それだけで意味が変わる
同じ情報でも、順番が変わると受け取り方が変わります。
いきなり料金を見せるのか。
まずサービスの意味を説明するのか。
最初に実績を見せるのか。
先に人柄を伝えるのか。
これに絶対の正解があるわけではありません。
大切なのは、
「その人はいま、何を知りたいのか?」
です。
初めて知った人に、専門用語を並べても理解しにくい。
逆に、すでに検討している人に、長い自己紹介だけを読ませても判断しにくい。
相手の状態に合わせて情報の順番を考える。
これも「誰に伝えるか」の続きです。
SNSでは「次の一歩」を小さくする
SNSは、Webサイトと同じように全部説明しなくてもいいと思っています。
むしろ、
「詳しくはこちら」
とWebサイトにつなぐ。
「イベントの詳細はプロフィールから」
と案内する。
「実際の様子はこちらの記事で」
と誘導する。
そうやって一つの投稿に全部を詰め込まない。
SNSは入口。
Webサイトは整理された情報。
問い合わせや予約は、その先。
そんなふうに役割を分けることもできます。
もちろん、SNSだけで完結する活動もあります。
重要なのは、
「この投稿を見た人に、次に何をしてほしいのか」
を決めることです。
「何もしない」という行動もある
少し変な話ですが、
「今すぐ何もしない」
というのも、一つの状態です。
たとえば、初めてその店を知った人。
その場では買わなかった。
でも、
「こういう店があるんだ」
と覚えていた。
数週間後、
「そういえば、前に見た店があったな」
と思い出して検索する。
そして来店する。
こういうこともあります。
だから、すべての発信を、
「今すぐ問い合わせ」
「今すぐ購入」
につなげる必要はありません。
認知。
理解。
興味。
比較。
相談。
購入。
再訪。
紹介。
その人が今どの段階にいるのかによって、必要な情報は変わります。
だから「全部売ろう」としなくていい
小さな事業のWebサイトを見ると、
「商品を買ってください」
「サービスを申し込んでください」
「お問い合わせください」
という情報がたくさん並んでいることがあります。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
でも、まだ知らない人にとっては、
「ちょっと待って」
となることもあります。
まず知ってもらう。
次に理解してもらう。
その次に、
「自分にも関係ありそう」
と思ってもらう。
そして必要になったときに、
「ここに相談しよう」
と思い出してもらう。
そんな関係もあります。
2026年は「情報のつながり」も重要になる
今は検索エンジンだけでなく、SNSやAIを使って情報を探す人もいます。
そのとき、
一つのページだけが評価されればいい、
という考え方だけでは足りなくなっています。
会社や店は何をしているのか。
誰のためにあるのか。
どんな商品やサービスがあるのか。
どんな場所にあるのか。
どんな特徴があるのか。
関連する情報が、それぞれバラバラではなく、意味のある関係として整理されていることが重要です。
これはSEOだけの話ではありません。
人間が読んでもわかりやすい。
検索でも理解されやすい。
AIが情報を整理するときにも意味を取りやすい。
結果として、
「情報そのものを整理しておく」
ことの重要性が高くなっています。
「何をしてほしい?」と考えると文章が変わる
たとえば、
「私たちは旭川でWeb制作をしています」
という文章があったとします。
これだけでも事実は伝わります。
でも、
「Webサイトを作りたいけれど、何から始めればいいかわからない人に、まず状況を整理するところから一緒に考えています」
となれば、
誰に。
何を。
どうしてほしいのか。
が少し見えてきます。
さらに、
「まだ依頼内容が決まっていなくても相談できます」
となれば、
「じゃあ、一度聞いてみようかな」
という次の行動につながるかもしれません。
言葉をきれいにするだけではなく、
「その言葉の先に、どんな行動があるのか」
を見る。
これが大切です。
「行動」は、相手に押しつけるものではない
ここも、僕は大切にしたいと思っています。
「今すぐ買ってください」
「今すぐ申し込んでください」
と強く迫ることだけが、行動を促すことではありません。
むしろ、
「詳しく知りたい人はこちら」
「料金を確認したい人はこちら」
「まず相談したい人はこちら」
「実際の事例を見たい人はこちら」
と、
「次に知りたいこと」を用意しておく。
選択肢を整理する。
それだけでも、人は動きやすくなります。
行動をコントロールするのではなく、
行動しやすい環境をつくる。
僕はこちらのほうが、情報設計として自然だと思っています。
デザインは「行動しやすさ」もつくる
デザインというと、
色。
フォント。
写真。
レイアウト。
ロゴ。
そういう見た目を想像することが多いと思います。
もちろん、それもデザインです。
でも、
「次に何をすればいいのかわかる」
ということも、デザインの一部です。
ボタンが見つかる。
情報の順番が自然。
必要な情報がすぐ見つかる。
問い合わせ方法がわかる。
地図がわかりやすい。
営業時間が見つかる。
予約方法がわかる。
こういう小さなことの積み重ねが、
「使いやすい」
につながります。
そして、
「使いやすい」は、
「動きやすい」
にもつながります。
小さな事業ほど「次の一歩」を考える
大きな企業なら、
認知広告。
キャンペーン。
LP。
メール。
営業。
店舗。
カスタマーサポート。
いろいろな仕組みを組み合わせられます。
でも、小さな事業では、
そんなにたくさんの仕組みを持てないこともあります。
だからこそ、
「今、この人に何をしてもらえれば十分なのか」
を考える。
問い合わせまで行かなくても、
まずWebサイトを見てもらう。
予約まで行かなくても、
まずイベントの日程を覚えてもらう。
購入まで行かなくても、
まず商品を知ってもらう。
その一歩を決める。
全部を一度にやろうとしない。
これだけでも、発信は少し楽になります。
「行動してほしい」を決めると、やらないことも見える
これは意外と大きなメリットです。
たとえば、
「まず相談してほしい」
と決めたなら、
フォロワー数だけを追いかけなくてもいいかもしれません。
「まず来店してほしい」
なら、
店舗までのアクセス情報を優先する。
「まず商品を知ってほしい」
なら、
購入ボタンより、商品の特徴や使い方をわかりやすくする。
目的が決まれば、
「今やらなくていいこと」
も見えてきます。
何でもやる必要がなくなる。
これは小さな事業にとって、かなり大きいことだと思います。
「発信する」から「動ける状態をつくる」へ
ここまで考えていくと、
WebサイトやSNSの役割が少し変わって見えてきます。
情報を載せる。
投稿する。
宣伝する。
だけではありません。
相手が、
知る。
理解する。
考える。
選ぶ。
動く。
という流れを邪魔しないようにする。
必要なら、背中を少し押す。
迷っているなら、判断材料を出す。
不安なら、取り除く。
わからないなら、説明する。
そうやって、
「動ける状態」
をつくる。
僕がWebや情報を整理するときに考えたいのは、そこです。
最初の問いを変えてみる
「何を投稿しよう?」
ではなく、
「この投稿を見た人に、次に何を知ってほしい?」
「何をしてほしい?」
と考えてみる。
「ホームページに何を載せよう?」
ではなく、
「初めて来た人が、何を理解できれば次に進める?」
と考える。
「問い合わせを増やしたい」
ではなく、
「問い合わせる前に、何が不安なんだろう?」
と考える。
問いを一つ変えるだけで、
見えてくるものが変わります。
作る前に、次の一歩を考える
ここまでの記事で、
WHY。
誰に伝えるか。
選ばれる理由。
そして今回は、
その先の行動。
というところまで来ました。
Webサイトを作る。
SNSを始める。
情報を発信する。
それ自体が目的ではありません。
その先で、
人が何を知り、
何を理解し、
どう判断し、
どんな一歩を踏み出せるのか。
そこまで考えて、情報を組み立てる。
僕はそれを、
「情報を整理する」
という仕事の一部だと考えています。
増やす前に、整理する。
作る前に、考える。
そして、
「見てもらう」から、
「次の一歩につながる」へ。
WebもSNSも、少し見方を変えるだけで、
まだできることがあると思っています。