マーケティングを考えるとき、商品そのものに目が行きがちです。「何を売るか」「いくらで売るか」「どんな特徴があるか」。でも、もう一つ大切なものがあります。「どうやって買ってもらうか」です。このことを考えると、コンビニはかなり面白い事例になります。
「欲しいものがある」だけでは買わない
喉が渇いたとします。水が欲しい。でも、水が存在するだけでは買えません。どこで買えるのか分からない、店が遠い、営業時間が合わない、商品を探しにくい、レジまで行くのが面倒。こうした小さな障害が積み重なると「あとでいいか」となります。商品を売るには、「欲しい」という気持ちを邪魔しない環境も必要になるのです。
コンビニの便利さは、商品だけで決まっているわけではありません。身近な場所にある、必要なときに立ち寄れる、商品を見つけやすい、購入までの手順が分かりやすい。こうした一連の体験が「便利」という価値につながっています。ここから学べるのは、商品と購入までの流れをセットで考えるということです。
小さな事業でも「買うまで」を考える
Instagramで商品を紹介しているとします。写真はきれい、文章も魅力的。でも「価格が分からない」「どこで買えるのか分からない」「予約方法が分からない」「営業日が分からない」となったら、せっかく興味を持った人が途中で離れてしまいます。これは商品が悪いのではありません。購入までの導線に問題がある可能性があります。
サービス業でも同じです。「お気軽にお問い合わせください」という言葉はよくありますが、初めての人にとっては「何を聞けばいいんだろう」「営業されないかな」という不安があります。そこで「まずは現在のホームページURLを送ってください」「相談内容は一言だけでも大丈夫です」など、最初の一歩を具体的にする。これだけでも問い合わせのハードルは下げられます。
まとめ
マーケティングは「売る技術」だけではありません。「お客さんが迷わず次に進める状態を作ること」もマーケティングの一部です。商品を知る、興味を持つ、詳しく見る、比較する、問い合わせる、買う、使う、また来る。この一連の流れの中で、どこに迷いがあるのかを見る。これが「導線」を考えるということです。「もっと集客しなきゃ」と思ったときほど、まず現在の導線を見てみる。新しい広告を出す前に、今来ている人がどこで止まっているのかを見るほうが先かもしれません。
