「SNSで商品を紹介しているのに、なかなか購入されない」「ホームページにはアクセスがあるのに、問い合わせが少ない」「知ってもらうことはできても、その先につながらない」。そんなときに考えてみたいのが「カスタマージャーニー」です。「お客さんが、その商品やお店を知ってから、購入・利用するまでに、どんな道のりをたどるのか」を考えることです。
売り手の想定と、お客さんの実際の流れは違う
お客さんの流れを並べると、知る→興味を持つ→調べる→比較する→問い合わせる→購入する→利用する→満足する→また利用する、といった形になります。
売り手側は「Instagramで紹介する→ホームページを見てもらう→購入してもらう」と考えていても、お客さんは、Instagramで見かける→気になる→プロフィールを見る→口コミを探す→Googleで店名を検索する→ホームページを見る→価格を確認する→他のお店と比較する→数日後にもう一度Instagramを見る→ようやく購入する、ということもあります。売り手から見ると「すぐ買ってほしい」けれど、お客さんから見ると「まだ判断するための情報を集めている」。この違いを考えるのが、カスタマージャーニーの大きな意味です。
段階によって、必要な情報は違う
まだお店を知らない人に「今月のキャンペーン開催中!」と伝えても、何のお店か分からなければ興味を持ちにくいかもしれません。一方、購入を検討している人に必要なのは、価格、購入方法、在庫、場所、納期といった具体的な情報です。知らない人に必要な情報と、買おうとしている人に必要な情報は違います。
SNSは「そこで売る場所」だけではなく、知ってもらう、興味を持ってもらう、人柄を知ってもらう、使い方を知ってもらう、といった役割を持ちます。ホームページも同じで、「初めて知った人が、次に必要とする情報は何だろう?」と考えることが、「何を書けばいいか分からない」という悩みを整理する手がかりになります。
一本道ではなく、「どこで止まっているか」を見る
カスタマージャーニーは、きれいな一本道の「正解の行動パターン」を作るものではありません。お客さんはSNSを見たり、検索したり、口コミを読んだり、友人に聞いたり、またSNSに戻ったり、一度離れて数週間後に購入したりします。
小さな事業なら、紙に「知る→気になる→調べる→問い合わせる→買う→使う→また利用する」と書き、それぞれの段階で「何を知りたいか」「何を不安に思うか」「どこで迷うか」「何があれば次に進めるか」を考えるだけで十分です。思い込みを避けるために、実際のお客さんに「どうやって知りましたか」「何が決め手になりましたか」「途中で迷ったことはありましたか」と聞いてみることも役立ちます。
問い合わせが少ないからといって、問い合わせだけを改善するとは限りません。問題が起きている場所だけではなく、その前後を見る。商品は気になるのに、情報が見つからず離れてしまう、というように、「購入までの道のり」に問題がある場合もあります。考える問いは5つ。お客さんは最初にどこで知るか。知ったあと何を調べるか。購入前にどんな不安や迷いがあるか。購入・利用したあとどんな体験をしているか。もう一度利用するまでに何が起きているか。ホームページを作ったのに問い合わせが来ないと感じるときは、この道のりのどこで止まっているかを見直すところから始めてみてください。松井構造室では、ホームページを作ったのに問い合わせが来ない店向けの「Web整理相談」で、この流れの整理をお手伝いしています。
